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起電力
electromotive force
量記号E
次元M L2 T−3 I−1
種類ベクトル[疑問点 – ノート]
SI単位ボルト (V)
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起電力(きでんりょく、英語: electromotive force、略: EMF)とは、電流の駆動力のこと。または、電流を生じさせる電位の差(電圧)のこと。単位は電圧と同じボルト (Volt, V) を用いる。起電力を生み出す原因には、電磁誘導によるもの(発電機)、熱電効果(ゼーベック効果)によるもの(熱電対)、光電効果(光起電力効果)によるもの(太陽電池)、化学反応によるもの(化学電池)などがある。 化学電池(電気化学セル)の起電力は、電気化学的平衡状態における電極の電位差である。「電流が0の時の電極間の電位差(開回路電圧)」と説明されることもあるが厳密には異なる。電極上では電気化学平衡が成り立っていないにもかかわらず、電極間を流れる電流が 0 となることがあり(1つの電極上で複数の電気化学反応が起こっている場合など。混成電位
化学電池の起電力
電位差を測定する方向や電池反応の表現方法に任意性が存在するため起電力の符号について混乱があったが、1953年にストックホルムで開かれたIUPACの会議において、起電力の符号の決め方について勧告[1]が出された(ストックホルム規約と呼ばれることがある)。 次のような電池図式
起電力の定義
ここで、M1, M2 は電気伝導体の電極を、S はイオン伝導体(電解質)の溶液を、両端の T, T′ は端子を表すとする。
この電池の内部において正電荷を左から右(T → T′の方向)へ移動させるときに、電極 M1 上では R ( M 1 ) ⟶ O ( M 1 ) + n e − ( T ) {\displaystyle \mathrm {R(M_{1})\longrightarrow O(M_{1})+} n\mathrm {e^{-}(T)} } (酸化反応)
電極 M2 上では O ′ ( M 2 ) + n e − ( T ′ ) ⟶ R ′ ( M 2 ) {\displaystyle \mathrm {O^{\prime }(M_{2})+} n\mathrm {e^{-}(T^{\prime })\longrightarrow R^{\prime }(M_{2})} } (還元反応)
すなわち、電池全体では、 R ( M 1 ) + O ′ ( M 2 ) + n e − ( T ′ ) ⟶ O ( M 1 ) + R ′ ( M 2 ) + n e − ( T ) {\displaystyle \mathrm {R(M_{1})+O^{\prime }(M_{2})+} n\mathrm {e^{-}(T^{\prime })\longrightarrow O(M_{1})+R^{\prime }(M_{2})+} n\mathrm {e^{-}(T)} }
の反応が進行すると約束する(電池図式において左側の電極はアノード、右側の電極はカソードを表す)。
この反応が電気化学的平衡になっている時の、左側の端子 T に対する右側の端子 T′ の電位差が起電力である。
このときの起電力 E は E = − ( μ e − T ′ − μ e − T ) F = − ( μ O M 1 + μ R ′ M 2 ) − ( μ R M 1 + μ O ′ M 2 ) n F {\displaystyle E=-{\frac {(\mu _{\mathrm {e^{-}} }^{\mathrm {T^{\prime }} }-\mu _{\mathrm {e^{-}} }^{\mathrm {T} })}{F}}=-{\frac {(\mu _{\mathrm {O} }^{\mathrm {M1} }+\mu _{\mathrm {R^{\prime }} }^{\mathrm {M2} })-(\mu _{\mathrm {R} }^{\mathrm {M1} }+\mu _{\mathrm {O^{\prime }} }^{\mathrm {M2} })}{nF}}}
で表すことができる。ここで、μ xy は相 x における反応種 y の電気化学ポテンシャル、n は反応電子数、F はファラデー定数を表す。
一般に、反応のギブスエネルギー変化が ΔG で表されるとき、起電力 E は、 E = − Δ G n F {\displaystyle E={\frac {-\Delta G}{n{\mathrm {F} }}}}
となる。
このように、起電力は形式的に決定される。普通、電池の場合は起電力の値が正となるように電池図式・化学反応式を記述する。電池の反応式を逆に記述すれば起電力の符号も逆になる。
起電力と電極電位詳細は「標準電極電位」を参照
電池のそれぞれの電極の片方についてのみ注目して、それを半電池 (half-cell) または単極 (single electrode) と呼ぶ。上の例ではそれぞれ M 1 ∣ S , S ∣ M 2 {\displaystyle {\rm {{M_{1}\mid S}~,~~{\rm {S\mid M_{2}}}}}}