豪血寺一族
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『豪血寺一族』(ごうけつじいちぞく)は、アトラスが開発した対戦格闘ゲームのシリーズ名、および1作目の名称であり、登場キャラクターが全て血縁の一族、主人公が老婆であり、対戦相手の精気を吸収して若返る事などからリリース前から注目を集めていたタイトルである。
ゲーム内容

ここでは1作目について説明するが、シリーズ全般にわたって仕様はほぼ受け継がれている。


プレイヤーキャラクター全員が二段ジャンプと空中投げを標準装備し、ほぼ全ての通常技が必殺技キャンセル可能、ダッシュ攻撃はダメージ2倍とダイナミックな構成となっている。
[1]

上記システムにより攻撃側が強すぎるため、バランス調整としてバックステップ中は無敵、ダッシュ中にダメージを受けるとカウンターダメージを受けるほか、投げを含めた単発のダメージ1つ1つは当時の同ジャンルの作品より控え目となっている。このような構成となったのは、広いフィールドで戦わせたいという思いと、空中戦を主体としたいという思いからのものであり、空中防御の採用も検討されていた。[2]

一部ステージでは歌唱が入っており、全ステージで歌わせたいと考えていたという(続編の『2』においてほぼ全ステージでの歌唱を実現)。容量の関係で歌わせる事が出来なかったステージについても歌詞は用意されており、雑誌記事や家庭用移植版の説明書にその歌詞が掲載されることとなった。[3]

また1作目時点で豪血寺一族始祖から本作の登場キャラクターの代までの詳細な家系図が作成されている。[3]
ストーリー・設定

世界3大財閥の1つである豪血寺財閥。明治の時代から続く一族ではあるが、20世紀末に至ってこの一族の頭首を務めた者は2桁に達せず、わずか4名を数えるのみである。この財閥は5年に1度、血族を集めての格闘大会を行いその優勝者がその後5年間の間頭首を務める風変わりな形式を採っている。そして4代目頭首『豪血寺お梅』は18歳にて頭首の座につき以後60年の間頭首の座に君臨し続けている。

この風変わりな頭首決定戦が何故行われるようになったのか。徳川幕府が倒れ新たな時代を迎えると全ての日本の民は名字を持つ事が許される事となった。後に豪血寺の始祖となる新十郎は母より聞かされてきた父の名を思い出す、『野牛十兵衛』の名を(家系図によれば新十郎は父の名を柳生十兵衛と誤解している)。名高き剣豪の血を引く事を誇りに思い生きてきた新十郎はその誇りを名字に込め『豪血寺』と名乗り、その誇りが子孫に伝わるよう家訓をたてる。

『弱き者、豪血寺の名を語るべからず』

『豪血寺を継ぐ者は唯一人』とも。新十郎の血を引く者たちは豪血寺の名、頭首にこだわる事がなかったのだが、幼い頃から神がかりの神秘の力を見せていた『豪血寺お志摩』が3代目頭首となると、その力で徳川埋蔵金や油田を掘り当て瞬く間に世界三大財閥へと押し上げてしまう。様相は一変し、その財を求め一族が頭首の座を争い始める事となった。その醜い争いに業を煮やしたお志摩は、新十郎の遺志を継ぎ5年に1度の頭首決定戦の開催を宣言する。

豪血寺本家ともいえるお志摩の血族を除けば、既に豪血寺の名を捨てている一族であるが頭首の座につくその時だけは『豪血寺』を名乗る事が許される、いや義務づけられる。豪血寺の名、あるいは財産か地位か?豪血寺の頭首の座を求めて一族は争い続ける。

そして豪血寺お梅78歳、14期目の頭首在留に向けた頭首決定戦には、お梅が6歳の頃に箱詰めにして日本海に流し既に死亡したものと考えていた、お梅の双子の妹『豪血寺お種』の姿もあった。
登場人物詳細は「豪血寺一族シリーズの登場人物」を参照
シリーズ構成

シリーズ各作の概要と登場キャラクターの一覧。
豪血寺一族

豪血寺一族ジャンル対戦格闘アクション
対応機種アーケード
スーパーファミコン
メガドライブ
開発元アトラス
SFC:エーアイ
発売元アトラス
人数1 - 2人
メディアAC:業務用基板
SFC:ロムカセット
MD:ロムカセット
発売日AC:1993年11月
SFC:1994年10月14日
MD:1994年11月18日
対象年齢CERO:B(12才以上対象)
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『豪血寺一族』は1993年11月にアトラスから発売されたアーケードゲーム。欧米では『Power Instinct 豪血寺一族』として発売。

豪血寺一族の血を引く8人のプレイヤーキャラクターから1人を選び、他の7人を蹴散らし、最終ボスである当代頭主・お梅を倒して新たな頭主の座につくのが目的。

主人公はお梅の双子の妹、お種。お梅とお種はゲーム上のグラフィックが同じ(色が違うだけ)で技も似たものだったが、技の性能は格段に違っていた。

家庭用ではスーパーファミコン版・メガドライブ版(いずれもアトラス)が発売されている。2011年10月4日よりWiiバーチャルコンソールで、2015年11月11日よりWii Uのバーチャルコンソールで、スーパーファミコン版がそれぞれ配信開始。

アーケードの初期バージョンは外部からのボタン操作のみでデバッグモードに入れる問題があり、ROM交換が行われた。後期版はボタン操作に加えて筐体内部のテストスイッチを押すことでデバッグモードに入ることができる。
登場キャラクター


豪血寺お種(ごうけつじ おたね)通常投げを成功させると一定時間スーパーお種に変身。スーパーファミコン版とメガドライブ版では対戦時に限り隠しキャラクターとして常にスーパーお種のままで使用可能。

礼児大山(れいじ おおやま)

キース・ウェイン

アニー・ハミルトン

アンジェラ・ベルテ

破鳥才蔵(はっとり さいぞう)

陳念(ちんねん)

ホワイト・バッファロー

豪血寺お梅(ごうけつじ おうめ)最終ボス、CPU専用。通常投げを成功させると一定時間スーパーお梅に変身。

豪血寺一族2

豪血寺一族2
豪血寺一族2 ちょっとだけ最強伝説ジャンル対戦格闘アクション
対応機種アーケード
PlayStation
開発元アトラス
発売元アトラス
人数1 - 2人
メディアAC:業務用基板
PS:CD-ROM
発売日AC:1994年10月
PS:1995年
10月20日
対象年齢CERO:B(12才以上対象)
テンプレートを表示

『豪血寺一族2』(ごうけつじいちぞくツー)はアトラスから1994年10月に発売されたアーケードゲーム。欧米では『Power Instinct 2』として発売。

ストーリーの時期は前作から1年後。お種の優勝で前大会は幕を下ろしたことになっている。念願叶ってついに頭主の座に就いたはずのお種が「しばらく留守にする。後の事は任せた」とだけ書かれた手紙を残し失踪した。一族の家訓により頭主は一週間以上姿を消した場合、その座を追われることになっており、また新たに頭主を決める大会が催されることとなる。

使用可能キャラクターはお種と入れ替わりにお梅が加わり、さらに新規に5名の新キャラクターが追加されている。そのうちの一人、「弧空院金田朗」は5歳の幼稚園児、そしてまた別の一人は、高齢な老婆であるお梅・お種姉妹のさらに高齢な母、「豪血寺お志摩」101歳。モンスターやミュータントなどでなく、純粋な人間だけが登場する格闘ゲームとしては稀に見る年齢差である。

ゲームシステムとしては、新たに「忍耐メーター」を追加。『サムライスピリッツ』の怒りゲージのように、ダメージを受けるごとにメーターが増加し、最大になるといわゆる超必殺技である「一発奥義」が使える…というものだが、メーターが最大になると無敵になり接触した相手を押し返すオーラ(怒り爆発)が発生し、攻め続けられていても状況を五分に戻せるという先進的な緊急回避機能を持っている。また、前作でお種(お梅)のみが持っていた変身能力を、新キャラクター5人のうち3人が搭載している。

多くのステージ曲に歌を採用したり、背景キャラクターにステージ曲と同期した振り付けを行わせたのは本作からで、基板の容量の大半がこうした音楽周辺の演出に使われたという。登場キャラクターの一人である花小路クララ役およびクララのステージ曲である「魔法みたいな恋したい」の歌唱は三石琴乃が担当している。

純粋な家庭用移植作品は存在せず、アトラスからPlayStation版『豪血寺一族2 ちょっとだけ最強伝説』(ごうけつじいちぞくツー ちょっとだけさいきょうでんせつ)として副題つきで発売された。これは『2』をベースとしているが、家庭用オリジナルの対人戦専用の追加モード「チームバトルモード」にて、『最強伝説』の要素(隠しキャラクターやタッグバトル)が含まれている(ただしキャラクター性能は『2』準拠)。しかし、変身する度にロードが始まり対戦が一時止まってしまったり(一種のポーズ状態)斜めジャンプ攻撃が垂直ジャンプ攻撃と同じ物がでたり、ステージ背景の一部欠如(陳念ステージのバックダンサー、お種ステージのお種像など)があったりと、原作との相違点が多い。2011年4月13日よりゲームアーカイブスで配信開始。
登場キャラクター


豪血寺お梅(ごうけつじ おうめ)使用キャラクターに変更。通常投げを成功させると一定時間スーパーお梅に変身。

大山礼児(おおやま れいじ)

キース・ウェイン

アニー・ハミルトン

アンジェラ・ベルテ

破鳥才蔵(はっとり さいぞう)

陳念(ちんねん)

ホワイト・バッファロー

花小路クララ(はなのこうじ クララ)特定の必殺技をヒットさせると一定時間スーパークララに変身できる。また、一発奥義は相手を変身させるというもの。PS版『ちょっとだけ最強伝説』では「チームバトル」に限り変身不可。

サハド・アスラーン・リュート

弧空院干滋(こくういん かんじ)通常の変身キャラクターとは異なりスーパー干滋の状態がデフォルト。一発奥義を使用すると本来の姿へ弱体化してしまい、ある必殺技をヒットさせるまでスーパー干滋に変身できない。

弧空院金田朗(こくういん きんたろう)通常投げを成功させると一定時間冥犬ポチに変身できる。PS版『ちょっとだけ最強伝説』では「チームバトル」に限り小悪魔に変身できる。

豪血寺お志摩(ごうけつじ おしま)

豪血寺お種(ごうけつじ おたね)前作のお梅と入れ替わる形で最終ボス、CPU専用。通常投げを成功させると一定時間スーパーお種に変身。PS版『ちょっとだけ最強伝説』では「チームバトル」に限り使用可能。

PS版『ちょっとだけ最強伝説』の「チームバトル」に限り登場


スーパークララ

冥犬ポチ(めいけんポチ)

黒子(くろこ)パートナー専用。

チャック隠しキャラクター。『最強伝説』とは違いパートナーとしても選択可能。

豪血寺外伝 最強伝説

豪血寺外伝 最強伝説ジャンル対戦格闘アクション
対応機種アーケード
開発元アトラス
発売元アトラス
人数1 - 2人
メディア業務用基板
発売日1995年5月
テンプレートを表示


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