複素平面
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この項目では、複素数全体を表す C(実数で考えると平面、複素数で考えると「直線」)について説明しています。複素数を成分とする「平面」C2については「複素数空間」をご覧ください。
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキブックスに複素数平面関連の解説書・教科書があります。複素平面

数学において、複素平面(ふくそへいめん、: Komplexe Zahlenebene, : complex plane)[1]あるいは数平面[2](すうへいめん、: Zahlenebene)、z-平面とは、複素数 z = x + iy を直交座標 (x, y) に対応させた直交座標平面のことである。複素数の実部を表す軸を実軸 (real axis)(実数直線)、虚部を表す軸を虚軸 (imaginary axis) という。

1811年頃にガウスによって導入されたため、ガウス平面 (Gaussian plane) とも呼ばれる[3]。一方、それに先立つ1806年に Jean-Robert Argand(英語版)も同様の手法を用いたため、アルガン図 (Argand Diagram)[4] とも呼ばれている。さらに、それ以前の1797年の Caspar Wessel(英語版)の書簡にも登場している。このように複素数の幾何的表示はガウス以前にも知られていたが、今日用いられているような形式で複素平面を論じたのはガウスである[3]。三者の名前をとってガウス・アルガン平面、ガウス・ウェッセル平面などとも言われる[3]

英称 complex plane の訳として複素数平面と呼ぶことも少なくないが[5]、大学以上の数学書では『複素平面』または『ガウス平面』の方が〔複素数平面よりも〕圧倒的に主流であるとの見解がある[6]。しかし、接頭辞「複素?」を「係数を複素数体とする」という意味に解釈すると、複素数を成分とする「平面」という意味になり、C2(実部と虚部に分けると実4次元線形空間)[注釈 1](二次元複素解析空間)を指すので、文脈によってどちらを指しているかは注意が必要である。1997年以降[7]、日本の高等学校の学習指導要領では「複素数平面」が用いられている。
概観

複素数 z = r(cos⁡α + i sin⁡α)(r ? 0, α は実数)に cos⁡β + i sin⁡β(β は実数)を掛けると、z の偏角が β 増える。このことから、虚数単位 i = cos⁡.mw-parser-output .sfrac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .sfrac.tion,.mw-parser-output .sfrac .tion{display:inline-block;vertical-align:-0.5em;font-size:85%;text-align:center}.mw-parser-output .sfrac .num,.mw-parser-output .sfrac .den{display:block;line-height:1em;margin:0 0.1em}.mw-parser-output .sfrac .den{border-top:1px solid}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}π/2 + i sin⁡π/2 は、実数直線における実数単位 1 を原点中心、反時計回りに 90° 回転した位置にあると考えることができる。そこで、実数直線を拡張し、実軸と虚軸からなる座標平面を導入すると、複素数の演算が幾何学的な操作に対応し、見通しが良くなる。この平面を複素平面という。複素平面では、複素数の実部、虚部が点(位置ベクトル)のそれぞれ x座標(x成分)、y座標(y成分)に対応する。

絶対値は、複素平面においては、その複素数が表す点と原点 O(0) の距離に等しい。複素共役は、実軸対称に当たる。

複素数 z を直交座標表示すると、z = x + yi(x, y は実数)となり、加法減法実数倍(英語版) は、幾何学的には平面上の平行移動および原点中心の拡大縮小(英語版)に対応する。z を極形式表示すると、z = r(cos⁡θ + i sin⁡θ)(r ? 0, θ は実数)となり、ド・モアブルの定理より、乗法除法冪乗は原点中心の θ 回転に対応する。

複素数を、複素数への左からの[注釈 2]作用と考えると、平面 R2 上での原点を動かさない反転や回転を含む線型変換(一次変換)を引き起こす。この一次変換の表現行列は、複素数の実二次正方行列としての実現と考えることができる。

複素数の代数的演算により、ガウス平面上で平行移動と任意の一次変換が行えるから、したがって任意のアフィン変換を施すことが可能である。ここで、ガウス平面に無限遠点を付け加えて1点コンパクト化し、ガウス平面を拡張したリーマン球面(補完数平面)上で考えると、複素数 x + iy はリーマン球面上の点 [x : y : 1] と見なせる。リーマン球面上のアフィン変換は一次分数変換であり、複素数をアフィン変換の表現行列として実現することもできる。
導入

歴史上、複素平面のアイデアをはじめて発表したのは、当時デンマークの支配下にあったノルウェー生まれの測量技師、Caspar Wessel(英語版)(1745?1818)だといわれている。Wesselは、虚数および複素数を測量技師の仕事に役立てるための研究を独自に行った。その結果、今でいう複素平面のアイデアにたどり着き、それを『方程式解析的表現について』と題する論文にまとめて1799年に発表した。またその2年前の1797年には、同じ内容をデンマーク科学アカデミーに発表している。しかし、これらの発表はデンマーク語で行われたものだった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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