豆果
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、マメ科植物の果実について説明しています。果実中の種子については「」をご覧ください。

豆果(とうか)(: legume[注 1])とはマメ科に見られる果実のことであり、1枚の心皮雌しべを構成する葉的要素)からなり、基本的に果皮が腹縫線(心皮の縁の合わせ目)と背縫線(心皮の中肋部)で裂開して2片に分かれる(図1)。莢果(きょうか)ともよばれる[2]。同様な構造をしているが裂開せず、種子を1個ずつ含む単位に分節する果実は節果(せつか)とよばれ、オジギソウヌスビトハギに見られる。.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}1a. エンドウの未熟な豆果1b. エンドウの熟した豆果(右下)と裂開した豆果(上中央)、種子(左)

インゲンマメエンドウソラマメダイズアズキラッカセイなどさまざまなマメ科植物が人間に利用され、ふつう豆果内の種子)が使われるが、インゲンマメやエンドウなどでは若い果皮が食用とされることがある。
定義

豆果(莢果)は1枚の心皮からなる果実であり、基本的に果皮が腹縫線と背縫線に沿って裂開して2片に分かれる[3][4][5][6](上図1, 下図2a, b)。ただし腹縫線か背縫線の1方でのみ裂開するものもあり、ジャケツイバラタンキリマメなどの豆果は腹縫線のみで裂開する[6](下図2c)。またシャジクソウ属ハギ属エンジュイナゴマメの豆果のように裂開しないものもある[6][7][8](下図2d, e)。これらは豆果の定義には合わないが、マメ科の果実は基本的に豆果とよばれる[6][9]

豆果などで見られる袋状の果皮は、莢(さや、pod)とよばれることがある[10]。豆果の果皮は、成熟した状態ではふつう乾燥しているが、エンジュイナゴマメのようにやや多肉質であるものもいる[11][12](下図2e)。ふつう複数の種子が腹縫線に沿って列んでいるが(下図1a)、種子1個のみを含むものもある[9](下図2d)。果実内はふつう1室であるが、ゲンゲオヤマノエンドウでは隔膜によって2室に分かれている[13]2a. 未熟なエンドウの豆果を開いたもの2b. 裂開したキマメの豆果と種子2c. 裂開したジャケツイバラの豆果2d. コメツブツメクサの豆果2e. イナゴマメの果皮はやや多肉質

ラッカセイでは、地上のが受精後に子房の柄が伸長して雌しべが地中へ潜り込み、豆果となる[14][15](下図3a, b)。またラッカセイは、地中に閉鎖花(開花せずに自家受精する花)をつけることもあり、これも地中で豆果となる[14][15]ヤブマメでは、通常の花は地上で豆果となるが、地中に閉鎖花をつけ、これが地中で豆果となる[14][11]。ヤブマメでは地中果が地上果よりも大きく、種子を1個のみ含む[11]3a. 豆果をつけたラッカセイ3b. 地中にあるラッカセイの豆果3c. Scorpiurus muricatus のらせん状豆果3d. ウマゴヤシのらせん状豆果

ウマゴヤシなどの豆果は全体がねじれて巻いており、らせん状豆果(cochlea[注 2])ともよばれる[4](上図3c, d)。
節果

マメ科植物の一部は、構造的には豆果と同一(1心皮からなる乾果)であるが裂開せず、1個の種子を含む単位に分節する果実を形成する。このような果実は節果(せつか)(分節果、節莢果; loment, lomentum[注 3])、分離した果実(分果)は小節果とよばれる[3][5][6][18]。節果はイワオウギ属、クサネム属、ヌスビトハギ属などに見られる[3][6](下図4a?c)。

オジギソウやモダマの節果では、背腹の縫合線が枠となって残り、これ以外の部分が分節する(下図4d, e)。このような節果は、特に有縁節果ともよばれる[6]4a. Hedysarum boreale の節果4b. クサネムの節果4c. Desmodium varians の節果4d. Entada abyssinica の有縁節果4e. Entada abyssinica の有縁節果、小節果、種子
種子散布

豆果は、成熟すると左右片が反対方向にねじれて腹縫線と背縫線両方で裂開し、2片に分かれて種子をはじき飛ばすことで種子散布を行うものが多い(自動散布)[6][19][20](上図2b)。このような自動散布は、カラスノエンドウフジ、カワラツメケイなどに見られる[19]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:43 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef