赤福
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.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}この項目に含まれる文字「餅」は、オペレーティングシステムブラウザなどの環境により表示が異なります。赤福餅

赤福餅(あかふくもち)は、三重県伊勢市に構える和菓子屋赤福を代表する商品である。餅菓子であり、いわゆるあんころ餅の一種。餅を漉し餡でくるんだもので、漉し餡には3つの筋がつき、五十鈴川の川の流れを表しているとされる。餅は傾けて持ち帰ると崩れることがあるほど非常にやわらかい[要出典]。

「ええじゃないか」のテレビCMと「赤太郎」というキャラクターで知られる。中京近畿圏のJR線主要駅や近鉄沿線の特急停車駅、サービスエリア百貨店空港売店など広範囲に発売されている(遠くは岡山県でも販売された)。この販売エリアは伊勢神宮の信仰が特に強い地域とほぼ等しいという説もある[要出典]。基本的に直営店と在庫を管理する営業所の近辺に限られる[要出典]。

伊勢神宮内宮前のおかげ横丁には茶店風の本店がある[1]。例年、夏場には「赤福氷」という抹茶氷に赤福餅を入れたものが供される[2]。冬場には赤福の餅と餡を使った「ぜんざい」が供される[1]。この「赤福氷」と「赤福ぜんざい」は、本店のほかに、伊勢志摩地区・名古屋地区・大阪地区の一部の直営店でも季節限定品として供されている[1]
来歴

赤福経営者である濱田氏は、濱田ます(8代当主・種三の妻、企業としての赤福初代社長)の口述によると、先祖は応永年間(1394年 - 1427年)に宇治に移住してきた。それ以前のことは不明である[3]

赤福の正確な創業年は不明だが、江戸時代初期には皇大神宮(伊勢神宮内宮)前、五十鈴川のほとりですでに「赤福」の屋号を持つ餅屋を営んでいたといわれる。1707年宝永4年)執筆、1708年(宝永5年)刊行の市中軒の浮世草子『美景蒔絵松』に、伊勢古市の女が「(恋仲になった男が)赤福とやら青福とやら云ふあたゝかな餅屋に聟に入りを見向きもしなくなってしまい、その裏切りがくやしうて泣いております」と嘆いたという話があり、これが「赤福」の屋号の初出である。そのため、現在は1707年を赤福の創業年としている[4]

また、薗田守理『秘木草紙』によると、古老の話として、昔の赤福はささやかな店で、今の濱田氏と血縁のない浜田という老女が経営していたという[5]

「赤福」の名は1895年明治28年)の『神都名勝誌』では、餡を入れた餅を大福と呼ぶ対比として、赤い餡をつけた餅であるから赤福と称したと推察している。1929年昭和4年)の『宇治山田市史』ではこの説を採用し、その他の説はこじつけであるとしている[6]。赤福のホームページではまごころ(赤心)をつくすことで素直に他人の幸せを喜ぶことができる(慶福)という意味の「赤心慶福」(せきしんけいふく)に由来するとしている。言い伝えによると、京都から来たお茶の宗匠があんころ餅を「赤心慶福」と讃え、創業者の治兵衛がそれを聞き屋号と製品名に採用したという[7]。名前の「赤」にちなんで包装も商品名のロゴも赤いが、菓子自体の色は厳密には小豆色であり赤ではない[8]赤福もち製造風景。現在は、手作りは本店での喫食分などに限られる。

当初は、砂糖を使っておらず、味の餡であった。1727年江戸幕府の8代将軍徳川吉宗が砂糖の原料となるサトウキビの栽培を奨励し、砂糖の生産高が増えたことから、赤福も次第に黒砂糖餡を使うようになった。1911年明治44年)、昭憲皇太后明治天皇皇后)が神宮参拝の折、赤福餅を注文した。赤福は、甘みと灰汁の強い黒砂糖餡では、「皇后陛下のお口に合わないのではないか」と案じ、白砂糖餡の特製品を献上した結果、無事好評を博したという。この結果、一般販売にも白砂糖餡を使うようになり、現行の赤福餅が完成した。赤福では、昭憲皇太后の注文を受けた5月19日を「ほまれの日」と定め、包装紙にも「ほまれの赤福」と称するようになった[9]。しばらくの間は、黒砂糖餡を「赤福」、白砂糖餡を「ほまれの赤福」として販売していたが、その後、後者に統一された。なお消費期限および製造日、原材料表示偽装事件(製造後冷凍していたものを、随時解凍した際の日付で製造日を改竄していた)発覚後、営業再開した新パッケージでは、「ほまれの」という文字は削除された[要出典]。なお現在、パッケージの包み紙には「ほまれ」の文字が記載されている。

本店での店頭では、手作りの実演販売がされているが、現在は手作り品はその場で提供する分など一部に限られる。包装品は原則として工場生産である。工場は1977年(昭和52年)より、本店そばから伊勢市朝熊町に移転した。さらに、朝熊町の工場は操業能力や津波対策に問題があるとして、2019年度(令和元年度)には伊勢市神薗町の神薗工業団地への再移転工事が始まる予定である[10][11]

赤福は、「赤福」「ほまれの赤福」を併売していた時期などを別にすると、原則として通年販売は1種類のみだった。2018年7月15日、前年の全国菓子大博覧会で好評だった「白」、かつて販売していた黒砂糖餡の「黒」、そして新製品として大麦若葉で色をつけた(冬期はヨモギを使用)「緑」を追加し、従来の「赤」とあわせて4種類の赤福をセットにした「いすず 野あそび餅」を販売開始した[12]2019年5月20日からは、とうもろこしで色をつけた「黄」を発売予定である[13]。「いすず 野あそび餅」は、五十鈴川店のみ販売となる。
歴代社長
赤福社長


濱田ます
:1954年 - 1968年

濱田益嗣:1968年 - 2005年

濱田典保:2005年 - 2014年

濱田勝子:2014年 - 現職

パッケージと製品表示

商品包装紙の上面には伊勢神宮の神殿と内宮前の宇治橋が、底側には赤福にちなんだ俳句が記されている。子規虚子の句と包装にあるが、正岡子規については出典不明であるという[14]。また箱の中には、「伊勢だより」というその日にちなんだ文章と絵の入った紙片が入っており、500種類ほどある[要出典]。

保存料を使わない生菓子であり、本来の消費期限は夏期は製造年月日を含め2日間、冬期は3日間である。創業300年となった2007年に、冷凍保存していた製品を、解凍日を製造年月日として出荷していたこと、さらに売れ残り商品の再利用をしていたことが明るみに出た。三重県が10月19日より「赤福」を無期限の営業禁止処分としたことで(2008年1月30日に解除)、経営問題に発展した。このことについては、後掲消費期限および製造日、原材料表示偽装事件を参照。

2008年度は、2月6日の販売再開時から5月16日までの間と、同年10月11日から翌年2009年5月17日までが冬季用の消費期限設定に、2008年5月17日より10月10日までの間は、夏季用の消費期限が設定された。また折箱や銘々箱の帯封は、冬季用が臙脂色、夏季用が水色となっている。原材料表記も「砂糖・小豆(北海道産)・餅米(国産)」と書かれているのは共通であるが、冬季用は「糖類加工品(大豆を含む)」を使用している旨が追記されているのに対し、夏季用は表記の原材料のみの使用のため、追記は除外されている。

なお2008年2月6日の営業再開時から3月末までは前述の「伊勢だより」に替えて、不祥事のお詫びと営業再開についての挨拶文が入れられていたが、4月1日より「伊勢だより」が再び入れられるようになった。またこの「伊勢だより」には社長名も入れられていたが、不祥事後の営業が再開されてからは社長名は入れられていない。また2008年5月17日より、包装紙に記載される製造年月日(「謹製」と表示)と消費期限の年月日の表示も、これまでの西暦表示から、元号表示に変更された。

上記の消費期限の設定や配達日数の関係もあり、地方配送は例年、気温の高い6?10月の間以外のみ対応している[要出典](なお、新型コロナウィルスによる、航空便の輸送が減少しているため、2023年5月現在、青森県秋田県への配送は休止扱いとなっている)[15][16]


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