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出典検索?: "解析的整数論"
数学において、解析的整数論(かいせきてきせいすうろん、英: analytic number theory)あるいは解析的数論、解析数論とは、整数についての問題を解くために解析学の手法を用いる、数論の一分野である[1]。解析数論の始まりはペーター・グスタフ・ディリクレがディリクレの算術級数定理の最初の証明を与えるためにディリクレの L-関数を導入したときであるとしばしば言及されている[1][2]。(素数定理やリーマンのゼータ関数を含む)素数に関する結果や(ゴールドバッハの予想やウェアリングの問題のような)加法的数論(英語版)の結果が広く知られている。 解析的数論は、用いる手法ではなく解く問題の種類によって、2つの主要な分野に分類することができる。 解析的数論の多くは素数定理に動機づけられた。π(x) を素数個数関数とする。これは任意の実数 x に対して x 以下の素数の個数を与える関数である。例えば、10以下の素数は4つ (2, 3, 5, 7) あるから、π(10) = 4 である。素数定理は、.mw-parser-output .sfrac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .sfrac.tion,.mw-parser-output .sfrac .tion{display:inline-block;vertical-align:-0.5em;font-size:85%;text-align:center}.mw-parser-output .sfrac .num,.mw-parser-output .sfrac .den{display:block;line-height:1em;margin:0 0.1em}.mw-parser-output .sfrac .den{border-top:1px solid}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}x/ln x が π(x) の良い近似であることを示す定理である(ln は自然対数)。ここで良い近似とは、x → ∞ の極限で x/ln x が素数個数関数 π(x) に漸近することを指す: lim x → ∞ π ( x ) x / ln ( x ) = 1. {\displaystyle \lim _{x\to \infty }{\frac {\pi (x)}{x/\ln(x)}}=1.} これは素数分布の漸近法則として知られている。 アドリアン=マリ・ルジャンドルは1779年か1798年に次のことを予想した:π(a) は関数 a/(A log a + B) によって近似される、ただし A と B は不明な定数である。ルジャンドルは数論に関する自身の著書の第二版 (1808) において、 A = 1 および B = −1.08366 を与え、より正確な予想をした。 カール・フリードリヒ・ガウスは同じ問題を考えた:ガウスがヨハン・フランツ・エンケへ宛てた1849年12月24日付の手紙によれば、1792年か1793年に、彼は自身の対数表に「a (= ∞) 以下の素数 a log a {\displaystyle {\frac {a}{\log a}}} 」と短いメモを書いた(当時ガウスは15歳か16歳であった)[3]。しかしガウスがこの予想を出すことはなかった。 1838年、ディリクレは(ガウスに伝えた級数と僅かに異なる形の)近似関数、対数積分 li(x) を考えついた。ルジャンドルとディリクレの公式どちらからも、前述の予想である π(x) と x / log x が漸近的に等しいことが導かれるが、商の代わりに差を考えるとディリクレの近似の方がかなり良いことが判明した。 ディリクレは解析的数論の創始者であると考えられている[4]。この分野で彼はいくつかの深い結果を発見した。その証明において基本的なツールを導入し、その多くは後にディリクレの名前が付けられた。彼は1837年にディリクレの算術級数定理を発表した。この研究の中で、代数的な問題に取り組むために解析学の考えを用い、したがって解析数論の分野を創設した。定理の証明において彼はディリクレ指標や L-関数を導入した[4][5]。1841年、彼は算術級数定理を整数からガウスの整数環 Z [ i ] {\displaystyle \mathbb {Z} [i]} へと一般化した[6]。 1848年と1850年の2つの論文において、ロシア人数学者パフヌティ・リヴォーヴィッチ・チェビシェフは素数分布の漸近法則の証明を試みた。彼の仕事は、1859年のリーマンの名高い研究論文に先だって、(早くも1737年のレオンハルト・オイラーの研究と同様に実変数 s に対して)ゼータ関数 ζ(s) を用いたことは注目に値する。そして漸近法則より僅かに弱い形、すなわち、x → ∞ のときの π(x)/(x/log x) の極限が存在しさえすれば、その極限は1に等しくなければならないことの証明に成功した[7]。また、無条件ですべての x に対してこの比が上下から2つの明示的に与えられる1に近い定数によっておさえられることを証明した[8]。チェビシェフの論文は素数定理を証明してはいないが、この π(x) の評価は、任意の整数 n ≥ 2 に対して n と 2n の間に素数が存在するというベルトランの仮説を証明するには十分であった。
解析的数論の分野
乗法的数論
加法的数論(英語版)は、2よりも大きいすべての偶数は2つの素数の和であるというゴールドバッハの予想のような、整数の加法的構造に着目する。加法的数論の主要な結果の1つは、ウェアリングの問題の解である。
歴史
先駆け
ディリクレ詳細は「ペーター・グスタフ・ディリクレ」を参照
チェビシェフ詳細は「パフヌティ・チェビシェフ」を参照
リーマン詳細は「ベルンハルト・リーマン」を参照"…es ist sehr wahrscheinlich, dass alle Wurzeln reell sind. Hiervon ware allerdings ein strenger Beweis zu wunschen; ich habe indess die Aufsuchung desselben nach einigen fluchtigen vergeblichen Versuchen vorlaufig bei Seite gelassen, da er fur den nachsten Zweck meiner Untersuchung entbehrlich schien."
「……根のすべてが実数となることがたいへんもっともらしい。厳密な証明を与えることが望ましいのはもちろんである。私は証明を試みたが無駄に終わったので、証明の探求はしばらく脇に追いやっておく。なぜならこの研究報告の次の目的にとって必要ではないからである。」[9]リーマンが1859年の論文[10]においてリーマン予想について述べたこと。(リーマンは根が臨界線よりはむしろ実数になるように修正したゼータ関数を議論していた。