阪急西宮スタジアム
Hankyu Nishinomiya Stadium
施設データ
所在地兵庫県西宮市高松町
座標.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯34度44分37.6秒 東経135度21分34.3秒 / 北緯34.743778度 東経135.359528度 / 34.743778; 135.359528
阪急西宮スタジアム(はんきゅうにしのみやスタジアム、Hankyu Nishinomiya Stadium)は、かつて兵庫県西宮市にあった、阪急電鉄(法人としては現在の阪急阪神ホールディングス)が所有していた多目的スタジアム。阪急西宮北口駅前(南東側)にあった。
開場から1991年3月31日までの名称は阪急西宮球場(はんきゅうにしのみやきゅうじょう)。 日本初の二階席スタンド(鉄傘付き)と内外野総天然芝のグラウンドを持つ野球場として、シカゴのリグレー・フィールドなど当時のMLBの諸球場を参考に設計された[2]。当初の構想では野球場の入口が西宮北口駅に直結する予定だったが、駅周辺の一部の土地(ほとんどが阪神電鉄関連の土地)がどうしても用地買収に応じず、駅からやや南東へ離れた場所に計画変更せざるを得なくなった[3]。1936年12月1日に起工、わずか5ヶ月の突貫工事で完成し、1937年4月末日に竣工、5月1日に開場した。 なお、「大毎フェア・ランド」跡地に建設されたとする説があるが[2]、「大毎フェア・ランド」とは日独防共協定締結を記念して1937年3月25日から5月23日まで西宮北口駅の南部経営地で開催された博覧会のことであり、阪急西宮球場は「大毎フェア・ランド」開催前に起工、開催中に竣工しており、矛盾する。 スタンドは鉄傘付き二階席の他にも、当時としては異例の背付き椅子を備えた内野席、55,000人収容の観覧席の傾斜角度をどこから見ても本塁に合わせるなど工夫され、その後長く「行きよい、見やすい」というキャッチフレーズが使われた。また、浴場など選手用施設、記者室、郵便局、当時では珍しかった男女別トイレ、階段のほかスロープを設けていたなど内部施設も充実しており、広い敷地と併せて開設当時としては最新・最高の設備を備えた球場であった[4][3]。設計は、当時の阪急関連の建物の多くを担当した阿部美樹志が手掛けている。 プロ野球黎明期の興行の中心となった3球場は阪急西宮球場と、全面に土を敷いた「大運動場」として開場し、その5年後に外野のみ芝を張った「球場」へ改修された阪神甲子園球場と、阪急西宮球場の開場から約4ヶ月後に開場し、二階席スタンド(鉄傘なし)を持った後楽園球場だった。 阪急電鉄が所有していたプロ野球チーム『阪急ブレーブス』の本拠地(フランチャイズ)として阪急の主催試合が開催された。それ以外に、競輪場として競輪開催(「西宮競輪場」で詳述)、アメフトの試合、コンサートなど様々なイベントで使用されており、まさに“多角経営”の先駆けとなった野球場である。 阪急電鉄が球団を譲渡したオリックスがフランチャイズを移転した後の1991年に「多目的スタジアム」であることを標榜し、「阪急西宮スタジアム(はんきゅうにしのみやスタジアム)」へ改称。 1949年までの1リーグ時代は近隣の武庫郡鳴尾村(1951年西宮市へ編入)にある阪神甲子園球場と共に関西のプロ野球興行の中心だったが、1950年の2リーグ分立以後は阪急がパ・リーグ、甲子園を本拠地とする阪神タイガース[注釈 1]がセ・リーグとそれぞれ別のリーグに所属したことに加え、フランチャイズの影響もあって、西宮での公式戦は阪急主催のパ・リーグの試合のみが行われる状態が続いた。前述のオリックスのフランチャイズ移転があった1991年に甲子園を夏の高校野球に明け渡した阪神が2リーグ分立から42年目にして初めてセ・リーグの公式戦を行った。なお、1996年にプロ野球の公式戦を最後に行ったのも阪神である(後述)[注釈 2]。 その後はアメフトと競輪開催が主となったが、人工芝の劣化により、アメフト開催も減少し、西宮競輪廃止が追い討ちとなり、球場自体の老朽化と経営難から2002年末をもって閉鎖。2004年9月1日から2005年にかけて取り壊された(「歴史」で詳述)。 跡地には、スタジアム敷地を含めた周辺再開発により、2008年11月に大型複合商業施設「阪急西宮ガーデンズ」が開業した。「ガーデンズ」内の「阪急西宮ギャラリー」には、1983年当時の本球場のジオラマ模型が展示されている。
概要