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数式処理システム(すうしきしょりシステム、英文名称:Formula Manipulation System)は、コンピュータを用いて数式を記号的に処理するソフトウェアである。
例えば式の展開として ( x + 1 ) ( x + 2 ) = x 2 + 3 x + 2 {\displaystyle (x+1)(x+2)=x^{2}+3x+2} を求めたり、微分として y = x n {\displaystyle y=x^{n}} に対して d y d x = n x n − 1 {\displaystyle {\frac {dy}{dx}}\ =nx^{n-1}} を求める操作を取り扱う。取扱い可能な数式と演算はソフトウエア製品により異なる。
英文別称には英: Computer algebra system(CAS)、Symbolic Computation Systemがある。数式処理機能以外に数値計算機能、グラフ表示機能等も統合した数学ソフトとして存在する製品もある。また,数式処理システムに向けた計算アルゴリズムを研究する分野の名称も数式処理(あるいは computer algebra の直訳として計算機代数)と呼ぶ。
具体的な数式処理システムの製品については数式処理システムの一覧を参照されたい。 数式処理システムは、一般に次のような数・数式を表現、保持や演算処理できる。 数値計算としては次のものがある。 記号的操作には、次のようなものがある。
取扱可能な数・数式
数
自然数、整数
有理数、無理数
複素数
論理代数
式
複数の変数を含む多項式
複数の変数を含む有理式
三角関数、指数関数、対数関数、冪根(より一般には代数関数)などの初等関数を含む数式
極限
総和、級数
漸化式を伴う級数
数式の微分(導関数)
不定積分/定積分
ベクトル、行列を使った式、内積、外積、テンソル
複素関数
ガンマ関数、ゼータ関数、ベッセル関数、誤差関数、超幾何関数などの特殊関数を含む数式
(任意長桁の)整数や有理数、特殊定数、浮動小数点数、区間数、複素数、代数的数,有限体。
記号的操作
式の変換
数式内の函数や数値を記号的に置換する。
単変数あるいは多変数の多項式の因数分解。
式を可能な限り単純な形式に変換したり、何らかの標準形式にする。前提条件や制約条件を考慮した自動的な簡約化も行う。但し、この操作は常に可能とは限らず、ある程度一般的な(例えば初等函数と絶対値函数を含む)二つの数式の等価性の判定はアルゴリズム的には決定不能なことが示されている。
数式の形式を変更する。三角関数を指数函数で置換するなど。
代数
単変数の低次あるいは高次の代数方程式を厳密にあるいは近似的に解く。消去法により多変数の線形あるいは非線形の連立代数方程式を解く。
行列に対する各種操作。行列積の計算、逆行列の計算、固有多項式の計算、各種標準形への変換など。
各種領域での線型および非線型の方程式を解く。
微分・積分、解析
数列や函数の極限を求める。常に可能なわけではない。
函数の級数への展開、級数の総和や積計算など。※
微分と偏微分の操作。
一部の不定積分と定積分。多次元積分も含む。
一部の微分方程式や差分方程式を解く。
その他
記号的な制約条件に基づいて最適値を与えるための必要条件を数式として導くこと。
限量記号消去法(Quantifier Elimination Method)。
数値計算
任意の精度の数値の操作。
数式処理システムが扱う数学的操作の例
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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