裸子植物
オウシュウトウヒ Picea abies
界:植物界 Plantae
上門:陸上植物上門 Embryophyta
門:維管束植物門 Tracheophyta
階級なし:木質植物 Lygnophyta
亜門:種子植物亜門 Spermatophytina
上綱:"裸子植物上綱" "Gymnospermae"
学名
"Gymnospermae" Lindl. (1830)
シノニム
Gymnospermophyta[1]
Pinophyta[2]
英名
Gymnosperm
下位分類
本文参照
裸子植物(らししょくぶつ、英語: gymnosperms、学名:Gymnospermae)は、胚珠が心皮によって包まれず、露出状態になっている種子植物である[3][4][5]。3.8億年前の中期デボン紀に出現し、種子植物の中で、祖先的な特徴を持つ[6]。
本項で示す「裸子植物」は、西田 (2017) で示される、裸子段階の種子植物を含む群として扱う[7]。
現生裸子植物は旧来ソテツ類、イチョウ類、針葉樹類(マツ類 + ヒノキ類; 球果類[8][4]・球果植物[9][10]とも)、グネツム類の4群に分けられ[5]、合わせて単系統群を形成する[3][7][11][12][13][14][15][16][17]。しかし、分子系統解析による決着がつくまでは、現生裸子植物は側系統だと信じられており、特にグネツム類は被子植物と姉妹群をなすという考えも強く[12][18]、それぞれの群の類縁関係についても議論が多かった[19]。また、分子系統解析から、グネツム類はマツ類と姉妹群をなすと考えられ、針葉樹類の内群となる[12]。現在では、グネツム類と被子植物の多くの類縁性は収斂であるとみなされている[20]。
化石裸子植物を含めると裸子植物は側系統となる[11][12]。
学名と分類階級「#分類史」も参照
学名 Gymnospermaeは、「包まれた種子」を表す Angiospermae 「被子植物」に対し、「裸の種子」を示しているギリシャ語"γυμν?σπερμο?に由来する[21][22][23]。「裸子植物 gymnosperms」という語を始めに用いたのは1703年頃、ジョン・レイであった[23]。
Gymnospermae Lindl. (1830) という学名ははじめ、ジョン・リンドリーが著書 An Introduction to the Natural History of Botany (1830) の中で名付けたものである[2]。プラントルが門の階級に置いた(divisio Gymnospermae Plantl (1874))[2][24]。アウグスト・アイヒラーによる伝統的分類 (1883) でも門の階級に置かれ、葉状植物(藻類 + 菌類)、コケ植物、シダ植物、被子植物とともに「裸子植物門 divisio Gymnospermae」として扱われてきた[25]。その後、アドルフ・エングラーの体系に改善を加えた新エングラー体系(Hans Melchior & Erich Werdermann, 1954, Syllabus der Pflanzenfamilien, 12th edition)では種子植物の中の亜門、「裸子植物亜門 subdivisio Gymnospermae」に置かれた[26]。
クロンキスト、タハタジャン、ツィンマーマン (1966) らは、タイプ属 Pinus L. (1753)(マツ属)に基づき、裸子植物をdivisio Pinophyta Cronquist, Takht. & W.Zimm. (1966)と名付けた[2]。
Cantino et al. (2007) ではPhyloCodeに基づき、クレードに命名しているが、裸子植物は多系統群であるため、共有派生形質クレードとしての種子植物 Apo-Spermatophyta P.D. Cantino & M.J. Donoghue (2007) の部分的シノニムと解釈される[27]。