衛星インターネットアクセス
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衛星インターネットアクセス (Satellite Internet access) は、人工衛星を介したインターネットアクセスである。2014年現在の衛星インターネットアクセスは、静止衛星を用いて世界中の人に最高18Mbpsにも達する高速のデータ速度を提供できる。
目次

1 歴史

2 挑戦と限界

2.1 シグナルのレイテンシ

2.1.1 低レイテンシには不向きな静止衛星

2.1.2 低レイテンシ、低速の低軌道

2.1.3 超軽量航空機の衛星としての利用


2.2 雨による減衰

2.3 見通し線

2.4 フレネル帯


3 衛星の打上げ

4 出典

5 関連項目

歴史

1957年10月のソビエト連邦による最初の人工衛星スプートニク1号の打上げに続き、アメリカ合衆国1958年エクスプローラー1号の打上げに成功した。最初の通信衛星は、ベル研究所の製造したテルスター1号で、1962年7月に打ち上げられた。静止衛星のアイデアは、1945年にSF作家のアーサー・C・クラークによって提案された。静止軌道に達した最初の人工衛星は、ヒューズ・エアクラフトが製造したシンコム3号で、1963年8月19日に打ち上げられた。その後多くの改良や調整が行われ、インターネットとワールドワイドウェブの発明の後、Ka帯が人工衛星用に開放されたこともあり、静止衛星はインターネットサービスを提供する代替手段として考えられるようになった。1993年12月、ヒューズ・エアクラフトは連邦通信委員会からKa帯を用いる最初の人工衛星スペースウェイを打ち上げる認可を得た。1995年、連邦通信委員会はより多くのKa帯人工衛星の参入を求め、エコスター、ロッキード・マーティンモトローラ等を含む15社が認可を得た。

その中のテレデシックは、非常に野心的であり、マイクロソフト等から出資を受けた90億ドルの計画であったが、最終的には失敗した。そのアイデアは、Ka帯を用いる数百機の人工衛星でブロードバンド衛星コンステレーションを構築するというものであり、100Mbpsものダウンロード速度を安価で提供できるとされた。この計画は2003年に中止され、Ka帯を用いる人工衛星は2000年代になるまで打ち上げられなかった。

これとほぼ同時期の1999年1月、日本でNTTサテライトコミュニケーションズが「MegaWave」の名称で衛星インターネットの試験サービスを開始(正式なサービス開始は同年6月)。これは下り回線のみJSATの衛星を用い、上り回線については通常の電話回線等を用いるものだった。ただし少数のユーザが帯域を占領するなどの問題が発生し採算的にも問題が生じたため、2000年9月30日でサービスを終了している[1]

民生用としてインターネットの双方向通信に対応した最初の人工衛星は、2003年9月27日にユーテルサットによって打ち上げられた[2]

その後、今日でも残っている2大企業であるワイルド・ブルーとヒューズ・ネットを含む他のサービスが後に続いた。ワイルド・ブルーは2009年にビアサット[3]に、ヒューズ・ネットは2011年にエコスターに事業を引き継がれた[4]

2011年のビアサットのビアサット1号、2012年のヒューズ・ネットのジュピター等に搭載された新しい装置によって、衛星インターネットの速度がかなり速くなった。新しい衛星は、ダウンロード速度が1-3Mbpsから12-15Mbps以上に増加した。改良されたサービスはダイヤルアップDSL、これまでの人工衛星等の遅いインターネットアクセスしかできなかった地方の住民にとって朗報となった[5]

後述する技術的な限界により一時期下火になっていたが、2010年代の技術革新により再び新規参入の兆しが見られており[6]2019年時点ではワンウェブ社やスペースX社のスターリンクが打ち上げを進めている。
挑戦と限界 ワイルド・ブルーのアンテナ
シグナルのレイテンシ

レイテンシはデータの要求からその応答までに要する時間であり、一方向通信の場合にはシグナルを放送した瞬間からそれが受信されるまでの間の時間である。
低レイテンシには不向きな静止衛星

静止軌道は赤道直上で離心率はゼロに近く、地球の自転周期と同じ周期を持つ地球同期軌道である。静止軌道上の物体は、地上の観測者からは全く動かず一定点に留まっているように見える。通信衛星や気象衛星は静止軌道が使われることが多い。常に緯度0°上にあり、円軌道を描いているため、静止軌道の位置は経度のみしか変わらない。

地上通信と比較すると、全ての静止衛星通信は静止軌道までの35,786kmを往復する必要があるためにレイテンシが高くなる。光速であったとしても、この遅れは大きなものになり、他の全ての遅れを無視しても約250ミリ秒となる[7]。衛星は空の一点にいるため、遅れの最小値は変化する。衛星が真上にある場合は239.6ミリ秒、地平線近くにある場合は279.0ミリ秒となる[8]

インターネットのパケットにとって、応答を受け取るまでにこの遅れは2倍になり、それが理論的な最小値となる。その他の遅れの要因を考えると、ユーザからISPまでの片方向のレイテンシが500ミリ秒から700ミリ秒、ユーザに返るまでの合計のラウンドトリップタイム (RTT) が1000ミリ秒から1400ミリ秒となる。これは、ほとんどのダイヤルアップ接続の150ミリ秒から200ミリ秒、ケーブルVDSL等の高速サービスの15ミリ秒から40ミリ秒という合計レイテンシよりもかなり大きい[9]

静止衛星ではレイテンシを減少させる方法はないが、TCP accelerationを用いて送信側と受信側の間のフィードバックループを分割することで、パケット当たりのRTTを短くすることができる。この技術は新しい衛星インターネットサービスには通常用いられている。

レイテンシは、ウェブサーバとクライアントの間で膨大なデータのやりとりを必要とするSSLのような安全なインターネット接続の開始にも影響を与える。1つ1つのデータの断片は小さいものの、多くのラウンドトリップを必要とすることで他の形のインターネットアクセスと比べて長い遅延が発生する。SaaSやその他の形のオンラインサービスを使う場合にも同様の問題が発生する。
低レイテンシ、低速の低軌道

中軌道、低軌道の人工衛星では、そのような大きな遅延は起こらない。例えば、


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