読売文学賞(よみうりぶんがくしょう)は、読売新聞社が制定した文学賞で、1949年に第二次世界大戦後の文芸復興の一助として発足した。小説、戯曲・シナリオ、随筆・紀行(第19回より創設)、評論・伝記、詩歌俳句、研究・翻訳の6部門に分類し、過去1年間に発表された作品を対象とする。
受賞作品は選考委員の合議によって決定される。受賞者には正賞として硯、副賞として200万円が授与される。年度受賞者は翌年の2月1日に発表するため、受賞年度の表記で混乱が生じることがある。
受賞作一覧
*年数は受賞年度を示す。受賞発表はその翌年である。
小説賞
第1回から第10回
第1回(1949年) - 井伏鱒二 『本日休診』他
第2回(1950年) - 宇野浩二 『思ひ川』
第3回(1951年) - 大岡昇平 『野火』
第4回(1952年) - 阿川弘之 『春の城』
第5回(1953年) - 該当なし
第6回(1954年) - 佐藤春夫 『晶子曼陀羅』
第7回(1955年) - 里見ク 『恋ごころ』 ・ 幸田文 『黒い裾』
第8回(1956年) - 三島由紀夫 『金閣寺』 ・ 久保田万太郎 『三の酉』
第9回(1957年) - 室生犀星 『杏っ子』 ・ 野上弥生子 『迷路』
第10回(1958年) - 該当なし
第11回から第20回
第11回(1959年) - 正宗白鳥 『今年の秋』 ・ 中野重治 『梨の花』
第12回(1960年) - 外村繁 『澪標』
第13回(1961年) - 該当なし
第14回(1962年) - 安部公房 『砂の女』
第15回(1963年) - 井上靖 『風濤』
第16回(1964年) - 上林暁 『白い屋形船』
第17回(1965年) - 庄野潤三 『夕べの雲』
第18回(1966年) - 丹羽文雄 『一路』
第19回(1967年) - 網野菊 『一期一会』
第20回(1968年) - 河野多惠子 『不意の声』 ・ 瀧井孝作 『野趣』
第21回から第30回
第21回(1969年) - 耕治人 『一條の光』 ・ 小沼丹 『懐中時計』
第22回(1970年) - 吉田健一 『瓦礫の中』
第23回(1971年) - 該当なし
第24回(1972年) - 永井龍男 『コチャバンバ行き』
第25回(1973年) - 中里恒子 『歌枕』 ・ 安岡章太郎 『走れトマホーク』
第26回(1974年) - 和田芳恵 『接木の台』
第27回(1975年) - 吉行淳之介 『鞄の中身』・檀一雄 『火宅の人』、※没後受賞
第28回(1976年) - 八木義徳 『風祭』
第29回(1977年) - 島尾敏雄 『死の棘』
第30回(1978年) - 野口冨士男 『かくてありけり』
第31回から第40回
第31回(1979年) - 島村利正 『妙高の秋』
第32回(1980年) - 該当なし
第33回(1981年) - 井上ひさし 『吉里吉里人』 ・ 司馬遼太郎 『ひとびとの跫音』
第34回(1982年) - 大江健三郎 『「雨の木」を聴く女たち』
第35回(1983年) - 該当なし
第36回(1984年) - 吉村昭 『破獄』
第37回(1985年) - 高橋たか子 『怒りの子』 ・ 田久保英夫 『海図』
第38回(1986年) - 津島佑子 『夜の光に追われて』
第39回(1987年) - 澁澤龍彦 『高丘親王航海記』、※没後受賞
第40回(1988年) - 色川武大 『狂人日記』
第41回から第50回
第41回(1989年) - 高井有一 『夜の蟻』 ・ 古井由吉 『仮往生伝試文』
第42回(1990年) - 森内俊雄 『氷河が来るまでに』
第43回(1991年) - 坂上弘 『優しい碇泊地』 ・ 青野聰 『母よ』
第44回(1992年) - 中薗英助 『北京飯店旧館にて』
第45回(1993年) - 該当なし
第46回(1994年) - 石井桃子 『幻の朱い実』 ・ 黒井千次 『カーテンコール』
第47回(1995年) - 日野啓三 『光』 ・ 村上春樹 『ねじまき鳥クロニクル』
第48回(1996年) - 該当なし
第49回(1997年) - 村上龍 『イン ザ・ミソスープ』 ・ 小島信夫 『うるわしき日々』
第50回(1998年) - 小川国夫 『ハシッシ・ギャング』 ・ 辻原登 『翔べ麒麟』
第51回から第60回
第51回(1999年) - 筒井康隆 『わたしのグランパ』 ・ 三木卓 『裸足と貝殻』
第52回(2000年) - 伊井直行 『濁った激流にかかる橋』 ・ 山田詠美 『A2Z』
第53回(2001年) - 荻野アンナ 『ホラ吹きアンリの冒険』
第54回(2002年) - 水村美苗 『本格小説』
第55回(2003年) - 小川洋子 『博士の愛した数式』
第56回(2004年) - 松浦寿輝 『半島』
第57回(2005年) - 堀江敏幸 『河岸忘日抄』・宮内勝典 『焼身』