超電磁ロボ_コン・バトラーV
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超電磁ロボ コン・バトラーV
ジャンル
ロボットアニメ
アニメ
原作八手三郎
監督長浜忠夫
キャラクターデザイン村野守美成田マキホ
アニメーションキャラクター:安彦良和
メカニックデザインスタジオぬえ
製作NET→テレビ朝日
東映東映エージエンシー
放送局テレビ朝日系
放送期間1976年4月17日 - 1977年5月28日
話数全54話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『超電磁ロボ コン・バトラーV[注 1]』(ちょうでんじロボ コン・バトラーブイ)は、1976年4月17日から1977年5月28日まで、テレビ朝日系列で毎週土曜18:00 - 18:30(JST)に全54話が放送された、東映テレビ事業部制作のテレビアニメ。通称は『コンV』。
概要
制作の経緯

本作品は東映テレビ事業部が初めて制作を手がけたテレビアニメであり、それまで系列会社の東映動画が手がけていた同種作品とは異なり、東映テレビ事業部が企画してアニメーション制作を創映社に委託するという手法が採用されている[1]。この制作体制は、本作品に端を発した長浜ロマンロボシリーズ以降もキー局・制作会社・代理店などを変えながら、『ビデオ戦士レザリオン』(1984年)まで続くことになる。

脚本を担当した辻真先によると、本作品は『勇者ライディーン』のスタッフが手掛けることになっていた[2]。しかし、同作品や本作品にて総監督を務めた長浜忠夫によると、彼自身は『ライディーン』の終了が確実視されるようになっても、その続編の企画をテレビ局に売り込むことを継続しており、本作品の飯島敬プロデューサーの催促を無視していたそうである[3]。結局、新番組の立ち上げが不可能になるギリギリの時期で長浜は『続・ライディーン』を断念し、同作品のスタッフがようやく本作品に回ってきたものの、このような事情からスケジュールが逼迫し[3]、当初は1976年4月3日[4]からであった放送開始予定を、最終的に2週遅らせる形で同年4月17日からの放送開始となった。
デザインとコンセプト

コン・バトラーVのデザイン、ひいてはコンセプトに大きな影響を与えたのが『ゲッターロボ』であった。ゲッターロボは作中で行われる3機合体が玩具では再現できないという不満が高まっていたので、玩具メーカーのデザインにより、玩具上でも可逆的に合体・分離が可能な合体ロボを登場させたのが本作品であった[注 2][5]。このコンセプトは、次作『超電磁マシーン ボルテスV』や、後年本作品と同じ時間帯にて放送された特撮テレビドラマシリーズ「スーパー戦隊シリーズ」にも受け継がれている。

デザインを担当した村上克司によると、本作品は東映の渡邊亮徳が持ってきた「胴体を輪切りにされた、いわば「だるま落とし」のようなロボットのアイデアスケッチ」がきっかけだという[6]。村上は輪切りではなく各パーツが異なる個性を持ったマシンにすると決め、これがコン・バトラーVの基本コンセプトとなった。当初の試案では9機の合体が予定されていたが、多すぎるということで6機に減らされ、最終的に5機に落ち着いた。

その一方、キャラクターとメカニックのデザインは、長浜によって一度はリセットされている。長浜は『ライディーン』の試写で近所の子供を毎回招いていたが、彼らが帰る時に長浜の机にあった本作品のデザインを見て酷評したので、デザイン変更を決定した[3]安彦良和によると、ロボットのデザインは村上が担当し、安彦が作画的にアクションが出来ない部分を修正したと語る[7]

しかしこうしたアニメ制作側の独自判断でのアレンジにより、これに併せるべく金型の再作製を行うなど大変な労力と出費を強いられる形となり、スポンサーであるポピーにとっては不満の残るものとなった。このため次作『ボルテスV』では、ポピー側がロボットのデザインを企画段階の初期で早々に決定したうえ、「もうロボットはどこもいじらないで下さい。コン・バトラーの時は、製造工程上大変迷惑を受けた。もう二度と、あの思いはしたくない」と長浜に告げるにまで至っている[8]。またデザインに一切触れさせてもらえなかったにもかかわらず、必殺技の設定についても1976年末の土壇場で変更されるという事態にも見舞われており、結果キー局名の変更に合わせて終了予定だった本作品を1977年5月末まで延長し、『ボルテスV』の開始と玩具の製造・供給への時間をどうにか捻出せざるをえない状況となってしまった。

こうした紆余曲折を経ながらも、本放送当時発売された玩具は、東宝映像の川北紘一によるCM演出も効果を上げて大人気を博した。
番組終了後の展開

番組終了後の1982年、海外展開に伴い「宇宙にはまだこんなに凄いやつがいた!」というキャッチフレーズとともに、一回り小さいながらもポピニカとほぼ同じデザイン・合体と、より洗練されたプロポーションを再現し、強度不足を解消したDX超合金『電磁合体コン・バトラーV』が発売された。また1999年(放映23年後)にはアニメに忠実なデザイン・合体を再現した超合金魂が「少年の心を持った大人たちへ…」のキャッチフレーズで発売され、さらに10年を経た2009年(放映33年後)には超合金魂のリニューアル版が発売。2009年版の発売時には5機のマシンを収納できる大型基地「南原コネクション」の玩具も限定品として通信販売された。そして2017年にはDX超合金魂が発売される。超合金魂の約1.5倍ほどのサイズで完全変形合体を実現[注 3]し、合体サウンドなどの音声も再現されている。

2012年5月、京楽産業.からパチンコ『CRぱちんこ超電磁ロボ コン・バトラーV』が発売され、ホールでの稼働を開始。キャラクターデザインは、アニメーターの田村英樹によって一新されている[9]
ストーリー

地底に潜んでいたキャンベル星人が侵略行動を開始した。これを予期していた南原博士は超電磁の力で合体する巨大ロボ「コン・バトラーV」を建造。天下御免であらゆる武器を持てる許可証を交付して全国から4人の若者を集め、孫娘のちずるを含めた「バトルチーム」を結成した。南原博士の死と四ッ谷博士の登場、大将軍ガルーダの悲しい秘密、新たな敵女帝ジャネラの出現…地球に平和を取り戻すまで豹馬たちの戦いは続く。
登場人物
バトルチーム

企画段階のキャラクター名は、主人公が「中島俊」、浪花十三に相当するキャラが「東山勇太郎」、他は同じで、東西南北+中であった。
葵 豹馬(あおい ひょうま)
- 三矢雄二(現・三ツ矢雄二[注 4])主人公でチームリーダー。熱血少年だが、孤児院育ちの天涯孤独な生い立ちからか理屈屋のため少々ひねくれた所もある。正義感は強く、友情や人との信頼を大事にし、そのためには命も惜しまない。暴走族あがりで気性の激しいケンカの達人。初期には十三とのいがみ合いでコンバインを邪魔してしまうこともあったが、後に頼れる仲間となった。初期にガルーダとの戦いで両腕を失うが、人工細胞を用いた精巧な義手を装着し戦線に復帰する。後に義手の人工部品に対する拒絶反応が出たが、痛覚を利用して克服する。バトルジェットに乗り込み、コンバイン後はコン・バトラーVのメインパイロット(機体そのものの制御と、一部武装の制御)を務める。本編ではゲストの女性キャラクターに好かれているが、恋愛にはやや鈍感なタイプ。モグマ戦で決死の偵察行に向かう時、見送るちずるの視線から、初めて彼女の想いに気付いた模様。その頃から買い物につきあったり、ちずるのやきもちに反応するなどの描写が増えていった。最終回ではそれぞれの故郷に戻る十三、大作、小介の三人をちずると共に見送った後、彼女と共にコネクションに戻る。
浪花 十三(なにわ じゅうぞう)
声 - 山田俊司(現・キートン山田、ナレーションも兼任)昭和33年4月1日生まれ。常に斜に構える気障な皮肉屋で、口の悪さは相当なもので周りから誤解を受けやすい。ライフルの腕前は、わずか8歳でライフルの大会に出て優勝するなど超一流で、その天才的な実力でチームの窮地を救うなど生身での戦闘力も一流。その実力ゆえに指紋まで備えた精巧なアンドロイドを量産され、危機に陥ったこともある。コンバインの後も銃器管制を務める。豹馬とはぶつかることも多いがお互いの力は認めており、いつしかお互いに頼れる仲間となっていた。バトルクラッシャーに乗り込む。大阪出身で関西弁で喋る。
西川 大作(にしかわ だいさく)
声 - 立壁和也(後のたてかべ和也[注 4])巨漢で柔道の達人。漫画家になるのが夢(主に擬人化された動物を描く)。バトルタンクに乗り込み、コンバインの後には出力の制御を主に行う。九州阿蘇山麓の出身で熊本弁を操る。気は優しくて力持ちの好漢。五人兄弟の長男。
南原 ちずる(なんばら ちずる)
声 - 上田みゆき南原博士の孫で紅一点。髪は緑色のロングヘアでやや勝ち気だが女の子らしい一面もあり、豹馬とやがて恋仲に。先天性の心臓弁膜症を患っていることが劇中で明らかになった。バトルマリンに乗り込み、戦闘中はマリンでタンクを運ぶ他、搭載された修理装置で他のバトルマシンの応急修理をすることも。スリーサイズ:B84-W60-H不明。好きな食べ物:おいも・ケーキ。村野、成田がデザインした姿はストレートヘアではなく、パーマがかかっていた。最終回では豹馬以外の男性メンバーを見送った後、豹馬と共に家とも言うべき南原コネクションに帰った。
北 小介(きた こすけ)
声 - 千々松幸子小学生ほどの年齢だがIQ200、洞察力に長け飛び級で大学に進学したほどの天才で敵の戦闘力や武器の性能を瞬時に読み取り対抗策をアドバイスしている。まだオネショが治らない。バトルクラフトに乗り込む。北海道阿寒町[注 5]の出身。両親は阿寒湖の畔に住んでおり、父親がマリモの研究をしている。登場当初は口の悪さで幾分小生意気な言動も見られたが、次第にバトルチーム内の弟的存在となり、小介自身ちずるを「お姉ちゃん」と呼んだこともあった。後に金太たちの登場で彼自身もかれらの兄的存在となっている。研究者・開発者としての面も持ち、コン・バトラーの強化の際には四ツ谷らと共に徹夜をしたこともある。合体時にはもっぱら、クラフト搭載の複数の分析機器を駆使して敵の弱点を探る。
南原コネクション他
南原 猛(なんばら たけし)博士
声 -
納谷悟朗 / 納谷六朗(第14話のメッセージボイス)ちずるの祖父。キャンベル星人の襲来に備え、南原コネクションを基地に改造、バトルチームのためにコン・バトラーVを建造し、彼らに用意していた。第2話で四ッ谷を司令官として招聘すべく外出した時に、一時は撃退したと思われていた敵どれい獣と遭遇。その攻撃により重傷を負い、第3話での戦闘の爆風から己の身を盾にして四ッ谷を守り、戦死。実は第2話での傷から、自身の命が10日も持たないことを悟っていた。それゆえに危険を承知で四ッ谷を戦場へ案内した上で「人間のためではなく地球のために戦ってくれ」と遺言し、後事を託している。
四ッ谷(よつや)博士
声 - 富田耕生南原博士の後任で彼の同郷の親友。名前は不明。がさつで大酒飲みだが、自然を愛する豪快な性格。豹馬には“おっちゃん”の呼び名で親しまれ、自身も豹馬に対しては厳しい父親のように接する。第3話で亡くなった南原博士の後を受けて南原コネクションを率いる。ただし、南原博士は当初から「戦闘の指揮は友人の四ッ谷に任せよう」と考えていたので、南原博士の急遽の代役という訳ではない。「地球を壊し、汚すのは他ならない人間たちだ!」と当初は人間嫌いを公言してコネクションを引き受けることを固辞していたが、「地球のために戦ってくれ」と死を賭して懇願する南原の遺志を汲んで、コネクション、ひいてはバトルチームの指揮を決意。南原の死に涙するバトルチームに対し「泣くな貴様らぁ!」と一喝する。敵による自白を強要された時にはウソの情報を吹き込んだり、自ら靴に発信機や奥歯に解毒剤を仕込んだり、となかなかの策士。実はお茶の水博士のアンチテーゼとして発案されており、初登場がトラ箱(警察署内に置かれる、泥酔者を保護するための部屋の俗称)の中だったりと不良博士として描かれている。名前の由来は(JR中央線快速における)御茶ノ水の隣の駅四ツ谷から。資料によっては「四谷」と表記されているものもある。
ロペット
声 - 野沢雅子自意識を持つロボット。バトルマシンを通じてチーム5人の脳波を測定、コンバイン時の要となる。なお、コンバインに必要な超電磁波の出力調整はロペットが行う。合体後もロペットによる管制が行なわれており、合体中に脳波が乱れるなど介入されると、コン・バトラーは結合が解けてバトルマシンに分離してしまう(実際、第40話において偽者のちずるがこの方法でコン・バトラーを分解させている)。両目(右が豹馬、左が十三)と胸から腹にかけて3つ(上から大作、ちずる、小介)、計5つのメーターがあり、それぞれが各人の脳波を示すと共に、コンバイン時以外にはこれら(特に目の二つ)で、アナクロながらも豊かな表情を形作る。また胸の部分、大作のメーターの箇所が開き、飲み物(酒も)を出したりもする。第38話で、合体メカ蛙ブロワーに飲み込まれたトラウマで蛙が嫌いになってしまった事もあった。両手はフレキシブルパイプにつながったペンチ状のフックだが、器用に使えるようで、掴む・挟む・抱える・トレーを支えるなど自由に使いこなしている。第34話では、敵が作った偽の秘密基地から脱出するべく、両手に内蔵された有線式爆弾を作動させてシャッターを破壊した。両足は台形配置されたクローラとなっている。これも器用に伸縮自在に操っている。
一木 金太(いちのき きんた)
声 - 野沢雅子南原コネクションの雇われコックの一木一家(第29話から登場)の長男。正義感にあふれバトルチームに入りたがっていた。小介のオネショを見つけた事で彼の弱みを握り、これを脅迫材料にしてケロットの改造を行わせた。ケロットの頭部に乗り込み、攻撃やジャンプの指示をするだけで普段あまり役に立っていないが、救出作戦などでは活躍をみせている。
一木 知恵(いちのき ちえ)
声 - つかせのりこ / 松岡由貴スーパーロボット大戦シリーズ)金太の妹。兄と同じくバトルチームに入りたがっていた。ケロットの胴体に乗り込む。ケロットのジャンプ力は操作盤となる鍵盤を叩いた力に比例するため知恵の鍵盤さばきが重要であった。またガムガム弾の準備などケロットの操縦のほとんどをこなす。金太に比べるとやや思慮深く、ちずるの豹馬への想いに真っ先に気付いたのも知恵である。
一木 木兵衛(いちのき もくべえ)
声 - 立壁和也南原コネクションの雇われコック。正義感が強く、鎧兜に身を包み竹やりを手に50メートル級のロボットに向かっていくような人物。その血は息子たちにも受け継がれている。肝心のコックの腕の方は不明。第38話では沼で捕まえた大量の蛙を皆に食べさせようとしていた(しかし、それはワルキメデスが罠として放ったメカ蛙だった)。時折妻を「モモエちゃん」と呼ぶ。
一木 百江(いちのき ももえ)
声 - 上田みゆき木兵衛の妻。バトルチームに入りたがる金太と知恵を諌めるどころか、手作りの三輪ハタキメカ(ケロットの前身)で戦闘に参加しようとする二人を応援していた。
ケロッペ
声 - 市川治金太と知恵のペットの蛙。首に赤いリボンを巻いている。人語を解し、ケロットに乗り込み金太と知恵のサポートまでする。縄跳びがうまい。
コネクション女医
声 - 中西妙子(第24話)/ 野沢雅子ちずるの心臓弁膜症を見抜き、手術を行った医師。ちずるに冷たく事実を突きつけ、出動を禁じようとしたが、あくまで症状の悪化を恐れてであり、手術成功後は優しい笑顔を見せている。後に、ちずるの両手が凍傷になった時も治療を行っている。
ローレンス・ピカデリー博士
声 - 八奈見乗児グレートブリッデン国のローレンス・ロボット研究所所長。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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