計算機の歴史
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計算機の歴史(けいさんきのれきし)の記事では、計算機(計算機械)やコンピュータ歴史について述べる。また、コンピュータは計算機械であるばかりでなく、同時に情報処理機械でもあるので、本項でも計算機械に限らずデータ処理機械にも触れる。あまり一般的な語ではないが「コンピューティング」の歴史だと捉えるとよいであろう。
目次

1 概要

1.1 計算の歴史の中での位置づけ

1.2 コンピュータの歴史概略


2 計算器具

3 機械式計算機

4 パンチカード機械

5 アナログコンピュータ

6 コンピュータ

6.1 Zuse

6.2 Colossus

6.3 アメリカ合衆国での開発

6.3.1 ENIAC


6.4 初期のコンピュータの比較


7 第一世代

8 商用コンピュータの始まり

9 第二世代: トランジスタ式

10 1960年代以降: 第三世代とその後

11 脚注・出典

12 参考文献

13 関連文献

14 関連項目

15 外部リンク

概要
計算の歴史の中での位置づけ

人間がおこなう暗算以外の計算は、小石などをカウントしたことにはじまり、数字を書き記す技法が発展し、やがて手動操作をおこなう器具が生まれた。ネイピアの骨算木計算尺など、数学を応用した器具も作られた。一方、機械により器具のけた上がりなどを自動化するアイディアも生まれ、これが計算機械の原点である。より大がかりな計算を機械により自動化することが試みられるようになり、またアナログコンピュータも発達した。やがて電気工学が、次いで電子工学が計算のために応用されるようになり、また数学においても計算というものを機械的に定義するといったことがおこなわれた(計算模型)。そして今日につながるプログラム内蔵方式のコンピュータとなった。
コンピュータの歴史概略

コンピュータの歴史において一体何が行われてきたのかについて、もしもほんの一行ほどで要約するならば、要は、計算機の高機能化、高速化、低価格化、大容量化が行われてきたのだ、ということは言えるであろう。

計算機械の歴史とは、まず第一にコンピュータアーキテクチャ(入出力、データ格納、演算や制御を行うシステムの構成)の歴史である。また、それはシステムの各装置を構成する電子部品や機械の歴史でもある。計算速度や記憶容量が進化すると同時に、同じ能力ではコスト大きさが小さくなってきたという特徴がある。

自動計算機が開発される以前、ほとんどの計算は人間が手で行っていた。人間の計算を補助する器具は「計算器」、機械は「計算機」と呼ばれる。計算器を使って計算することを生業とする人間を計算手(英語でコンピュータ)などと呼んだ。計算手(19世紀末に女性が採用されるようになり、第二次大戦前には女性が多数採用された)が大勢並んで大きな部屋で計算器または計算機を使って計算を行っている写真がいくつも残っている。例えば、航空機設計に必要な航空力学的計算などをそのようにして行った。

計算機は進化し続けたが、コンピュータが大きく異なるのは条件判断とより大きな記憶容量という点で、数値計算の自動化を可能にし、より一般的に様々な記号操作の自動化を可能にした。

コンピュータは単に計算用プラットフォームというだけでなく、製造工程の自動化電気通信、装置制御、娯楽、教育などに使われてきた。様々な分野からの要求で新たなハードウェアが発展してきた。例えば、より直感的で自然なユーザインタフェースのためにタッチパネルが考案された。

紙に数字を書いて計算するのは別として、最初の計算補助器具は四則演算の対象となる数値を人間の手で設定し、手で操作して演算を行う簡単な器具だった。比較的最近の洗練された例として計算尺がある。計算尺では対数尺上の目盛りで数値を表し、カーソル線を合わせて滑尺を滑らせ演算を行う。数値はこのように連続な「アナログ」値として表すことができ、数値に対応して電圧などの何らかの物理量を設定することで表すことがある。ヴァネヴァー・ブッシュが第二次世界大戦前に開発した微分解析機などは、そのようなアナログコンピュータの一種である。また数値は数字の並び(デジタル)という形でも表現でき、機械によって自動処理できる。後者は多くの場合より複雑な機構を必要とするが、演算結果の精度はずっと高くなる。

アナログとデジタルの機械式計算技法はどちらも発展していき、多くの実用的計算機が生まれた。電気的技法は当初機械式計算装置の動力源として使われ、後に数値を直接 電気で表現することで、計算機の速度と精度が急激に改善されていった。数値を離散的な二進または十進の数字の並びで電気的に表し、継電器による組み合わせ回路を使って演算することができる。


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