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西ヨーロッパの大聖堂建築とは、西ヨーロッパに典型的に見られる西方教会の大聖堂の建築と内部の構成の概説である。なお、西ヨーロッパの大聖堂にも、それぞれ個々の建築歴があるので、以下の記述は一般的なものであり、すべての大聖堂の建築構造に当てはまるわけではない。東方教会・正教会のものについて、東ヨーロッパ・中東のものについてはビザンティン建築・東欧諸国のビザンティン建築・ロシア建築を参照。 西ヨーロッパの大聖堂を平面図に表すとほとんどの場合、身廊(東西)と翼廊(南北)が交差して十字形を描く。翼廊は大きく突出しなかったり(例:ヨーク大寺院)、側廊の向こうに突き出さなかったり(例:アミアン大聖堂)する場合もある。 通常、中心線は東西方向に置かれる。外装においては西の正面に、内装においては東の端に重点が置かれる。教会や大聖堂のすべてが厳密な東西軸を堅持するわけではないが、その場合においても、西が入り口で東が奥という条件は守られる。 通常は外観に、上方へと伸びる顕著な特徴がある。ドームであったり、中央の塔であったり、西の2つの塔であったり、あるいはシュパイヤー大聖堂のように東西両端に塔がある場合もある。塔には、ピナクル(小尖塔)やスパイア(尖頭)や小さな円蓋が付属している場合がある。トレサリー 西正面は外観で最も装飾的な部分である。行列聖歌入り口の数は3つが多く、彫刻や石のトレサリーで華やかに装飾されている。ファサードの中心的存在は、バラ窓などの大きな窓、印象的な彫刻群である。しばしば2つの塔がファサードを縁取る。 大多数の大聖堂には高くて広々とした身廊がある。身廊の両側は、アーケードを境にして下の側廊と分けられる。ゴシック様式の大聖堂では、身廊と側廊の屋根の高さの差の部分にクリアストリー(採光用高窓)が設置され、そこから光が差し込む。ハーレン教会(独、hallenkirche)のように、側廊が身廊と同じくらい高い例もある。多くの大聖堂は両側に側廊を持つ。パリのノートルダム大聖堂は2つの側廊とチャペルの列を持つ。最上部のガラス部分がクリアストーリ(高窓)、丸いアーチの段がトリフォリウム、その下に身廊のアーチが見える 翼廊は大聖堂の腕の部分に当たる。修道院を基盤にしたイギリスの大聖堂は、しばしば2つの翼廊を持つ。身廊と翼廊が交差する部分はクロッシングといい、上に「fleche(仏)」と呼ばれる小さな尖塔やドーム、特にイギリスでは大きな塔(尖塔はあったりなかったりするが)を載せていることがある。 東端は、大聖堂の建築では最も多様性を示す部分である。内装では、東端にサンクチュアリがあり、大聖堂の祭壇が設置されている。 建物の中心部分であり、十字の長い方の腕にあたる部分である。信者の集まる部分は身廊という。「nave(身廊)」という用語は「船」を表すラテン語からくる。大聖堂は人生という嵐の中、神の民を運ぶ船を象徴している。付け加えるならば、大きな教会の高い木造の屋根は、船の胴体と同じように作られる。[1] 身廊は側廊によって両側から補強され、側廊はアーチなどの柱を境に身廊と区別される。側廊のおかげで、身廊が信者で一杯になったときでも人々の動きは妨げられない。身廊と側廊は内部の壁を強化して、石で作られた大聖堂の高い屋根を維持する。身廊の説教壇 内陣障壁(クワイヤ・スクリーン、内陣仕切りともいう)は、中世後期の教会建築に一般的に見られるもので、内陣と身廊とを分ける。内陣障壁の上は高廊と呼ばれる上階になっていることが多く、そこに十字架 (rood) が置かれる。十字架にはキリストの大きな磔像が掲げられ、通常はアーチの起拱(ききょう)点の高さに合わせて見上げるように据えられる。高廊には階段から出入りが可能で、時には聖歌隊席としても充分なほど広い。十字架の脇にはしばしば、聖母マリアや聖ヨハネの像が添えられる。テンプロン 身廊の西端に向かって聖水盤(en
設計図
拝廊
身廊
側廊(二重になっているものもある)
ロングハウス
チャーチ・ベイ
クロッシング
翼廊(袖廊 側面入口があることが多い)
内陣障壁
内陣、クワイヤ
アプス(内陣の半円後陣)
周歩廊
礼拝堂
シュヴェ
中心線
垂直性の重視
西正面
身廊
翼廊
東奥
イタリアとドイツのロマネスク - 東端は丸い。下部は丸いアプスで上部は角ばって張り出している場合があるが、イタリアとドイツのロマネスクではありふれた形である。
フランス、スペイン、ドイツのゴシック - 東端は長く、アプスの端は高くアーチが組まれている。側廊の東端はこのアプスに接続し、低い廊下や回廊を形作る。「シュヴェ」と呼ばれるチャペルが放射状に突き出している場合もある。
イングランド - 東端の形状は非常に多様である。いくつかはノリッジ大聖堂のように、アプスの端を回廊で囲っている。多くの場合、3つのチャペルが突き出して様々な形状を示す。19世紀以前のイギリスの大聖堂は、完全な形ではシュヴェを持たない。リンカン大聖堂などいくつかは四角い崖状の東端を持つ一方、ほとんどの大聖堂では聖母マリアのチャペルが突き出して、厳密な形は崩れている。低い回廊が四角い東端に接続する例もある。
内部の特徴
身廊と側廊
内陣障壁
聖水盤、聖書台、講壇
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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