この項目では、株式仲買人について説明しています。
株式仲買人の邦題もあるアーサー・コナン・ドイルの小説については「株式仲買店員」をご覧ください。
証券会社(しょうけんがいしゃ)とは、有価証券(株式や債券など)の売買の取次ぎや引受けなどを行う企業。 日本においては、通常、金融商品取引法に規定される金融商品取引業者のうち、第一種金融商品取引業(有価証券関連業に該当するものに限る。)を行う者を指す。 かつては、証券取引法において登録(1998年までは免許)を受けて証券業を営む会社を指す法令用語であったが、2007年9月30日の金融商品取引法への改正施行に伴ってこの概念が廃止され、従前の証券会社は、経過規定により、金融商品取引法第28条第1項第1号、第2号および第3号ハに掲げる行為に係る業務、有価証券等管理業務ならびに第二種金融商品取引業を行う金融商品取引業者とされた(「みなし登録第一種業者」)。これまでの証券業の概念は、概ね有価証券関連業として定義された。 金融商品取引法第33条第1項により、「銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融機関は、有価証券関連業又は投資運用業を行つてはならない。」として、金融機関(銀行等)が有価証券関連業を行うことを禁止している。しかしながら、同法同条第2項により、有価証券関連業の一部を営むことは可能である。 第1種金融商品取引業は金融庁長官の登録制である。登録要件は(1)株式会社である(2)資本金5000万円以上である(3)自己資本比率が120%以上である、ほかに社内の「人的構成」や主要株主の規制があり、従来の証券取引法と比較して厳格になった。 1968年4月1日に、それまでの登録制に代わる形で「免許制」が導入されたが、1998年証券取引法改正により免許制を廃し、「登録制」に移行した。 なお、免許制時代には、免許が細分化され、業務ごとに以下のような免許があり、この全ての免許を有する証券会社を「総合証券会社」と表現された[1]。
日本の証券会社
概説
法律上の規定
免許・登録制度
第1号免許 - 自己計算売買, ディーリング
第2号免許 - 売買仲介, ブローカレッジ
第3号免許 - 引受, アンダーライティング
なお、登録制に移行した現在においても、有価証券店頭デリバティブ取引等の取り扱いを行う業務、有価証券の元引受を行う業務、私設取引システム(PTS)を開設・運営する業務については、第29条によりそれぞれ「認可制」となっている。 証券会社の行政管轄は財務省の各地方財務局(北海道、東北、関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、福岡財務支局、沖縄総合事務局)が金融庁長官の委任により担当している。しかし、全国規模の証券会社に関しては内閣府傘下の金融庁が直接担当している。 五大証券とも呼ばれ国内外に拠点を持ちリテール業務から投資銀行業務までフルサービスを提供している。 野村證券については、2020年代以降、一部の支店の証券取引を地元の銀行を代理店とする、証券仲介業務の方式へ転換し、支店勘定を法人部勘定に移行し、銀行での対応については、別に法人営業部勘定を増設して移行する対応をしている。 大手と同様にフルサービスを提供するもののリテール重視の経営形態であり、日本全国に支店網をもつ。大手証券と差別化を図るため、独自色を出す傾向がある。東海東京証券の場合は、地方銀行(もしくはその持株会社)と合弁の証券会社を設立し、東海東京証券の店舗を譲渡させる形式をとっているケースもあるため、東海東京証券本体の店舗が空白となった地域もある。法人部門やネット証券、投信運用会社、海外拠点など総合証券会社として多くの機能をもっている。独立色が強く、東海地域がメイン基盤であることを明確化している東海東京証券、三重県に地盤を持つ岡三証券は、共に首都圏以外に牙城となる経営地盤を持つ。 業界では上記を『中堅7社』と呼ぶ。リテール営業重視の経営形態であり、ブローカー業務からアンダーライター(引受)業務までの証券業務を幅広く展開する。大手・準大手と異なり支店網に地域的な偏りがある為、地元地域密着の営業手法を採る。 1990年代後半のインターネットの爆発的普及に加え、1999年の株式売買委託手数料の自由化により、インターネットを利用した証券会社が登場した。それまでの対面営業と異なり、基本的に営業拠点や営業員を必要としないため、人件費などの固定費を削減が可能となり、低コストで機動的な運営ができるようになった。このため株式売買委託手数料を大幅に引き下げ、価格競争力をつける形でマーケットでのシェアを急速に伸ばした。しかしその後、低コストで運営でき参入障壁が低いためか競争過多の状態となり、価格競争に拍車がかかった。その結果、撤退や合併が相次ぎ、また残った証券会社も価格競争だけでなく取扱商品の多様化などサービスの充実にも力を入れている。 最近では、インターネット取引サービスを提供している総合証券もあるが、その場合の手数料は数百円程度で、ネット証券に比べるとやや割高である[3]。ネット証券でも特に手数料が安いのはSBI証券と楽天証券で、約定代金に関わらず、国内株式の現物取引・信用取引のそれぞれの手数料が無料になっている。[4] 日経新聞は主要証券会社を定めていて、毎年変わるが2018年3月末は下記5社をネット証券会社のうちの主要証券会社としている。純営業収益が大きい5社である。
行政所管
主要な証券会社一覧については日本の企業一覧 (証券・商品先物取引)も参照。ここでは主要な証券会社[2] について、系譜を添えて紹介することとする。
大手証券
野村證券 (野村ホールディングス)
大和証券 (大和証券グループ本社)
SMBC日興証券 (三井住友フィナンシャルグループ)
みずほ証券 (みずほフィナンシャルグループ)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 (MUFG完全子会社の三菱UFJ証券ホールディングスとモルガン・スタンレーグループの合弁)
準大手証券
東海東京証券 (東海東京フィナンシャル・ホールディングス)
岡三証券 (岡三証券グループ)
中堅証券
藍澤證券
いちよし証券
岩井コスモ証券(岩井コスモホールディングス)
極東証券
東洋証券
丸三証券
水戸証券
インターネット専業の証券会社
日経新聞の定める外資ではない主要ネット証券会社
SBI証券 (SBIホールディングス) 2007年10月、旧・SBI証券と合併し対面営業に進出
楽天証券 (楽天証券ホールディングス・みずほ証券)
マネックス証券(マネックスグループ)
松井証券
auカブコム証券(auフィナンシャルホールディングス)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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