貴船まつり
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貴船まつり
The ship festival of Kibune shrine
海上渡御の模様(2017年)
イベントの種類祭り
通称・略称貴船まつり
正式名称貴船神社の船祭り
開催時期7月最終土曜日及びその前日
会場神奈川県足柄下郡真鶴町
主催貴船祭保存会
運営貴船まつり推進本部
最寄駅JR東日本東海道線真鶴駅
公式サイト
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西小早船・貴宮丸東小早船・東明丸

貴船まつり(きぶねまつり)は、神奈川県足柄下郡真鶴町貴船神社の例大祭で、華やかな花飾りや吹き流しで飾られた小早船と神輿船などが櫂伝馬に曳かれて海上渡御する船祭り。毎年7月の最終土曜日及びその前日、真鶴港及び真鶴町内各所を舞台に行われる。昭和33年神奈川県指定無形文化財に、昭和51年神奈川県指定無形民俗文化財に、平成8年重要無形民俗文化財に指定(指定名称:貴船神社の船祭り)。広島県廿日市市宮島町厳島神社で実施される管絃祭宮城県塩竈市鹽竈神社志波彦神社で実施される塩竈みなと祭とあわせ、日本三大船祭り[1]とされている。
概要

この行事は、華やかな花飾りや吹き流しで飾られた小早船と神輿船などが櫂伝馬に曳かれて海上渡御する行事である。

祭一日目(宵宮)の、華やかな花飾りや吹き流しで飾られた小早船と神輿船などが櫂伝馬に曳かれて、仮殿前の浜から社前の浜まで海上を神迎えに行く。途中、櫂伝馬の競漕も行われる。神社では祭式の後、社前で鹿島踊り奉納されると、神輿が船に移されて神職鹿島踊り氏子総代らの一行が乗船し、仮殿へ海上渡御する。この時、港内を巡りながら小早船では男性により古風な旋律と詞章の御船歌がうたわれ、囃子船では太鼓囃子が奏でられる。仮殿に神輿を移すと鹿島踊りが奉納され式典が済むと、町内に花山車の一行が繰り出す。

祭二日目(当日)は神輿の町内巡行が行われ、前日に引き続き花山車の一行が一日中町内を巡る。夕方、仮殿から神輿が再び神輿船に乗せられ、たくさんの提灯を灯した小早船などに伴走されつつ、神社へ還御する。社前で納めの鹿島踊りがあり、壮麗な船祭りが終了する。

この行事を担うのは、2艘の小早船・2艘の櫂伝馬・2艘の囃子船および神輿船1艘である。

海上渡御にあたり、2艘の櫂伝馬が神輿船・小早船2艘・囃子船2艘を曳航する。花漕ぎともいい、八丁の櫂で漕ぎ、舳先に角樽・棕櫚・五色布の飾りをつける。櫂伝馬を漕ぐのは、かつては石船連中の役目だった。真鶴では安山岩系の良質な石材が産出し、この石材の運送にたずさわってきたのが石船の屈強の若者たちであった。神社に近づくとこの2艘の櫂伝馬による競漕が行われる。

神輿船は、宵宮に海上を神社へ神輿を迎えに行き、神官氏子総代氏子関係者等を乗せて、御旅所の仮殿へ奉安し、再び本宮へ帰還する。

社前など要所要所で奉納される鹿島踊りは、漁民青年たちによって奉仕されてきた芸能だが、太鼓・日月の採り物など主要な役回り以外は、今日では中学生によって担われている。神社・御旅所・神幸中の要所などで踊られる。

なお、陸上の行事に登場する花山車は、18cm角の柱の上部に造花を飾りたてた高さ3mほどの万灯である。重さは60kg以上もあり、これを腕の力だけで振り回すので、腕力に相当の自信のある者しかこなせない。

貴船まつりは、漁業石材業回漕業など船に密接なかかわりをもつ真鶴の人びとが豊漁海上安全などの願いを込めて展開してきた祭りであり、日本各地に伝えられる船祭りのうち、関東地方に伝承される典型的なものとして重要である。[2]

2020年4月22日新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、貴船祭保存会及び貴船まつり推進本部はこの年の貴船まつりの開催中止を決定した[3]2021年5月19日新型コロナウイルス感染症の感染状況を鑑み、貴船祭保存会及び貴船まつり推進本部はこの年の貴船まつりについて2か年連続となる開催中止を決定した[4]

2022年7月12日人口減少及び少子高齢化等により、特に平日開催時における祭の運営に携わる人員の確保が年々難しくなっている点等を鑑み、2023年の祭より開催日を従来の7月27日及び28日(曜日問わず)」から「7月最終土曜日及びその前日」へ変更することを決定。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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