製図
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作図中の製図工技術図面のコピー(1973年)

製図(せいず, drafting, drawing)とは、器具を用いて図面を製作することである。

物体等の機能や構築状況を視覚的に伝える作図の作法および規律。
概要

技術図面は、産業界で工学のアイデアを伝えるために不可欠である。このため図面を理解しやすくするために、共通のシンボル、パースペクティブ、測定単位、表記法システム、ビジュアルスタイル、およびページレイアウトを使用する。このような慣習によって視覚的言語を構成し、図面が明確で理解しやすいことを保証するのに役立つ。技術図面の記号と原則の多くは国際標準と呼ばれるISO 128で体系化されている。

機能文書の作成における正確なコミュニケーションの必要性は、技術的描写と視覚芸術の表現的描写とを区別する。芸術的な図は主観的に解釈され、その意味は複数決定される。このため技術図面は、1つの意図された意味を有すると理解される[1]

製図の描画力(技術や表現力)は製図工、製図専門家、もしくは作製者による。技術図面を作成する専門の作製者は、製図技術者と呼ばれることもある。
解説

製図は物(建築物、機械電気回路など)を作るにあたって、その物の形を詳細に示すために描かれる。設計者と製作者が異なる場合、製図は設計の意図を伝えるために極めて重要な情報である。そのため、製図する際には日本産業規格(JIS)などによって規格化されており、の種類や描き方に意味が定められている。

また、製図と言っても建築製図、機械製図、電気製図など様々な種類があり、それぞれに規格も異なる。

製図を行う際は、製図用の鉛筆三角定規コンパス分度器等が必要であるが、近年はコンピューターを利用した製図(CAD)も普及している。

物を表す用途に応じて線の太さ、種類は使い分けされる。
線の太さ

線の太さは、0.13mm, 0.18mm, 0.25mm, 0.35mm, 0.5mm, 0.7mm, 1mm, 1.4mm, 2mmのいずれかとする[注釈 1]。また、極太線、太線、細線の太さの比は4:2:1とする[2]。従って、線の太さの可能な組合せは以下の表になる。

極太線太線細線
0.5mm0.25mm0.13mm
0.7mm0.35mm0.18mm
1mm0.5mm0.25mm
1.4mm0.7mm0.35mm
2mm1mm0.5mm

太線中線細線仮線(手描きの場合)
線の種類

実線(連続した線)

破線(短い長さの線を並べたもの)

一点鎖線(線と1つの点を交互に並べたもの)

二点鎖線(線と2つの点を交互に並べたもの)

破断線ジグザグ線心電図のような線))

線の用途.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}この節には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字が含まれています(詳細)。
外形線
品物の見える部分の形状を表すのに用いる。
寸法線
寸法を記入するのに用いる。
寸法補助線
寸法を記入するために図形から引き出すのに用いる。
引出線
記述・記号などを示すために引き出すのに用いる。
中心線
図形の中心線を簡略に表すのに用いる。UnicodeのU+2104として登録されている。

記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称
℄U+2104-℄
℄CENTRE LINE SYMBOL

隠れ線
品物の見えない部分の形状を表すのに用いる。
破断線
品物の一部を破った境界、または一部を取り去った境界を表すのに用いる。
切断線
断面図をえがく場合、その断面位置を対応する図に表すのに用いる。
ハッチング
図形の限定された特定の部分を他の部分と区別するのに用いる。
手法と道具昔の技術的製図道具ドラフター製図用具のセットDIN規格の技術図面レタリング用ステンシル

ドラフター

平行定規

製図用シャープペンシルシャープペンシル

製図ペン

カラス口

コンパス

テンプレート (円、楕円、文字、記号など)

ディバイダ

分度器

楕円分度器

消しゴム

字消板

三角定規

三角スケール

勾配定規

雲形定規

自在曲線定規

スライダー

パンタグラフ

基本的な図面作成手順としては、まず直角のコーナーと直線の側面(一般的にはドローイングボード)を備えた滑らかな表面に用紙(または他の材料)を配置する。次に、T定規として知られている滑りストレートエッジを一方の側に設置し、テーブル面を横切らせ、また紙の表面上を滑らせる。

「平行線」は、T字型の定規を動かし、鉛筆やテクニカルペンを T字型定規に沿って動かすだけで簡単に描くことができる。またT形は、設定された平定規や三角定規などの他の道具を保持するためにも使用される。この場合、ドラフターは、既知の角度をもつ1つ以上の三角定規をテーブルの端から直角のT定規に配置し、任意の角度で用紙面上に他の角度の線を引くことができる。現在の製図用テーブルには、テーブルの両側で固定支持されたドラフトマシンが装備されており、大量の紙の上を摺動する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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