象勲章
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タイ王国の勲章については「白象勲章」をご覧ください。

エレファント勲章
Elefantordenen
エレファント勲章のメダル

デンマーク王室による栄典
種別勲騎士勲章
標語Magnanimi Pretium
偉大さを称えて(ラテン語)
対象君主、王族および国家元首
状態現行の勲章
女王マルグレーテ2世
階級一等級 略称 R.E.
(Ridder af Elefantordenen)
歴史・統計
期間1693年
最初の叙任1768年 フレゼリク4世
最後の叙任2015年 オランダ王妃マクシマ
人数30
階位
上位席最上位
下位席ダンネブロ勲章

エレファント勲章の綬

エレファント勲章 (デンマーク語: Elefantordenen) は、デンマークでもっとも位の高い勲章である。起源は15世紀にさかのぼるとされ、1693年に初めて記録に載った。1849年施行のデンマーク王国憲法によると王族および国家元首に授ける勲章である[1]フレゼリク4世の紋章を取り巻く頸飾2本。ダンネブロ勲章 (内) とエレファント勲章 (外)エレファント勲章の頸飾
歴史

聖母友愛兄弟団 Fellowship of the Mother of God (デンマーク語で"Guds Moders Selskab") の創設はデンマークのクリスチャン1世の時代の1457年前後で、会員のしるしのメダルはエレファント勲章の原形といわれる。勲等が1等級という決まりはキリスト教兄弟団をうんだカトリック教と無関係ではない[2]。聖母友愛兄弟団 (コンフラタニティ) の会員数はデンマーク貴族およそ50人、団のメダルは陽光に包まれ幼いキリストを抱く聖母マリアの姿を三日月に刻んであった。メダルをさげる鎖は象を連ねてあり、現在の勲章の頸飾に似ている。1536年宗教改革により兄弟団はすたれ、その後フレゼリク2世の時代になると表面に王の姿を刻ませた象のメダルを与えはじめている[3]。象の形を選んだのは、兄弟団の聖職者が象の形の頸飾を用いたことにちなむともいい、象は純潔と信心深さの象徴であったと考えられる[2]。エレファント勲章のメダルは見張り塔を背に載せた象の紋章であり、ヨーロッパの図像学に定着したデザインである。もとの図像は象の背に象かご (天蓋つきの座席) を載せていたものを、なじみのない象かごを塔に置き換えたとみられる(図1参照)。

現在のデザインは1693年12月1日にクリスチャン5世が定め、最高位の君主と王子・王女のほかは一等級とし、貴族騎士をふくむ30人に限って叙任すると規定され[4]、その後1958年の法令により男性も女性もともに授与の対象とされた。勲騎士は一族の紋章を楕円形のカンバスに描かせてフレデリクスボー城 (ヒレレズ) の礼拝堂に納めてきた (図4 参照) [2]

クリスチャン4世はエレファント勲章より早く「拳の勲章」を定めており、やがてエレファント勲章の象の背にかけた布に「武具をつけ剣を構えた腕」というモチーフとして組み込まれていく。1633-1634年に叙勲された ⇒2種類の勲章のデザインを合わせた実例を見ることができる[5]。「拳の勲章」は独特のデザインで、スウェーデンとのカルマル同盟の後に騎士たちの戦功を称えようと1616年12月2日に制定したとされる[6]。メダルは肘を曲げた腕の形で青いエナメル塗装をしてダイアモンドを連ね、拳に鉄の剣を握らせたデザイン。メダルに付いた金鎖2本に青い大綬を通し、首にかけたと考えられる。また「試作品」が伝世し、ローゼンボー城と国立歴史博物館 (フレデリクスボー城)の収蔵品のほかに個人蔵で文献で確認と照合のできるものがあるという。

図1 エレファント勲章の頸飾とメダル

古典の図像 (象かご)

メダル (見張り塔)

上・頸飾 (象と塔の連続模様) 下・メダル

頸飾の象に頭文字「D」

佩用

デンマーク王室が最高位にあり18歳以上の王族の佩用を認め、外国の元首を叙することもある。ごくまれに一般市民に与える場合があり、王族でも国家元首あるいはその経験者でもない受勲者には、最近は実業家フィランソロピストのマースク・マッキニー・モラー (英語版) の例がある。

エレファント勲章はエレファント勲騎士の一等級のみである (デンマーク語の正式名称 Ridder af Elefantordenen の略称 R.E. がしばしば使われる)。勲騎士はデンマーク王国の序列第1位、「閣下」「閣下夫人」(略称 HE) の称号を許される[要出典]。

勲章、星章[7]、頸飾[8]を受ける者は勲騎士のうちデンマーク王室の王族と配偶者、さらにスカンジナビア諸国の国家元首と配偶者である。その他の国家元首は勲章、星章のみ受章。公的記録によれば現在までに授与された点数は72点前後という。
勲章
デザインと衣裳図2 19世紀のメダル図3 頸飾、星章と絹製の大綬 Pederstrup博物館の展示より


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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