『誘拐報道』(ゆうかいほうどう)は、1980年に発生した宝塚市学童誘拐事件を描いた読売新聞大阪本社社会部編の同名ドキュメンタリーを原作とした1982年の東映・日本テレビ提携製作映画[3][4]。配給東映。 1980年1月、兵庫県宝塚市で発生した幼児誘拐事件を素材に、幼い生命の救出をめぐって、報道陣、警察、被害者家族たちが、事件の渦中で傷つきながら努力する姿をサスペンスフルに描く[3]。 宝塚市の私立小学校1年の三田村英之が誘拐され、犯人から小児科医の父と母に身代金の要求がある。各新聞社には「報道協定」の要請があったが、各社は協定解除に向けた準備をするべく色めき立つ。最初の身代金指定場所の河原には英之のランドセルがあって、警察への通報に気付いた犯人から、再度の脅迫電話がくる。犯人の古屋数男は、気が弱いくせに見栄っ張りで娘の香織を私立小学校に通わせているが、経営していた喫茶店をだましとられ、妻・芳江の稼ぎで食いつないでいる。誘拐した英之は香織の同級生だった。数男は断崖に立って布団袋に入れた英之を投げ棄てようとするが実行できず、トランクに押し込んだ英之を連れて誘拐の旅に入っていく。そして最初殺そうと思っていた英之に食べ物を与え接しているうち、だんだん情が移っていく。次の指定場所の喫茶店では店内の刑事に気付いて諦め、次に指定した空港でも刑事が目撃されて接触出来ない。やがて誘拐した英之と娘が仲良しだったと知り愕然とするが、そのうち英之が寒さと疲労で高熱を出してしまう。数男は悪寒を訴える英之を持て余し、ガソリン切れになった車で呆然としているところを、警官の職務質問を受けてトランクの英之が発見され緊急逮捕される。報道協定は解除され、マスコミに追われるように芳江と香織は丹後の義母の家に向かうが、途中二人にカメラを向けてきた新聞記者に対し香織は「うち、お父ちゃん好きや」と叫んだ。
概要
あらすじ
スタッフ
監督:伊藤俊也
製作:高岩淡、後藤達彦
企画:天尾完次、高井牧人
プロデューサー:松尾守、瀬戸恒雄
脚本:松田寛夫
撮影:姫田真佐久
音楽:菊池俊輔
美術:今村力
編集:戸田健夫
録音:林鉱一
スクリプター:加藤勝男
助監督:森光正
照明:山口利雄
音響効果:原尚
記録:山内康代
製作調整:山田光男
演技事務:河合啓一
装置:開米慶四郎
装飾:金田孝夫
美粧:井上守
美容:宮島孝子
衣装:内山三七子
宣伝:レオ・エンタープライズ
方言指導:島田淳、池田道枝
現像:東映化学
進行主任:小島吉弘
音楽監督:菊池俊輔
主題歌:風が息をしている(映画クレジットには「息をしている」と表記)
作詞:谷川俊太郎作曲:菊池俊輔歌:林牧人
音楽協力:日本テレビ音楽
発売:日本コロムビア
協力:宝塚ホテル、明治乳業、日本無線、N.A.C大阪、株式会社国際プロ、東映俳優センター、東映美術センター
東映・日本テレビ放送網提携作品
出演者
古屋数男 - 萩原健一
喫茶店の経営に失敗し、森安らから多額の借金を抱えている。医師である三田村の家は裕福で、十分に脅しさえすれば警察に知られることもなく要求に応じるだろうと考え、息子である英之を誘拐して身代金を要求する。妻子があるにもかかわらず、他の女性と肉体関係を持つ。
古屋芳江 - 小柳ルミ子
数男の妻。数男の借金を森安から聞かされる。
古屋香織 - 高橋かおり(子役)
数男の娘。実は数男が誘拐した英之とクラスメイトで、友達になったばかりだった。
三田村昇 - 岡本富士太
小児科医。
三田村緋沙子 - 秋吉久美子
昇の妻。
三田村英之 - 和田求由(子役)
私立若葉学園の一年生。下校途中に拉致される。
滝耕太郎 - 宅麻伸
新聞記者。芳江と香織がひっそりと夜逃げする様子をカメラに収めるが、香織から投げかけられた言葉に心を打たれ、結局「空振りでした」と大西らに報告し、写真を撮ったことを打ち明けなかった。
津島友子 - 藤谷美和子
耕太郎の恋人。新聞社に入社し多忙となった耕太郎と将来について話し合うために新神戸駅へ降りる。
ホステス・ヒロミ:高沢順子
葬儀で母親を追悼する記者の文章を読み、泣き崩れる。
庄司のぶ代:池波志乃
主人公と肉体関係を持つ。誘拐された子供を目撃した唯一の人物。
森安泰明 - 中尾彬
悪徳高利貸。数男を騙して200万の手形を切らせ、店を乗っ取った。
借金取り - 三谷昇
森安に出した200万の手形が自分に回って来たことを芳江に伝える。
遠藤警部 - 伊東四朗
県警捜査第一課の被害者対策班長。5人の部下を率いて三田村宅に詰める。最後の取引の時、子供を持つ親の気持ちになるようにと昇に懇願され、昇と緋沙子だけで取引場所に行かせる。
剣持県警捜査第一課長 - 平幹二朗
宝塚警察署に設置された捜査本部の本部長。
数男の母 - 賀原夏子
数男の実家の丹後で機織りをしている。
久保信次 - 湯原昌幸
数男の高校の同級生で漁協のトラック運転手。トラックが動かなくなったため、実家に一旦戻って来た数男の車に乗る。
ホステス・ハルエ:松尾嘉代
ホステス:亜湖[要出典]
北川巡査部長:亜湖
大西支局長:三波伸介
土門社会部長:丹波哲郎
渡辺キャップ:大和田伸也
字野記者:小倉一郎
A社キャップ:宮内洋
宝塚直配所々長:なべおさみ
耕太郎の同僚:橋爪功
服部刑事企画課長:藤巻潤
光宗パイロット:菅原文太
警察広報:渥美国泰
永井智雄
福田豊土
中田博久
稲葉義男
出光元
町田政則