警戒区域
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この項目では、災害対策基本法および暴力団対策法における「警戒区域」について説明しています。自動火災報知設備における「警戒区域」については「自動火災報知設備」をご覧ください。
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

警戒区域(けいかいくいき)とは、災害などによって身体などが被る危険を防ぐために、許可を得た者以外の出入を禁止したり、制限したり、ないしは退去が命じられている区域である。
概要

災害対策基本法上の警戒区域とは、同法第63条に基づいて、災害による強制退去を命じられる区域をいう。同法第60条の避難の指示(ないしは以前の避難勧告)や、緊急安全確保とは異なり、罰則付きで区域内への立ち入りが制限ないし禁止され、許可なくその区域内にとどまる者には退去が強制されるため、同法第63条の適用の是非を巡っては慎重の上にも慎重を期すことが求められる。同法63条の条文は以下のとおりである。市町村長の職権によって設定されるが、その市町村長又は同法の市町村長の職権を行う市町村の職員が現場にいないときは警察官海上保安官あるいは災害派遣を命ぜられた部隊の自衛官が警戒区域を設定あるいは立ち入りを制限・禁止、ないしは退去を命ずることができる。また、無断で警戒区域に侵入したり、退去命令を無視した場合は、罰則(懲役罰金ないしは拘留)が科されるため、諸外国における避難命令に相当する[1]。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}

第六十三条 災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、人の生命又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、警戒区域を設定し、災害応急対策に従事する者以外の者に対して当該区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該区域からの退去を命ずることができる。

2 前項の場合において、市町村長若しくはその委任を受けて同項に規定する市町村長の職権を行なう市町村の職員が現場にいないとき、又はこれらの者から要求があつたときは、警察官又は海上保安官は、同項に規定する市町村長の職権を行なうことができる。この場合において、同項に規定する市町村長の職権を行なつたときは、警察官又は海上保安官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。

3 第一項の規定は、市町村長その他同項に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八十三条第二項の規定により派遣を命ぜられた同法第八条に規定する部隊等の自衛官(以下「災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官」という。)の職務の執行について準用する。この場合において、第一項に規定する措置をとつたときは、当該災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。

4 第六十一条の二の規定は、第一項の規定により警戒区域を設定しようとする場合について準用する。—災害対策基本法第63条

第百十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の罰金又は拘留に処する。一 (省略)二 第六十三条第一項の規定による市町村長(第七十三条第一項の規定により市町村長の事務を代行する都道府県知事を含む。)の、第六十三条第二項の規定による警察官若しくは海上保安官の又は同条第三項において準用する同条第一項の規定による災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の禁止若しくは制限又は退去命令に従わなかつた者—災害対策基本法第106条

なお、人が居住する地域に警戒区域が設定されたのは雲仙普賢岳平成新山の噴火活動によるものが初めてで、全島避難により大きなニュースとなった1986年伊豆大島三原山噴火でも法令上は避難の勧告にとどまったとされている。

2005年以降は、従来からの災害に加えて、重要影響事態テロリズムが惹き起こす災害が対象に含まれるようになり、仮に国土の一部が戦闘地域になれば、国民保護のため警戒区域になることが定められた。重要影響事態が突発的に発生した場合は、さしあたって屋内退避を行い、しかる後に警戒区域外に退避することとなる。

また自然災害以外のものでは不発弾処理が行われる際に一時的に警戒区域が設定される[2]
根拠法

災害対策基本法(原則市町村長が設定 違反者は10万円以下の罰金又は拘留)

原子力災害対策特別措置法(原則市町村長が設定 違反者は10万円以下の罰金又は拘留)

武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(原則市町村長が設定 違反者は30万円以下の罰金又は拘留)

水防法(水防団長・水防団員、消防機関に属するものが設定 違反者は6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金)

消防法の火災警戒区域(危険物の漏洩により火災発生の恐れがある場合消防長又は消防署長が設定 違反者は30万円以下の罰金又は拘留)

消防法の消防警戒区域(火災が発生した場合消防吏員又は消防団員が設定 違反者は30万円以下の罰金又は拘留)

以下のものは立ち入りを制限しない

土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の土砂災害警戒区域および、土砂災害特別警戒区域(都道府県知事が設定)

津波防災地域づくりに関する法律の津波災害警戒区域および、津波災害特別警戒区域(都道府県知事が設定)

適用にまつわる問題

災害対策基本法に基づく警戒区域は適用例が極めて少なく、火山の火口周辺に常時設定されているものを除いた居住地域に対する指定は、1991年の雲仙普賢岳噴火の時が初めてだった。住民の生命は守られる半面、強制退去が命ぜられる等生活は厳しく制限を受け、経済的問題も生じる[3][4]

特に火山災害では期間が数か月と長期に及ぶため深刻で、農林水産業や商工業では、指定区域の農地や商店・工場等に立ち入ることができない所有者や従業員は就業できないことで大きな経済的損失を受けた。周辺の避難勧告地域、また降灰や売り上げ減少に見舞われた指定外の地域も含めて数十の住民組織が作られ、生活補償や事業再建支援を求める要望・陳情が行われた。その結果、話が持ち上がった個人補償を含めた特別立法については実現しなかったものの、最終的に1,000億円規模となる災害対策基金により住民や事業者への救済が図られ、200億円超の義援金も被災者の助けとなった[3][4][5]

災害による損失補償は被災者生活再建支援法(1998年)や災害の都度自治体が立案する支援制度などが間接的にカバーする形となっているが、警戒区域指定と対になった補償制度は確立されていない。適用例が少なく、雲仙普賢岳でもそうであったように首長が決断に苦慮する背景には、措置に強制力と経済的損失を伴うにもかかわらず損失補償が明確ではないこと、設定権を持つ市町村の財政力だけでは補償が困難なこともあると考えられる[3][4][5]
適用例福島第一原子力発電所事故による警戒区域の検問所(福島県楢葉町
2012年2月27日撮影
火山

浅間山火口から半径500m、2km、4km以内の区域(距離はそれぞれ噴火警戒レベル1、2、3に連動。一部登山道を除く)

雲仙普賢岳平成新山周囲(長崎県島原市雲仙市南島原市、山体崩壊の危険をはらんでおり、噴火停止後もなお継続適用されている。1991年6月7日?)[6]

桜島山頂火口および昭和火口から半径2km以内の区域(鹿児島県鹿児島市、大きな噴石の飛散や火砕流の発生による危険)[7]

口永良部島新岳の火口から半径1km以内、西側は2km以内(鹿児島県熊毛郡屋久島町[8]


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