諏訪大明神絵詞
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権祝本

諏方大明神画詞(すわだいみょうじんえことば)は、長野県諏訪地域に鎮座する諏訪大社の縁起。「諏訪大明神画詞」「諏訪大明神絵詞」「諏訪絵詞」「諏訪大明神御縁起次第」「諏方縁起絵巻」「諏訪縁起画詞」等とも称される。
目次

1 概要

2 内容

3 脚注

3.1 注釈

3.2 出典


4 参考文献

5 関連項目

6 外部リンク

概要 梵舜本(東京国立博物館蔵)

1356年正平11年 / 延文1年)成立。全12巻。著者は諏訪円忠(小坂円忠)。

元々は『諏方大明神縁起絵巻』・『諏方縁起』等と称する絵巻物であった[1]。しかしながら早い段階で絵は失われ、詞書(ことばがき)の部分の写本のみを現在に伝え、文中には「絵在之」と記すに留めている。

著者の諏訪円忠は、神氏(諏訪大社上社の大祝)の庶流・小坂家の出身で、室町幕府の奉行人であった[1]。そのため足利尊氏が奥書を書いている。外題は後光厳天皇直筆である。成立に関しては洞院公賢の『園太暦』にも記されており、失われていた『諏方社祭絵』の再興を意図したものであったという[1]

現在は権祝本・神長本・武居祝家本等があり、権祝本が善本とされている[2]
内容



縁起(5巻): 諏訪社の起源と諏訪明神にまつわる故事

縁起 上巻

神降の由来、『
先代旧事本紀』における国譲り神話(第一段)

神功皇后三韓征伐に際しての諏訪明神の活躍(第二段 - 第四段)

持統天皇の勅使派遣、諏訪社の祭礼の始まり(第五段)

諏訪明神、開成皇子の写経を守護する(第六段 - 第八段)


縁起 中巻

諏訪明神、坂上田村麻呂安倍高丸に参戦する(第一段 - 第三段)

社殿の式年造営について(第四段)

歴代天皇や武士の崇敬、位階の上昇(第五段)

千部経の知識に預かる諏訪明神(第六段)

諏訪明神、慈覚大師の写経を守護する(第七段)

諏訪明神、良忍上人融通念仏勧進に協力する(第八段 - 第九段)


縁起 下巻

諏訪明神、文永弘安蒙古襲来に際して龍の姿となり神風を起こす(第一段)

奥州騒乱の時に龍の姿をした諏訪明神が出現する(第二段)

弘安2年8月、明神化現の大軍が東へ向かうという大乱の予兆が現れる(第三段)

各地の諏訪社の別宮[注釈 1]の事、仏法に帰依する諏訪明神(第四段)


縁起 第四(追加上): 諏訪社の社家(主に神氏)にまつわる話[注釈 2]

八幡太郎神氏のかかわり、諏訪郡を出てはならないという掟を破った大祝為仲の死(第一段 - 第三段)

為仲死後の大祝継承の話(第四段)

下宮の金刺盛澄源頼朝によって赦免される(第五段 - 第六段)

承久の乱における諏訪信重の活躍、神氏の西国・北国への発展(第七段)

中先代の乱での大祝頼継の父祖一族(頼重時継ら)の滅亡、頼継の潜伏と復帰、足利尊氏の入洛(第八段 - 第九段)


縁起 第五(追加下): 諏訪社の頭役人にまつわる話

頭役人に鷹を貸さなかった人が失明(第一段)

頭役人に害を加えた内管領・果円の滅亡(第二段 - 第三段)

焔王宮に到った男がその年の頭役人であるということで生き返る(第四段)

僧・妙通の修行と頭役に当たった地頭の妻を通しての諏訪明神からの神託(第五段 - 第六段)

流罪になっている頭役人を召し返さなかった北条時村北条宗方の滅亡(第七段)

頭役人に馬を貸さなかったため馬の耳が消える(第八段)

諏訪明神の使い、北条高時邸に北条氏の滅亡を告げる(第九段)

頭役人に犬を貸さなかったため犬が死んでしまう(第十段)




諏方祭(7巻): 諏訪上社・下社の年中祭事

巻第一 春上(1月 - 2月)

序文(第一段)

荒玉社・若宮社への参詣(1月1日)(第二段)

上社大祝職の起源


蛙狩神事(同日)(第三段 - 第四段)

上社(本宮)の社殿の配置

諏訪社の生贄の事


御占神事、大祝の代理となる神使(おこう)を当てる(同日)(第五段)


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