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アデレードのグレネルグ・トラムにおけるアルストムのシタディス302及びボンバルディアのFlexity Classic
超低床電車(ちょうていしょうでんしゃ)は、客室床面の高さが極めて低い電車のことである。主に路面電車に使用される。
乗客は、高さが低いタイプの停留場のプラットホーム(場合によっては地上)からほぼ段差無く乗降し、客室内部に出入りできるので、乗降性が優れている。
概要.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}車椅子利用の可能な超低床路面電車の乗降口車両内に階段のある高床路面電車の乗降口
超低床電車の床面高さは、おおむね300 - 350 mm程度に設定されている。世界で最も低床なものはウィーンのULF形であり、その床面高さは180 mmである。従来の路面電車車両は車輪と動力装置を床下に設ける構造であったが、超低床電車では、小径車輪採用による車軸の低下化、車軸を廃止した左右独立車輪式台車、フローティング車体の使用、電子機器の屋根上への配置などの技術を用いて客室床面を下げている。完全低床とは、客室中央通路が全長に亘って100 %低床化されている設計を指す。部分低床とは100 %未満の設計を指す。
超低床電車は、客室床面をプラットホーム(場合によっては地上)とほぼ同じ高さに近づけることにより、プラットホーム・乗降口・客室中央通路床面の間の乗降客の動きをバリアフリー化することを目的に開発された。
路面電車の停留場はプラットホームの高さが低く、また、プラットホームが設置されていない停留所もあるため、従来車両では乗降の際に車両側のステップ(段差・階段)を用いる必要がある[注釈 1]。しかし、この方法では乗降に時間がかかるうえ、老人や障害者の乗降にも支障がある。車両によっては扉幅が狭く、介助者が付いても車椅子の乗降が物理的に不可能な場合があった。
なお、東京都交通局都電荒川線や東京急行電鉄世田谷線では、専用軌道の比率が高いことから、超低床電車を用いず、プラットホームの高さを嵩上げすることでバリアフリー化を実現している。
歴史1910年代に製造された超低床電車"ヘドリー・ドイル・ステップレス・ストリートカー"
低床路面電車車両は欧米の都市で1910年代頃から現れている。多くは出入口付近のみを低床化したものだが、ヘドリー・ドイル・ステップレス・ストリートカーのように台車以外の部分を全て低床化したものもある。100 %低床車両は、ドイツのコッペル社が1934年に床面高さ380 mmの4輪電動客車をエッセンに納入している。これは第二次世界大戦中の1943年まで使用されたが、その後、この試みは途絶えていた。
再び動きが出てくるのは1980年代後半のヨーロッパ各国である。パワーエレクトロニクスの発展により、機器の小型化が実現、これと車軸の廃止や動力伝達方式の工夫が組み合わさり、様々な形態の車両が生み出されていく。その始まりは、スイス(ヴェヴェイ市)のACMV社が1984年に製造した2車体連節車のBe4/6形で、ジュネーヴに納入された[1]。これは、台車は通常の構造で、それ以外の部分の床を下げた部分低床車である[1]。
さらにその後、車内の70 %が低床構造となっている部分超低床電車を実現するために、各メーカーは、車両両端の動力台車以外には、車軸を廃止した構造の非動力台車を採用し、低床部分を拡大している[1]。フランスのグルノーブル(アルストム社TFS-2型を1987年に導入)、イタリアのトリノ(1988年 - 1989年・フィアットもしくはフィレマ製5000型)、スイスのベルン(1989年、ACMV社製Be 4/8)などがこのタイプである[1]。
一方、車内全体が低床構造となっている100 %低床車としては、イタリアのソシミ社が1989年に4軸ボギー車のS-350が世界初の事例である[1]。動力台車の外側に各車輪専用の主電動機を取りつけた方式が特徴で、この方式は後にABB社と共同開発したユーロトラムとして普及する。フランスのストラスブールの車両(1994年導入)がこの一例である[1]。
ドイツでは、「ドイツ公共輸送事業者協会(Verband offentlicher Verkehrsbetriebe; VOV; Association of Public Transport Companies)」により1982年に研究組織が作られ、1991年には独立操舵式車輪と外側にモーターを持つ車両が生まれている[1]。
しかし、同国で大規模に普及したのは、AEG社(実質に買収された旧MAN社の鉄道車両部門)が1989年に試作し、翌1990年からブレーメン市電で営業運転に導入されたGT6N形から始まった、ブレーメン形と呼ばれる路面電車車両である[1]。車輪を繋ぐ車軸がなく、車体下部に設置された電動機からカルダンシャフトを介して動力が伝達される車体装架カルダン駆動方式が特徴である[1]。
一方、従来ドイツ最大の路面電車メーカーであったDUEWAG(デュワグ)社は当初、前述のVOVタイプが開発の中心であり、70 %低床型NGT6C型車両(カッセルへ1990年導入)、40 %低床型GT8DMNZ型車両(フライブルクへABB社とともに1993年導入)、ハブモーターを使用した100 %低床型車両(フランクフルト・アム・マインのTyp R,1993年導入)を始めていた[1]。