西武101系電車
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この項目では、1969年(昭和44年)に登場した山岳区間対応の高性能車である101系電車について説明しています。

架線電圧600 V当時の多摩湖線で使用されていたモハ101形電車については「西武モハ101形電車」をご覧ください。

西武鉄道(初代)から継承したモハ100形電車については「西武モハ550形電車」をご覧ください。

西武101系電車(横瀬車両基地、2012年12月撮影)

西武101系電車(せいぶ101けいでんしゃ)は、1969年昭和44年)に登場した西武鉄道通勤形車両

本形式は、製造時期によって以下の2種類のグループに分けられる。

旧101系(低運転台車、1969 - 1976年製造)

新101系・301系(高運転台車、1979 - 1984年製造)

なお、本項では個別の編成について、「N編成(N=編成中の最若番車両の番号)」の表記とする。

本系列の車両番号の付与の規則性上、各編成とも編成中の最若番車両の番号は必ず奇数となっているので、編成番号は必ず奇数となる。

旧101系

西武101系電車
旧101系 クハ1224
(2012年12月9日 横瀬車両基地)
基本情報
運用者西武鉄道
製造所西武所沢車両工場
製造年1968年 - 1976年
製造数278両
運用開始1969年3月5日
引退2010年
主要諸元
編成4・6両編成
軌間1,067 mm (狭軌
電気方式直流1,500 V
架空電車線方式
最高運転速度105 km/h
設計最高速度120 km/h
起動加速度2.3 km/h/s (2M2T)
(高加速度設定時 2.5 km/h/s)
3.0 km/h/s (4M2T)
減速度(常用)3.5 km/h/s
減速度(非常)4.5 km/h/s
編成定員656人(4両編成)
992人(6両編成)
車両定員160人(座席66人) [先頭車]
168人(座席72人) [中間車]
自重40.0 t(モハ101形冷房車)
29.0 t(クハ1101形冷房車)
全長20,000 mm
全幅2,813 mm
全高4,231 mm
車体普通鋼
台車住友金属工業FS372(モハ101形)
FS072(クハ1101形)
主電動機直巻整流子電動機
主電動機出力150 kW
駆動方式中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比15:86=1:5.73
編成出力1,200 kW(4両編成)
2,400 kW(6両編成)
制御方式電動カム軸式抵抗制御、直並列組合せ制御及び弱界磁制御
制御装置MMC-HTB-20E
制動装置抑速ブレーキ装備発電ブレーキ併用電磁直通空気制動(HSC-D)
保安装置西武形ATS
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概要

1969年(昭和44年)の西武秩父線開業に合わせて山岳路線を走行するための高出力・高ブレーキ性能の車両として登場し、同年3月5日に西武秩父線の開通より一足早く営業運転を開始した。登場時は「ASカー(All round Service Car)」とも称された。1976年(昭和51年)までに4両編成50本(200両)と6両編成13本(78両)の計278両が新製された。このうち6両固定編成の電動車2ユニット中1ユニットには当時の大手民鉄では珍しいハイフン付ナンバー(モハ101-21 - 30・201 - 216)が登場している。車両形式は制御車のクハ1101形と中間電動車のモハ101形のみである。
車両の特徴

車体構造は先に登場した801系のデザインを踏襲しており、前面は非貫通・2枚窓で、上部中央には手動巻き取り式の行き先表示器(方向幕)が、その左右に後部標識灯と通過標識灯が搭載されている。向かって右側の後部標識灯下(運転席窓上)には乗務員室用通風口のフタを有する。前面窓下に前照灯を左右1灯ずつ装備し、その下にはステンレス製の飾り帯が巻かれている。前面の方向幕は行先のみの表示で、準急以上の種別は運転席窓内の向かって左上に種別名が書かれた札を掲示していた。なお車体側面には種別・行き先表示器とも無い。側面は片側両開き3扉で、扉間には戸袋窓と二段窓が4つ配されている。

701・801系列での外観上の差異は、台枠厚さが増加した一方床面高さをほぼ同一としたため、その分車体裾が下がっている。このほか、客用扉を閉扉した際に物挟みなどで完全に閉まりきらない扉のみ再度全開にする事ができる再開閉スイッチや、車内保温を目的に運転台直近の扉以外を締切る装置が本系列で初めて備えられた。

屋根上にはグローブ形ベンチレーターを、先頭車の非冷房車は7個で冷房車は5個、中間車の奇数車(M1、3車)の非冷房車は5個で冷房車は3個、中間車の偶数車(M2,4車)は8個で冷房車は6個装備する。パンタグラフは菱形をM1車に2基搭載する。

座席はオールロングシートで、モケットは茶色と緑色(優先席)が採用された。内装の化粧板は茶色系統の暖色系が採用された。車両間の貫通扉は両開き式で101 - 127編成はM2車のM1車寄り(1位側)のみに、129 - 181編成はTc1車・M2車の1位側・Tc2車に、183編成以降はM1・2車の1位側、Tc2車に設けられた。101 - 181編成は冷房化改造の際に扉の新設や移設により183編成以降と同じ位置に統一された。天井には非冷房車は扇風機、試作冷房車は冷風吹き出し口と扇風機、冷房車はラインデリア6個を備え非冷房車および試作冷房車より蛍光灯を中間車では2本、先頭車では3本多く搭載している。

台車住友金属工業製の空気ばね台車でクハ1101形がFS072、モハ101形がFS372を装着する。これらは801系クハ1801形が装着していた空気ばね・インダイレクトマウントタイプFS067の発展型で、枕ばね周りの構造はダイレクトマウント方式に変更された。軸ばね周りの基本構造は共通のペデスタル+軸ばね支持であるが、この構造は基本構造がシンプルで初期コストが低く、通常のメンテナンスも容易という長所がある。ただしペデスタル摩擦部は他の高度な軸ばね方式に比べて頻度の高い適切なメンテナンス(隙間調整)を要するが、元々在来旧型車の多数がペデスタル付き旧型台車で占められていた西武では、保守上の問題はなかった。

主電動機日立製作所製HS-836-Nrb・Prb(出力150 kW)または東洋電機製造製TDK-8010-A(出力150 kW)が、主制御器は日立製の電動カム軸式の抵抗制御器MMC-HTB20E(弱め界磁起動1段・直列12段・並列13段・弱め界磁5段・発電制動25段)が搭載された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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