この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
計量法
日本の法令
法令番号平成4年法律第51号
種類産業法
効力現行法
成立1992年5月14日
公布1992年5月20日
施行1993年11月1日
所管経済産業省
主な内容適正な計量の実施など
関連法令メートル条約
条文リンク計量法
計量法(けいりょうほう、Measurement Act、平成4年法律第51号)は、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展および文化の向上に寄与することを目的とする(第1条)日本の法律である。経済産業省が所管する。
概要(昭和26年法律第207号)を全面改正して、1992年(平成4年)に制定された。もともとは日本における計量の基準を定め、取引が統一基準の下に行われることを目的とした法律(度量衡法)であったが、現在の計量法は国際単位系 (SI) の採用により、国際的に計量基準を統一することと、各種計量器の正確さを維持するためのトレーサビリティの維持を主な目的としている。(併せて「用途を限定する非SI単位」が定義されている。)
また、計量の専門家である計量士(環境に関する計量については、環境計量士)の育成、環境問題への対応のための環境計量への対応がなされている。
現在、計量法令の課題は日本産業規格(JIS規格)との整合性を図ることであり、そのために計量法令での具体的規定を、JISを参照するようにすることが検討され、特定計量器の技術基準については、計量法施行規則においてJISを引用する形への改正が、2005年4月の改正で、抵抗体温計等3器種の技術基準に関するJISが初めて省令に引?され、2016年1月の改正において全特定計量器の技術基準のJIS引?が完了した[1]。
附属法令に、計量単位に関する事項を定めた計量単位令(平成4年政令第357号)、計量法関係の手数料を定めた計量法関係手数料令(平成5年政令第340号)と、それ以外の事項について定めた計量法施行令(平成5年政令第329号)があり、それぞれに対応する経済産業省令(計量単位規則・計量法関係手数料規則・計量法施行規則・計量法第十六条第一項第二号イに規定する指定検定機関を指定する省令・計量法第百三十五条第一項に規定する指定校正機関を指定する省令)がある。
法定計量単位詳細は「法定計量単位」を参照詳細は「計量法に基づく計量単位一覧」を参照
計量法は、「物象の状態の量」のうち、熟度の高いもの72量(第2条第1項第1号)と、熟度の低いもの17量(第2条第1項第2号、計量単位令第1条)の、合計89量について計量法上の「計量」の対象としている。この89量以外の量を計ることは計量法上の計量とは扱われない[2]。 計量法は、上記の72量に係る計量単位をSI単位(国際単位系 (SI) に掲げられている単位)であるか、非SI単位であるかによって、条項を分けて規定している。 計量法は、その第8条第1項で「非法定計量単位」を「取引又は証明」(後述)に用いることを禁じている。この違反は50万円以下の罰金である(第173条第1号)[5]。 ここで注意しなければならないのは、法定計量単位を用いなければならないのは、72量の物象の状態の量についてのみであって、それ以外の「物象の状態の量」(計量単位令第1条で定める17量を含む。)については、計量法の規制外であり、取引・証明に使用しても何ら構わない[6][7][8]。
A 熟度の高いものとして、次の72量(典型72量)を計量法第2条第1項第1号で定めている。
長さ、質量、時間、電流、温度、物質量、光度、角度、立体角、面積、体積、角速度、角加速度、速さ、加速度、周波数、回転速度、波数、密度、力、力のモーメント、圧力、応力、粘度、動粘度、仕事、工率、質量流量、流量、熱量、熱伝導率、比熱容量、エントロピー、電気量、電界の強さ、電圧、起電力、静電容量、磁界の強さ、起磁力、磁束密度、磁束、インダクタンス、電気抵抗、電気のコンダクタンス、インピーダンス、電力、無効電力、皮相電力、電力量、無効電力量、皮相電力量、電磁波の減衰量、電磁波の電力密度、放射強度、光束、輝度、照度、音響パワー、音圧レベル、振動加速度レベル、濃度、中性子放出率、放射能、吸収線量、吸収線量率、カーマ、カーマ率、照射線量、照射線量率、線量当量、線量当量率
B 熟度の低いものとして、次の17量を計量単位令第1条で定めている。
繊度、比重、引張強さ、圧縮強さ、硬さ、衝撃値、粒度、耐火度、力率、屈折度、湿度、粒子フルエンス、粒子フルエンス率、エネルギーフルエンス、エネルギーフルエンス率、放射能面密度、放射能濃度
SI単位との関係による分類
表1 SI単位に係る計量単位 65量132単位(法第3条)[2]なお、経済産業省では、「時間の「分 (min)」、「時 (h)」、質量の「トン (t)」などはSI単位ではないが、計量法ではこれらもSI単位に準ずる計量単位として第3条に含めている。」としている[3]。
表2 SI単位のない量の非SI単位 7量9単位(法第4条1項)[4]
表3 SI単位のある量の非SI単位 5量18単位(法第4条2項)[4]。この5量はすべて表1の65量に含まれている。
計量単位と単位記号の規範性
法定計量単位の定義
法定計量単位:72量159単位(65量132単位 + 7量9単位 + 18単位)、これらにSI接頭語を付した単位
非法定計量単位:法定計量単位以外の単位
計量単位の規範性