貨物自動車
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A:ボディ
B:キャブ
C:シャシーメルセデス製トラック。このサイズはしばしば、街の中で配達に使われるポーランド製の古いボンネット型トラックタンクを4つけん引して、まるで列車のような状態になっているオーストラリアの「ロードトレイン」と呼ばれるトラック日本の日産・アトラスセミキャブオーバー型のCMPトラックダチアピックアップトラック。業務用としての使用のみならず、一般家庭でレジャー(アウトドアスポーツなど)用の大道具を運ぶために使われることがある。ダカール・ラリーで荒れ地を豪快に疾走するカマズ・マスターメルセデス製レーシングトラック

貨物自動車(かもつじどうしゃ、フランス語: camion、カミオン)は、主に貨物を運搬する自動車である[1]

比較的小型で、運転席と荷室が一体となった車体を持つ車種については「バン (自動車)」及び「ライトバン」を参照[2]
概要

日本では一般にトラック(:truck)と呼ばれる。英語圏においては、アメリカ英語ではトラック、イギリス英語ではローリー(英:lorry)と呼ばれる。また、イタリア語フランス語などのロマン諸語圏では、大型のものをカミオン(camion)、小型のものをカミオネット(camionet)と呼び、日本の行政用語で「貨物自動車」と呼ばれているのは、主に貨物荷物)を運ぶための自動車のことである。車体の大きさや重さ、積載可能な重量、装備の状態等により様々に分類され、汎用的な輸送が可能なもの以外に、積荷の性状に特化したものも数多く見られる[3]

基本的に車両の後部側に貨物、あるいはクレーンといった装備を搭載し、前部に運転台を擁するキャビン(キャブ)とエンジン等の駆動系を有するが、配置には大別してボンネット型とキャブオーバー型の他、両者の中間的なセミキャブオーバー、少数派だがキャブフォワードの4種類ある[注 1]
車体各部の名称

トラックでは、車体各部の名称は一部、独特なものが用いられる。エンジンやタイヤとそれらを支える(一般的な)シャシーなどの走行を行い支えるための装置類全体が「シャシー」や「車台」と呼ばれる。運転席など人間が乗る部分は「キャブ」または「キャビン」と呼ばれ、シャシーの上に乗りキャブ以外の荷台や荷室といった荷役用の部分が「ボディ」と呼ばれる[3]
架装と特装車

トラックのほぼ標準的なキャブやシャシーに対して、使用目的に合わせて必要な装備類を取り付けることは「架装」、装備類は「架装物」と呼ばれ、多様な架装を備えたトラックが作られている。多くの場合、架装物はボディだけを指すが、ボディ以外にもエンジン周辺や(一般的な)シャシーなどに行われる大規模な改造まで含む架装物もある。ボディは「架装物」であり、標準的に作られる荷台など以外の特殊な架装物を備えた自動車は「特装車」と呼ばれる。特装車の多くが貨物運搬用以外の特殊用途に用いられるため「貨物自動車」ではないが、架装物以外はキャブやシャシー等を共用しているものが多く[3]、(狭義の)特装車であり貨物自動車でもある車輌の存在など、明確な切り分けは難しい。
製造と販売

ほとんどの小型トラックや多くの普通トラックでは、トラックメーカーが出荷時に標準的な荷台を取り付けて販売しているが、大型や中型のものや一部の普通サイズなどの輸送用トラックは、トラックメーカーではシャシーとキャブだけが付いた「キャブ付き完成シャシー」や「汎用シャシー」と呼ばれる自動車を製造・出荷している。

いわゆる「つくりボディ」は、ユーザーがトラックメーカーに対して「キャブ付き完成シャシー」の注文を入れた上で、ボディメーカーに対してボディの製造と取り付けを発注するという、いわゆるセパレート契約で発注するという物である[4]。ボディメーカーの中には、架装物としての部品だけを製造するところや、逆に製造は行わず、組立てや取り付けだけを請け負うところなど、多様な形態の会社が存在する[3]。また、大量のトラックを購入する大きな運送業者などでは、トラックメーカーから自社でキャブ付き完成シャシーを購入し、ボディメーカーにボディの製造と取り付けを発注して、大量の完成車を入手する例もある。

トヨタ自動車日産自動車いすゞ自動車日野自動車三菱ふそうトラック・バスUDトラックスの6社は、完成車シリーズとして直接販売している車型もある(但し、ボディメーカーや特装メーカーは指定されている)[4]。完成車シリーズは「つくりボディ」とは違い、トラックメーカーとディーラーが窓口となってユーザーからシャシーとボディが一体となったトラックの注文を受けるシステムで、注文から納車までトラックメーカーとディーラーが一元的に管理する[4]。トラックメーカーとボディメーカーにとっては、納期短縮や生産の効率化などメリットが大きい[4]。特にウイング車は完成車シリーズが多数を占めるようになっており、各トラックメーカーの指定ボディメーカーから外れたメーカーはウイングボディの製造から撤退したボディメーカーもある[4]。三菱ふそうトラック・バスの子会社であるパブコは、三菱ふそうトラック・バス、いすゞ自動車、日野自動車の指定ボディメーカーとなっている他、いすゞ自動車も出資している日本フルハーフは、いすゞ自動車、UDトラックス、日野自動車、トヨタ自動車、日産自動車の指定ボディメーカーとなっている[4]。このように、完成車シリーズの指定ボディメーカーは、トラックメーカーの系列ボディメーカーに関係なく指定ボディメーカーが定められている[4]
競技

貨物自動車を用いる競技として、ダカール・ラリーに代表されるラリーレイド(クロスカントリーラリー)がよく知られる。もともとは積載性の高さを買われて二輪や四輪のサポート用車両として用いられていたが、やがて貨物自動車同士で競争をするという発想が生まれ、1980年頃に一部門として成立。FIA(国際自動車連盟)のクロスカントリートラック規定も1989年に制定された。圧倒的なトルクを発生するディーゼルエンジンと大径タイヤにより高い走破性を備えているのに加え、耐久性が高く丈夫なことから、貨物自動車はラリーレイドに向いているとされる[5]。六輪、もしくは八輪での参戦事例もあるが、大多数は高速巡航性能に優れた四輪トラックを採用する。荷室部分には工具、燃料タンク、大量のスペア部品を積載する。エンジンスペックは強豪カマズ・マスターの2019年ダカール仕様を例に取ると、排気量13Lの直列6気筒ディーゼルエンジン搭載で最大1100馬力/4500Nm[6]

また海外ではサーキットレースとして、欧州トラックレーシング選手権(ETRC)や南米のフォーミュラ・トラックが存在する。こちらはいわゆる「平ボディ」の状態である。ETCRの一戦には、1981年から毎年9月にサルト・サーキットで開催されているル・マン24時間レース(24時間カミオン)も含まれる。

ピックアップトラックや乗用車のカテゴリにはワンオフの鋼管フレームを用いているものが多いが、上記カテゴリはいずれも市販トラックに改造を施す。
日本における貨物自動車
分類

トラックは一般に以下の種別で分類される。
使用用途(登録)

サイズ(大きさ、重さ、積載量)

架装

日本における分類を以下に示す。
使用用途(登録)による分類.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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出典検索?: "貨物自動車" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2012年4月)

事業用貨物自動車
貨物自動車運送事業の事業に用いられる自動車で、運輸支局等に事業用として登録され、専用のナンバープレート(地色が緑色)を交付されたものである。更に『運行』、『一般』、『特定』の区分けがある。『運行』は営業所とターミナル間など中・長距離輸送用に用いられる車両(主に10tや12t車)として運転席ドア下部に『運行』と表記されている。なお、この運行車両は路線バスのように事前に運行経路や運行日程等を運輸支局等に届け出なければならない。『特定』は、荷主が1者に限られ、その者の荷物の大多数を荷受けする契約をもって、事業許可を受けたものである。『一般』は営業所管轄区域内での集配業務などにあたる車両として車体に『一般』と表記されている。(「一般」は法規上表示の義務は無い。)

日本の法律では遺体は「積荷」扱いである為、霊柩車も貨物(特種用途)自動車の一種とされ、寝台車も同様である。許可を受けた事業者(葬儀社等)しか保有することができず、また自治体毎に登録台数の上限制限がある事から新規参入は非常に難しい。輸送区分は『限定』である。

自家用貨物自動車
自らの荷物の輸送(商店での配送や仕入れなど)に用いることしかできないものであり、運送事業に用いることは違法である。これらの車両は『自家用』と表記される。
軽貨物自動車(軽トラック軽ボンネットバン、軽ワンボックス)
軽自動車の規格内の大きさ・積載量のものである。自家用(商店、農家など)・事業用(「赤帽」など)の届出区分あり。これらの車両は『軽貨物』等と表記される。
三輪貨物自動車(オート三輪
三輪のものである。道路事情の悪かった1960年代(昭和30年代)までは多かったが、末期は東洋工業(現・マツダ)とダイハツ工業を残すのみとなり、結果的に最後まで残ったダイハツ・ミゼット1971年12月までに生産が打ち切られ、その翌年の3月までに終売となった。見かける事は少ないが、一部では電気自動車として復活の兆しが見られる。

用途による区分表示および注意喚起が必要とされる車両の義務表示は以下のとおりである。

用途による区分表示表示用途ナンバー
運行定期的に定まったルートを走行する。一般に「路線」と呼ばれるもので、発地を管轄する陸運支局に予め運行経路の届け出が必要となる。届け出の作成には「運行管理者」の資格が必要となる。緑地・白字
一般集配車や貸切(チャーター)などの汎用的(ルーチン運用でない)な仕業に従事する車両に表記される。「一般」の法的表示義務はない。
タンクローリーは限定用途だが、一般に該当する。緑地・白字
航空主として航空機を使用して輸送されるいわゆる「航空便」の集配などに使用される車両。一般的な集配と兼用するため「航空・一般」と併記している車両もある。緑地・白字
軽貨物赤帽など軽貨物自動車を利用した営業車両に表記される。黒地・黄字
通運コンテナなど、鉄道を介して運ばれる貨物を発荷主→発駅、着駅→着荷主と輸送する車両である。緑地・白字
限定霊柩車、コンクリートミキサー車、家畜運搬車、競走馬輸送車など用途が限定された輸送に用いられる車両区分。緑地・白字
自家用自社配送部門などで、自社便の仕業に着く貨物車両に表示される。運送会社においては、営業担当や総務などが使用する車両を営業車両と区別するために表記する場合がある。白地・緑字
黄地・黒字

注意喚起が必要とされる車両の義務表示表示根拠法目的運転者か同乗者に必要な資格カラー
消防法石油類を運ぶタンクローリーや灯油宅配車など、一定量以上の危険物を輸送する車両に義務づけられた表示。危険物取扱者黒地・黄字再帰反射素材
毒物及び劇物取締法薬品など毒物や劇物を輸送する薬品輸送車などに義務づけられた表示。毒物劇物取扱責任者黒地・白字
高圧ガス高圧ガス保安法設備工事関係車両など、高圧ガス製品を積載した車両に義務づけられる表示(自車燃料として積載する場合を除く)。高圧ガス移動監視者化学責任者機械責任者※いずれか黒地・オレンジ字
火火薬類運送規則花火や弾薬などの火薬類を積載した車両に義務づけられる表示。危険物取扱者赤地・白字・○囲い

※ダンプカーについては、独自の種別表記を用いる。ダンプカーの項目参照。
サイズ(積載量など)による分類

運転免許による区分(参考: 道路交通法施行規則、第二条)
大型車(
大型自動車
運転には大型免許(または大型二種免許)が必要。車両総重量が11トン以上、最大積載量が6.5トン以上、又は乗車定員が30人以上の自動車であって、特殊自動車・自動二輪車のいずれでもないもの。速度超過による事故等の防止のため、最高速度90km/hの速度抑制装置(リミッタ)の装備が義務付けられている。


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