血煙高田の馬場
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

1928年のサイレント映画「血煙高田馬場」とは異なります。

血煙高田の馬場
戦後短縮版『決闘高田の馬場』
トップタイトル。
監督マキノ正博
稲垣浩 (共同名義貸しのみ)
脚本牧陶三
原作牧陶三
出演者阪東妻三郎
音楽高橋半
撮影三井六三郎
石本秀雄
製作会社日活京都撮影所
配給 日活
第65回ヴェネツィア国際映画祭
第34回ナント三大陸映画祭
公開 1937年12月31日
1952年 (再公開)
2008年8月27日
2011年11月20日
上映時間57分 / 51分 (再公開)
製作国 日本
言語日本語
テンプレートを表示

『血煙高田の馬場』(ちけむりたかだのばば)は、1937年(昭和12年)製作・公開、マキノ正博監督による日本の中篇劇映画である[1]第二次世界大戦後の1952年(昭和27年)、51分に短縮され、『決闘高田の馬場』(けっとうたかだのばば)として再公開された[2]
ストーリー歌川広重描く江戸時代の高田の馬場(1857年)。詳細は「高田馬場の決闘」を参照

元禄7年春。江戸・八丁堀の長屋で暮らしている武士の中山安兵衛(阪東妻三郎)は酒好きで喧嘩好き。長屋では「先生」と呼ばれて人気者だが、ただひとり苦手なのが牛込に住む叔父の菅野六郎左衛門(香川良介)。喧嘩の現場を叔父に見つかり、長屋で説教をされてしまう。他に肉親のない菅野は安兵衛のことを案じていた。

菅野は剣術の御前試合で村上庄左衛門(尾上華丈)に勝ったことから彼に恨まれ、江戸郊外・戸塚村高田馬場で果し合いをすることになってしまう。

当日、菅野は安兵衛の長屋を訪れるが、安兵衛はいつものように喧嘩と酒で仲間と楽しく過ごし、帰ってこない。果し合いの刻限が迫り、叔父は安兵衛に書き置きを残し、長屋の住人たちに挨拶して出て行く。

やがて帰ってきた安兵衛は、長屋の者たちにせかされて渋々書き置きを読み始めるが、ことの次第を知ると血相を変え、高田馬場めがけて全速力で走り出す。その後を長屋の住人たちが幟を掲げ、応援のために追いかけていく。

安兵衛が高田馬場に到着すると、村上兄弟とその一味の中津川祐範(瀬川路三郎)らの多勢に無勢で闘った叔父は、すでに瀕死である。自らへの悔恨と村上らの卑怯さに怒り狂った安兵衛は、踊るように跳ねるように斬って斬って斬りまくる。とり囲んだ群衆の大声援を浴びつつ十八人斬りの末に叔父に駆け寄ればすでに叔父に息はない。周囲からは安兵衛の快挙に歓声が沸くが、立ち尽くす安兵衛の胸には悔恨と空虚さが残った。
キャスト

阪東妻三郎 - 中山安兵衛

市川百々之助 - 大工の熊公(長屋住人)

伊庭駿三郎 - 八卦屋の天眼(長屋住人)

志村喬 - 講釈師 楽々亭貞山(長屋住人)

香川良介 - 菅野六郎左衛門(安兵衛伯父)

市川正二郎 - 若党 武助(菅野家使用人)

藤川三之祐 - 堀部弥兵衛(堀部家)

久米譲 - 小野寺十内(弥兵衛友人)

瀬川路三郎 - 中津川祐範(村上一派)

尾上華丈 - 村上庄左衛門(村上一派)

阪東国太郎 - 舎弟 次郎太(村上一派)

片岡松燕 - 松平右京太夫(御前試合の殿様)

団徳麿 - 川瀬源次兵衛(ゲンテキ)

島田照夫 - 羽賀甚介

磯川勝彦 - 伊勢屋の主人(侍に因縁をつけられる両替商)

仁礼功太郎 - 松川佐十郎(伊勢屋に因縁をつける本所の侍)

葉山富之輔 - 河童の勘右ヱ門

湊武男 - 乾児 八五郎

若松文男 - 鐘鬼の庄太郎

瀬戸一司 - 乾児 清吉

石川秀道 - 仲間 甲

志茂山剛 - 仲間 乙

加藤弘郎 - 弥八

大倉多一郎 - 酒屋の亭主

大倉千代子 - 弥兵衛の娘 お妙(堀部家)

小松みどり - 乳母 お勝(堀部家)

滝沢静子 - お勘婆さん(長屋住人・糊売り)

原駒子 - 熊公女房 お才(長屋住人)

スタッフ

監督 :
マキノ正博稲垣浩(共同名義貸しのみ)

原作・脚色 : 牧陶三

撮影 : 三井六三郎、石本秀雄

音楽 : 高橋半

録音 : 海原幸夫

作品データ

製作 :
日活京都撮影所

上映時間(巻数 / メートル) : 57分(7巻 / 1,572メートル)[1] / 51分 (1,377メートル、再公開短縮版『決闘高田の馬場』)

フォーマット : 白黒映画 - スタンダードサイズ(1.37:1) - モノラル録音

映倫番号 : S-185 (1952年、再公開短縮版『決闘高田の馬場』)

公開日 : 日本 1937年12月31日 イタリア 2008年8月27日 フランス 2011年11月20日

配給 : 日活 イタリア 第65回ヴェネツィア国際映画祭 第34回ナント三大陸映画祭

初回興行 : 千日前常盤座

製作最後の高田の馬場での剣戟シーンのスチル写真。主人公の中山安兵衛(阪東妻三郎)。安兵衛の闘いを見守る群衆、左から小松みどり大倉千代子藤川三之祐志村喬原駒子…。

1937年(昭和12年)4月にマキノトーキー製作所を解散し、比佐芳武の書いた吉川英治原作の『恋山彦』の脚本を携えて、同じ京都・太秦日活京都撮影所に入社し[3]、『恋山彦』前篇・後篇を含めて7本目の監督作品が、本作である[4]。主演の阪東妻三郎も、自らの製作会社阪東妻三郎プロダクションを閉じ、同年に同撮影所に入社し、マキノの監督した『恋山彦』前篇・後篇に主演、巨匠・池田富保監督、山本嘉一主演の『水戸黄門廻国記』での佐々木助三郎役、マキノ正博監督の『国定忠治』、稲垣浩監督の『飛竜の剣』での主演を経て、日活入社後初の正月作品であった[5]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:53 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef