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この項目では、建具の「ふすま」(襖)について説明しています。古代日本の衣装である「あお」(襖)については「襖 (衣装)」をご覧ください。
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出典検索?: "襖" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2016年8月)
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襖(ふすま)は、木などでできた骨組みの両面に紙や布を張ったものでそれに縁や引手を付けたもの[1]和室の仕切りに使うパネル状の建具の一つであり、一般に引き戸構造となっている。「襖障子」(ふすましょうじ)または「唐紙障子」(からかみしょうじ)と呼ばれることもある。単に「唐紙」と呼ばれることもある。

伝統的な日本家屋にみられる襖(奥の間)同上(中の間と仏間)

語源

障子という言葉は中国伝来であるが、「ふすま」は唐にも韓にも無く、日本人の命名である(ちなみに「ふすま(襖)」は現代中国語では、「日式??」(「?」は「襖」の簡体字)、「福司?」・「福斯?」(音訳)、「?拉?」(「拉?」は引き戸の意)などと訳される)。「ふすま障子」が考案された初めは、御所の寝殿の中の寝所の間仕切りとして使用され始めた。寝所は「衾所(ふすまどころ)」といわれた。「」は元来「ふとん」「寝具」の意である。このため、「衾所の衾障子」と言われた。さらには、ふすま障子の周囲を軟錦(ぜんきん)と称した幅広い縁を貼った形が、の形に相似していたところから衾障子と言われた、などの説がある。

「衾(きん)」をふすまと訓ませるのは、「臥す間(ふすま)」から来ていると想像される。いずれにしても「ふすま」の語源は「衾」であるという学説が正しいとされている。ついでながら、襖の周囲に縁取りとして使用した軟錦は、もとは几帳に、縁取りや装飾として使用された、帯状の絹裂地のことである。寝殿造で多用された簡易間仕切りの衝立てにも縁取りとして軟錦は使用され、またの繧繝縁(うげんべり)などの縁取にも使用されている。几帳は、台に二本の柱を立て上に横木を渡して、絹綾織りの帳(とばり)を掛けたもので、主として女性の座する空間の間仕切りとして、使用されていた。帳は絹布を軟錦の縁取りでつなぎ合わせて、軟錦の上からさらに軟錦の帯を飾りとして重ねて垂らし、裾は長く流して十二単衣の裾のような風情を作っていた。

「襖」は衣服のあわせや綿いれの意で、両面が絹裂地張りであったことから「ふすま」の表記に使用された。襖の原初の形態は、板状の衝立ての両面に絹裂地を張りつけたものであったと考えられる。この衝立てを改良して、框(かまち)に縦桟横桟を組み、両面から絹布などを貼って軽量化を図った。この軽量化された衝立てを改良発展して、張り付け壁(副障子)や屏風にも応用していったと思われる。むろん、張りつけ壁や屏風にも、幅の広軟錦が張りつけられていた。「襖」が考案された当初は、表面が絹裂地張りであった。このため「襖障子」と称された。のちに、隠蔽性の高い厚手の唐紙が伝来して障子に用いられて普及していくが、襖障子と唐紙障子は混同され併用されて、絹張りでない紙張り障子も襖と称されていく。

一応、正式の客間には、白地または襖絵が描かれたものを用いて襖障子と称し、略式の居間や数寄屋風の建物には、色無地や小紋柄を木版で刷った唐紙を使用し、唐紙障子と称したようである。唐紙障子の考案からやや遅れて、「明障子(あかりしょうじ)」が考案された。今日の障子である。

時代を経るに従い言葉が縮まり、「襖障子」「唐紙障子」の内、「障子」が脱落して「襖」「唐紙」となり、「明障子」は逆に「明」が脱落し、障子が固有名詞となり、間仕切りの総称から地位を譲った。
構成

下地となる組子や板、上貼りの紙、引き手、縁などから成る。
引き手

襖の開閉時に手をかける部分を引き手(引手)といい、機能面だけでなく、美的なアクセントにもなっている[2]。古い時代の引き手はほとんどが革か紐、あるいは金物に糸を通したものだったが、大名たちが盛んに城造りや寺院の建立をした安土桃山時代になると、襖の上に溝を切って窪みを作り、金属や木竹、磁器などで作ったさまざまな意匠の引き手を取りつけるようになった[2]

手をかける周りの部分を「座」、窪んだ部分を「銅」という。エドワード・モース『日本の家とその周辺』スケッチより

モース『日本の家とその周辺』より

モース『日本の家とその周辺』より

モース『日本の家とその周辺』より

モース『日本の家とその周辺』より

旧吉松家の襖引き手



『源氏物語』とふすま

源氏物語』の中に「開きたる障子をいま少しおし開けて、こなたの障子は引きたて給いて」とあり、また障子に歌を書き付ける話が何度か出てくる。

『源氏物語』は、引き違いの襖障子をありふれた情景として描いている。この頃になると貴族や上流階級の邸宅には襖がかなり普及していたと判断できる。

『源氏物語』が書かれてから凡そ100年のちの藤原隆能の描いた『源氏物語絵巻』は、濃い色彩を塗り重ねていく、つくり絵の独特の優美な日本最古の絵巻物語である。人物は下ぶくれの顔に細い横線を引いて目とし、鼻を鉤かぎ状に描く「引目鉤鼻」の手法で描かれ、家屋は屋根や天井を省略した吹抜け屋台となっている。この絵巻物によってで室内の様子がよく判り、衝立、几帳、簾、蔀、屏風など建具の使用状や、襖障子に大和絵が描かれているのが分かる。

宿木」の巻では、清涼殿朝餉の間には大和絵の襖障子と、銀地に流水飛鳥の図を描いた副障子(可動式の壁として使用した、嵌め込み式の襖障子の一種)が描かれている。「東屋」の巻では、浮舟の住まう三条の小家の縁側には、遣戸が見える。

室内の間仕切りに襖障子が使用されているが、姫君の座している側にはかならず几帳が置かれ、個性を演出する織物が使用されていて、部屋をさらに細分化して使用するための重要な隔ての役割を演出している。華麗な室内意匠は実に王朝絵巻にふさわしい。外回りの隔てには、明かり取りに簾や格子も多く見受けられるが、要所には舞良戸が使用されている。

帝やその他位高き男性の側には、屏風が描かれている。それぞれの建具にそれぞれの役割とインテリアとしての意匠や象徴的意味が込められているようだ。この時代の襖障子は、板戸用の骨太い組子桟に、絹裂地(きれじ)張りであった。開閉の為、引き手として太い総(ふさ)や、戸締まり用の懸金(かけがね)が付けられていた。そして多くは絵師による絵付けが施されていた。当時の一間は3mであり、2枚引違いにすると現在の建具の倍近い巾があった。しかも大工道具が未発達で台鉋もない時代で、骨太い組子しか作れなかった為、今日から考えると実に武骨で大変重い建具であったと思われる。

現存最古の襖は、建久8年(1197年)に建立されたと伝えられる、高野山金剛峯寺不動堂の内陣と外陣の境にたてられている襖である。ただ上張りも下張りも張り替えられており、当時のものは襖の骨組みだけである。ヤリ鉋で仕上げられた組子骨は太く、見付け3cm見込み2cmの桧造りで、縦骨が4本、横骨が7本組まれている。しかも現在の組子と同じ縦横の骨を交互に組付ける地獄組で、大変手のこんだ作り方であるという。
襖としつらい

平安時代寝殿造の内部は、丸柱が立ち並ぶだけの、構造的な間仕切りが無い、板敷きの床の大広間形式であった。開放的な空間を、住む人の日常生活の都合や、季節の変化や年中行事の儀礼や接客饗宴などに応じて、几帳や屏風や障子などによって内部を仕切り、帳台や畳その他の調度を置いて、その都度適切な空間演出を行った。このような室内の設営を「しつらい」と呼んだ。

「しつらい」には「室礼」とか「舗設」などの漢字を当てている。やまと言葉としての「しつらい」の「し」は「為(し)」で「する」という意であり、「つらい」は「つれあう」や「つりあう」の意で、その時々の情況に応じて「連れ合う」あるいは「釣り合う」ように「する」ことだという。その時々の季節や住む人の格式や生活様式、行事としての儀式の状況などに調和し融和するように、さまざまな障屏具で「しつらえ」た。「しつらえ」のための主要な間仕切りであった障子が、今日の「ふすま」の原型をなしている。平安時代の寝殿造りの「しつらい」の間仕切りとしては、まず建物の外部と内部との隔てる蔀戸、蔀戸に沿ってかける御簾がある。御簾には外側にかける覆い御簾と内側にかける内簾がある。

冬には御簾の内側に重ねて壁代という帷をかける。室内には、いわば帷で作った衝立ともいえる几帳を置いたり、絹や布地の引き幕に近い間仕切りの引帷や軟障で小空間を間仕切った。


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