赤毛のアン_(アニメ)
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世界名作劇場
通番題名放映期間
第4作ペリーヌ物語1978年1月
- 1978年12月
第5作赤毛のアン1979年1月
- 1979年12月
第6作トム・ソーヤーの冒険1980年1月
- 1980年12月

アニメ:赤毛のアン
原作L・M・モンゴメリ
監督高畑勲
脚本高畑勲、千葉茂樹神山征二郎
荒木芳久、ほか
キャラクターデザイン近藤喜文
音楽毛利蔵人
アニメーション制作日本アニメーション
製作日本アニメーション、フジテレビ
放送局フジテレビ系列
放送期間1979年1月7日 - 12月30日
話数全50話
アン
マシュウ
マリラ
ダイアナ
ナレーター山田栄子
槐柳二
北原文枝
高島雅羅
羽佐間道夫
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『赤毛のアン』(あかげのアン)は、1979年1月7日から12月30日まで、フジテレビ系列で毎週日曜19:30 - 20:00(JST)に全50話が放送された、日本アニメーション制作のテレビアニメ。「世界名作劇場」の第5作目に当たる[1]。厚生省児童福祉文化賞受賞(1979年)。

本項目では、2010年に公開された再編集版の映画『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』についても併せて取り扱う。
概要

原作はL・M・モンゴメリの長編小説『赤毛のアン』。同作品の翻訳は数多いが、本作品の制作に当たって用いられた底本は、1973年の神山妙子訳(旺文社文庫、新学社文庫)である。制作当時、もっとも原書に忠実な完訳であったことから選ばれた。この旺文社文庫版は現在では絶版のため、入手が困難となっている(グーテンベルク21のデジタルブック版は入手可。外部リンクを参照)。また新学社文庫版は中学生用図書教材という性質上、一般書店では流通していないが、最寄りの新学社教材取扱店が注文を受けてくれれば、現在でも個人での入手は可能である。

本作品は原作を忠実に、そのまま映像化した作品として高い評価を受けている。時代設定、第1話の作中で「今からおよそ80年ほど前」(1890年代)と、原作と同様の説明がなされている[2]。また、原作では作者のモンゴメリが愛読していた、ルイス・キャロルの児童小説『不思議の国のアリス』の引用があり、本作品でもこれにならう形で同書を紹介する場面がある。監督の高畑勲は原作に忠実な作りにした理由として、会話劇のおもしろさやアンやマリラなどの登場人物それぞれの立場に立つことで二重に楽しめる構造など、原作の良さを活かすためとしている[3]

他方で前作までと同様に、アニメオリジナルのエピソードも存在し、第25話を皮切りに物語の後期辺りで多数追加されている。また原作でアンがダイアナとの家の間に横たわる森に「お化けの森」と名づけるくだりのように、原作にありながらもアニメではカットされているエピソードもある[4]。この他第33話での、アンが食べたリンゴを毒入りだと信じて遺書を書くエピソードは、同じモンゴメリーの「エミリー」シリーズ(三部作)第一作である"Emily of New Moon"(新潮文庫『可愛いエミリー村岡花子訳、偕成社文庫『エミリー』神鳥統夫訳)から取られており、エミリーのエピソードをアンに置き換える形で制作された[5]

作画が安定している「世界名作劇場」シリーズにしては珍しく動画の乱れが存在しており、時々マリラがコマ送りで移動する、マシュウの髪・ヒゲの色が煩雑に変わるなどの事例がある(特に第23話が顕著)。理由として、動画の原版は完成していたが撮影の都合で休日に跨ってしまい、彩色を担当するスタジオロビンが休みだったために仮に撮影された映像をそのまま本放送に使用したためである。後に原版を差し替える予定であったが、そのままになってしまった。

原作の刊行から100周年、そして本作品の放送から30周年を迎えた2009年には、これらを記念して制作されたアニメ『こんにちは アン ?Before Green Gables』が、「世界名作劇場」の新作としてBSフジで放送された。
登場人物

アンと同級生達は物語後期で思春期(あるいは青年期の初期)に差し掛かるため、成長した様子が描かれ大人びた容姿に変化をしている。後年「世界名作劇場」として制作された『私のあしながおじさん』や『レ・ミゼラブル 少女コゼット』においても、同様の演出が採り入れられている。
グリーン・ゲイブルズの人物
アン・シャーリー
声 -
山田栄子[6]生まれてすぐに両親を病気で失い、トマス家・ハモンド家とたらい回しされ子守同然にこき使われたあと孤児院に送られる。愛に飢えた寂しい子ども時代を過ごした女の子。髪は赤毛でそばかすだらけ、目は大きくやせっぽち。自分の容姿にコンプレックスを持っているが、格好のいい鼻を持っていることになぐさめを見いだしている。アンの綴りは、末尾にeの付く「Anne」であると、彼女自身は拘っている。本当は、コーデリア・フィッツジェラルドという名前にしてもらいたかったが、結局はアンになった。この名前は父親が名付けてくれた物で、父親自身も女王(恐らくイギリスの『Anne Stuart』)と綴りが同じだということに拘っていたということが『こんにちは アン ?Before Green Gables』で明かされている。感受性が豊かで、おしゃべり。悲しいことも得意の想像力で喜びにかえていく。アン役の山田栄子は、本作品がテレビアニメでの初主演作となった。アン役の声優オーディションで最終選考に残ったのは山田と島本須美で、スタッフの大半は島本推しであったが、アンは一所懸命背伸びしてるし、子どもにしては言葉を飾りすぎるという特徴を表現できるとして、高畑は上手くない山田を推した[7]
マシュウ・カスバート
声 - 槐柳二アンを引き取った老兄妹の兄。農業とアベイ銀行に預けた蓄えの利子で細々と暮らしている。内向的で無口で気が小さく、特に女性が苦手という性格のため、60歳を過ぎても独身。心臓発作をたびたび起こしている。アンと出会ったことで人嫌いの性格を少しずつ改善していく。アンを大きな愛で見守り、かわいがっている。「そうさのう」の相槌が口癖。長らく狭心症を患っており発作の間隔も短くなっていて周囲からも心配されていた。第47話でマーチンに頼んで街から持ってきてもらった新聞にあったアベイ銀行の破綻[8]の新聞記事を読んだその直後、玄関先で発作を起こしたまま帰らぬ人となってしまう。第48話の墓標は1813-1881。
マリラ・カスバート
声 - 北原文枝マシュウの妹。独身。共に暮らす兄とは対照的に、てきぱきとした女性。家事全般が得意で料理上手。男の子を引き取る予定だったのが、手違いでやって来たアンに当初は驚かされてばかりいた。現実主義者であり、アンには辛らつな小言を言ったりと厳しく養育しているものの、内心では実子と変わらぬ深い愛情を抱いている。視力が低く、時々頭痛を起こしている。かつてギルバートの父ジョン・ブライスと親しかったらしい(第48章)。「やれやれ」が口癖。担当声優の北原は本放送終了の翌年に亡くなっており、後に制作された総集編では本放送時の北原のセリフを再編集するという形で出演している。
レイチェル・リンド夫人
声 - 麻生美代子グリーン・ゲイブルズの近所に住んでいて、マリラの旧友。おしゃべりで、単純明快な性格。アヴォンリーの情報通であり、またその面倒見のいい性格のため地域住民から頼りにされる存在であるが、説教が多いのが玉に瑕。アンに癇癪を起こされ憤慨するが、それがきっかけでアンと親しくなる。政治にも興味があり、式典等があると政治家を見にわざわざ遠方まで出向くほど。
ジェリー・ブート
声 - 田中亮一(一時代役・キートン山田)グリーン・ゲイブルズの農場手伝い。原作ではほとんど名前のみの登場で、セリフらしいセリフもない。食いしん坊でお調子者。食べ方が下品。アンに自分のリンゴを食べられたことに腹を立て、リンゴに猫いらずを塗っておいたなどと言ってアンを慌てさせる。彼の描写に、カナダにおけるフランス系移民(フランス系カナダ人)の子孫の置かれた境遇も仄めかされている。
マーチン
声 - 沢りつおグリーン・ゲイブルズの新しい手伝い。マリラの御者。
スペンサー家関連
アレキサンダー・スペンサー夫人
声 -
坪井章子偶然に重なった手違いで、男の子を欲するカスバート家へアンを連れてきた張本人。その手違いは結局、アンそしてマシュウとマリラを幸せへと導くこととなる。手違いを気がかりにしていたのか、成長したアンに富豪との養子縁組を持ちかけるが丁重に断られる。
リリー・ジョーンズ
声 - 貴家堂子スペンサー夫人が孤児院から引き取った幼い女の子。
フローラ・ジェーン・スペンサー
声 - 吉田理保子スペンサー家の娘。


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