西欧同盟
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西欧同盟
Western European Union
Union de l'Europe occidentale


加盟国 ・ 準加盟国 ・ オブザーバ ・
協力パートナー
本部ブリュッセル
変遷
 –ブリュッセル条約署名1948年3月17日
 –パリ会議1954年10月21日
 –リスボン条約発効2009年12月1日
 –廃止2010年3月31日

西欧同盟(せいおうどうめい、英語: Western European Union, WEU、フランス語: Union de l'Europe occidentale, UEO)は、1948年に署名された、冷戦期における西ヨーロッパ諸国の間における防衛に関する合意事項をうたったブリュッセル条約の実行を使命としていた国際組織。冷戦終結以降、欧州連合がより広範な役割を果たすようになり、西欧同盟の使命や機関は欧州連合に移管されている。

2009年、西欧同盟の集団的自衛条項がこの年に発効したリスボン条約に引き継がれた。その結果、2010年3月31日にブリュッセル条約はその効力が停止され、西欧同盟の活動は2011年6月30日に正式に終了した[1][2]
参加国

西欧同盟は10の加盟国、6の準加盟国、5のオブザーバ国、7の協力パートナー国で構成されていた。2001年6月14日に当時の西欧同盟事務総長ハビエル・ソラナは、西欧同盟の正規加盟国以外の参加国の地位変動の見通しはないと述べていた。

加盟国:修正ブリュッセル条約(1954年)による

以下の加盟国は北大西洋条約機構と欧州連合の両方に加盟していた。これらの国々には採決に関する完全な権限が与えられていた。

ベルギー

フランス

ドイツ

ギリシャ(1995年から)

イタリア

ルクセンブルク

オランダ

ポルトガル(1990年から)

スペイン(1990年から)

イギリス

オブザーバ国:ローマ宣言(1992年)による

オブザーバは西欧同盟に加盟しているが、北大西洋条約機構には加盟していない国で構成されていた[注 1]

 オーストリア(1995年から)

 デンマーク[注 1]

 フィンランド(1995年から)

アイルランド

 スウェーデン(1995年から)
^ a b デンマークは欧州連合と北大西洋条約機構の両方に加盟しているが例外となっていた。デンマークには1992年に署名されたマーストリヒト条約の例外規定が適用され、欧州連合の欧州安全保障防衛政策に参加しないということになっていた。このため西欧同盟ではデンマークを欧州連合に加盟していない北大西洋条約機構加盟国とみなすのが適切とされていた。
準加盟国:ローマ宣言(1992年)による

準加盟国は北大西洋条約機構に加盟する一方で欧州連合には加盟していないヨーロッパ諸国を対象とするために創設された。その後、ポーランド、チェコ、ハンガリーは欧州連合に加盟している。

 チェコ(1999年から)

 ハンガリー(1999年から)

アイスランド

 ノルウェー

ポーランド(1999年から)

トルコ(1992年から)

協力パートナー国: キルヒベルク宣言(1994年)による

当時北大西洋条約機構、欧州連合の両方に加盟していない国を対象としていた。その後これらの国々は北大西洋条約機構、欧州連合の両方に加盟している。

 ブルガリア

 エストニア

 ラトビア

 リトアニア

 ルーマニア

スロバキア

スロベニア(1996年から)


沿革
ブリュッセル条約詳細は「ブリュッセル条約 (1948年)」を参照

1948年3月17日、イギリス、フランス、ベルギー、ルクセンブルク、オランダはブリュッセル条約に署名した。ブリュッセル条約は集団的自衛を目的とする条約で、経済、文化、社会における協調の促進も企図していた。欧州防衛共同体の設立が失敗したことで、1954年10月23日に当時の西ドイツとイタリアが加わって、パリ協定により西欧同盟が設立された。パリ協定調印国は修正ブリュッセル条約の前文において以下の3つの目的をうたった。

西ヨーロッパにおいてヨーロッパ経済の復興に向けた確固たる礎を築く

侵略行為に対抗するさいには相互に支援を実施する

ヨーロッパの結合を深め、漸進的な統合を促す

ブリュッセル条約による防衛に関する取り組みは「西側同盟(英語版)防衛機構」という形で具現化された。

ブリュッセル条約では文化的、社会的な条項があり、「諮問会議」の設置構想が含まれていた。この根底にあったのは、西側諸国が協力して共産主義の拡大を食い止めようとすることであった。ブリュッセル条約は1954年10月23日のロンドン・パリ会議の総括として、パリで署名された議定書で修正され、西ドイツとイタリアの西側同盟への加盟が追加された。この修正によって西側同盟防衛機構は西欧同盟に改称したのである。フランスは防衛の中枢を本同盟に移そうと考えていた時期があったとされる[3]

署名
発効
条約1948年
1948年
ブリュッセル1951年
1952年
パリ1954年
1955年
パリ協定1957年
1958年
ローマ1965年
1967年
統合1986年
1987年
単一議定書1992年
1993年
マーストリヒト1997年
1999年
アムステルダム2001年
2003年
ニース2007年
2009年
リスボン
          
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欧州原子力共同体
I←
I
欧州石炭鉄鋼共同体 (ECSC)2002年に失効・共同体消滅欧州連合
(EU)

  欧州経済共同体 (EEC)欧州共同体 (EC)
   →
III司法・内務
協力

 警察・刑事司法協力
欧州政治協力共通外交・安全保障政策
II
(組織未設立)西欧同盟  
(2010年に条約の効力停止)


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