行政書士法人
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行政書士
英名 Certified Administrative Procedures Legal Specialist
[1]
資格種類国家資格
分野法律
試験形式筆記試験
認定団体総務省
等級・称号行政書士
根拠法令行政書士法
公式サイト一般財団法人行政書士試験研究センター
ウィキプロジェクト 資格
ウィキポータル 資格
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行政書士(ぎょうせいしょし)とは、行政書士法に基づく国家資格で、官公署[注釈 1]への提出書類および権利義務事実証明に関する書類[注釈 2]の作成、提出手続、行政書士が作成した官公署提出書類に関する行政不服申立て手続(特定行政書士(後述)の付記がある者に限る)等の代理、作成に伴う相談などに応ずる専門職で、職務上請求を行うことができる八士業の一つである。徽章コスモスに「行」の字[2]
概要

行政書士法(昭和26年法律第4号)には、1997年平成9年)に目的規定(第1条[注釈 3])が追加され、その後の改正も含め、行政書士制度の目的が「国民の権利利益の実現」であることが明確化された。     行政書士徽章

行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(電磁的記録を含む)および権利義務事実証明に関する書類に関して、法律に基づき作成、作成・提出を代理または代行(使者 (法律用語))し、加えて、当該書類作成に伴う相談に応ずることを業とする。また、特定行政書士(後述)の付記がされた者は、これらの他に行政書士が作成した官公署提出書類に関する行政不服申立て手続等の代理、およびその手続について官公署に提出する書類を作成することを業とすることができる[2]

行政書士が作成する書類は、簡単な届出書類から複雑な許認可手続に至るまで多岐にわたり、3000種類に及ぶと言われる[2]。許認可などの申請書・添付書類など行政機関に提出する書類のほかに、契約書定款など権利義務・事実証明に関する書類を作成する[2]。また、それらの書類を作成する際の相談にも応じる[2]。代表的な例としては、新車を購入した際の登録手続、飲食店や建設業を開業する際の許認可手続、法人設立のために認可を要する際の認可手続および定款認証手続・議事録等の作成(登記手続は除く。また登記が効力要件になっている法人設立は除く。)、外国人の在留資格の更新および変更手続などが挙げられる[2]

行政書士の職域は、土地家屋調査士司法書士社会保険労務士などが扱う職域との関連が深い。そのため、これらの資格を取得し、兼業する行政書士も少なくない[2]。取り扱う書類に関する実務的知識と理解力は、業務を遂行する上で必須である[2]建設業法不動産および農地などに関する法令の習熟も求められる[2]。書類を作成するうえで、要旨を的確に表現する文章力も欠かせない[2]

就業者の大部分は、中高年の男性である[2]。また、税理士土地家屋調査士社会保険労務士司法書士宅地建物取引士などの他士業との兼業者は半数以上占めている[2]

近年、官公署に提出する書類は簡素化される傾向にあり、行政サービスの向上も伴って、官公署に提出する書類のうち簡易なものは本人が容易に作成し提出できるようになった[2]。そのためこれからの行政書士は、高度な専門知識を必要とする書類作成へ関与を深めてゆくことになるであろうと予想される[2]

厚生労働省の職業分類表では、行政書士は「法務・経営・文化芸術等の専門的職業 」(03)の「その他の法務・経営・文化芸術等の専門的職業」(020)の「他に分類されない法務・経営・文化芸術等の専門的職業」(020-99)と分類される[3]総務省の日本標準職業分類では、「他に分類されない専門的職業従事者」(249)と分類される[4]。同じく総務省の日本標準産業分類では、行政書士事務所(7231)は「学術研究,専門・技術サービス業」(大分類 L)の「専門サービス業(他に分類されないもの)」(中分類 72)と分類される[5]

英名には様々あり、Certified Administrative Procedures Specialistや、Administrative Scrivener、Immigration Lawyerなどが使われている。法務省の日本法令外国語訳データベースシステムでは、Certified Administrative Procedures Legal Specialistと訳されている。
資格・登録

行政書士となるためには、下記に掲げる一定の資格を得た上で、各都道府県の行政書士会を経由して、日本行政書士会連合会の登録を受ける必要がある。
行政書士となる資格

次の各号のいずれかに該当する者は、行政書士となる資格を有する[6]

一 行政書士試験に合格した者

二 弁護士となる資格を有する者

三 弁理士となる資格を有する者

四 公認会計士となる資格を有する者

五 税理士となる資格を有する者

六 又は地方公共団体公務員として行政事務を担当した期間及び行政執行法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人をいう。以下同じ。)又は特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第2項に規定する特定地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上(学校教育法(昭和22年法律第26号)による高等学校を卒業した者その他同法第90条に規定する者にあつては17年以上)になる者

◎ 行政事務の解釈(昭和二十六年九月十三日 地自行発第二七七号 各都道府県総務部長宛 行政課長通知)一 「行政事務」とは、単に行政機関の権限に属する事務のみならず、立法乃至司法機関の権限に属する事務に関するものも含まれるものと広く解釈することができる。従って、この場合国会職員、裁判所の事務職員等の行う事務は含まれると解すべきである。又、単なる労務、純粋の技術、単なる事務の補助等に関する事務は含まれないものと解される。二 「行政事務」を担当する者であるかどうかの判別は次の基準によることが適当である。(一)文書の立案作成、審査等に関連する事務であること。(文書の立案作成とは必ずしも自ら作製することを要せず、広く事務執行上の企画等をも含む。)(二)或程度その者の責任において事務を処理していること。三 以上により「行政事務」を担当する者であるかどうかについて具体的に例示すれば次の通りである。(一)地方公務員法附則第二十一項に規定する単純な労務に雇傭される職員は該当しない。(二)民生委員についても該当しないものと解すべきである。(三)消防組織法第十一条の規定による消防吏員で二の事務を行う者は該当するものと解せられるが、同法第十五条の二の規定による消防団員は該当しない。(四)警察法第三十五条の規定による警察吏員で二の事務を行う者は該当するものと解せられる。(五)地方公共団体の議会の職員は該当しない。(六)選挙管理委員、監査委員、教育委員、農地委員その他法令または条例に基づく委員会(いわゆる行政委員会)の委員は該当するものと解される。(七)地方公共団体の経営する病院の医師で衛生行政に関与しないものは該当しない。(八)教育公務員については、一般に該当しないものと解せられるが、いわゆる教育行政に関与する地位にある者は、すなわち、学長、校長、教頭、部局長、教育長等は該当するものと解せられる。教育委員会の事務職員については、一・二により判断さるべきであろう。(九)地方公共団体の議会の書記は該当するものと解する。(十)軍人であった者については、一般の兵は該当しないが、いわゆる軍事行政に関係がある者、例えば陸軍省、連隊区司令部、連隊本部、中隊事務室等に勤務していた者で二の事務を行なっていた者は該当するものと解することができる。
欠格事由

次のいずれかに該当する者は、上記にかかわらず、行政書士となる資格を有しない[7]

未成年者

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

禁錮以上の刑に処せられた者で、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなってから3年を経過しない者

公務員(行政執行法人または特定地方独立行政法人の役員または職員を含む)で懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から3年を経過しない者


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