血小板減少
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血小板減少(症)
別称Thrombocytopaenia, thrombopenia

血小板が減少した血液の顕微鏡写真
概要
診療科Hematology
原因Bone marrow not making enough, body destroying platelets, spleen holding too many platelets[1]
診断法Complete blood count[1]
治療None, immunosuppressants, platelet transfusion, surgical removal of the spleen[1]
分類および外部参照情報
Patient UK血小板減少(症)
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血小板減少症(Thrombocytopenia)は、血液中の血小板が異常に少ない事を特徴とする病態である[2]。血小板減少症は、集中治療患者に最も多く見られる凝固障害であり、内科系患者の20%、外科系患者の3分の1に見られる[3]

ヒトの血小板数の正常値は、血液1μLあたり150,000?450,000個である[4]。この範囲外の値は必ずしも疾患を示すものではなく、緊急治療が必要な血小板減少症の一般的な定義は、血小板数が50,000/μL以下である[5]。血小板減少症は、血液中の血小板数が異常に多い状態である血小板血症(Thrombocythemia,原因不明の場合)や血小板増加症(Thrombocytosis,原因判明の場合)と対比される[6][7]
徴候・症状血小板減少症による下腿部の点状出血敗血症性ショックの患者の血小板減少による右上肢の紫斑

血小板減少症は通常、症状を伴わず、定期的な全血球算定(英語版)で発見される。血小板減少症の患者の中には、鼻血や歯茎出血などの外出血を経験する患者もいる。女性では、生理が重く長くなり、破綻出血する事もある。痣、特に前腕の紫斑や、足、脚、粘膜の点状出血は、皮下の自然出血が原因である可能性がある[8][9]

血小板数の低下が他の疾患に起因するものではない事を確認する為には、充分な病歴を聴取する事が重要である。また、赤血球白血球などの他の血球が抑制されていない事の確認も重要となる[8]。痛みを伴わない丸く小さな(直径1?3mm)の点状出血は、通常、現れては消えていき、時には、集まって斑状出血を形成する。斑状出血は、点状出血よりも大きく、紫色、青色、黄緑色の皮膚の部分で、大きさや形は様々である。体の何処にでも発生する可能性がある[8]

また、この疾患の患者は、倦怠感疲労感、全身の脱力感を訴える事がある(出血を伴う場合も伴わない場合もある)。後天性血小板減少症は、特定の薬剤の使用に関連しているケースがある。診察では、一般的に出血の痕跡(点状出血または斑状出血)が認められ、傷口からのゆっくりとした持続性の出血も見られる。成人の場合、口の中に血液の詰まった大きな水疱が出来る事がある[10]。血小板数が30,000?50,000/mm3の場合は、軽度の外傷による打撲が予想される。15,000?30,000/mm3の場合は、自発的な打撲が見られる(主に腕や脚)[11]
成因

血小板減少症には、先天性のものと後天性のものがある[12]
血小板産生減少

血小板の産生量が異常に少ない場合は、以下の原因が考えられる[13]

脱水症状ビタミンB12または葉酸の欠乏

白血病骨髄異形成症候群再生不良性貧血

肝不全における肝臓でのトロンボポエチン産生低下

敗血症、全身のウイルスまたは細菌感染

レプトスピラ症

遺伝性症候群[14]

ACTN1(英語版)関連血小板減少症

橈尺骨癒合症(英語版)を伴う無巨核球性血小板減少症

ANKRD26(英語版)関連血小板減少症

常染色体優性血小板減少症

ベルナール・スリエ症候群(巨大血小板症(英語版)を伴うもの)

先天性無巨核球性血小板減少症(英語版)

先天性無巨核球性血小板減少症および橈尺骨癒合症

CYCS 関連血小板減少症

エプスタイン症候群(英語版)(巨大血小板症(英語版)を伴うもの)

ETV6関連血小板減少症

ファンコーニ貧血

フィラミン関連筋原線維性ミオパチーA

FYB(英語版)関連血小板減少症

グランツマン血小板無力症

先天性血小板減少症を伴うGNEミオパチー(英語版)

灰色血小板症候群(英語版)(巨大血小板症(英語版)を伴うもの)

ハリス血小板症候群(英語版)(巨大血小板症(英語版)を伴うもの)

巨大血小板性血小板減少症および難聴

メイ・ヘグリン異常症(英語版)(巨大血小板症(英語版)を伴うもの)

MYH9(英語版)関連疾患(巨大血小板症(英語版)を伴うもの)

PRKACG(英語版)関連血小板減少症

パリ・トルーソー血小板減少(英語版)/ヤコブセン症候群(英語版)

セバスチャン症候群

SLFN14(英語版)関連血小板減少症

ストーモーケン症候群

TRPM7(英語版)関連血小板減少症

血小板減少橈骨欠損症候群(英語版)

トロポミオシン4関連血小板減少症

TUBB1(英語版)関連血小板減少症

アップショー・シュールマン症候群(英語版)

ウィスコット・アルドリッチ症候群(英語版)

X連鎖性血小板減少症(英語版)

サラセミアを伴うX連鎖性血小板減少症(英語版)


血小板破壊増加血栓性血小板減少性紫斑病

血小板の破壊率が異常に高い場合は、以下の様な免疫または非免疫疾患が原因である可能性がある[15]

免疫性血小板減少性紫斑病

血栓性血小板減少性紫斑病

溶血性尿毒症症候群

播種性血管内凝固症候群

発作性夜間ヘモグロビン尿症

抗リン脂質抗体症候群

全身性エリテマトーデス

輸血後紫斑病

新生児同種免疫性血小板減少症(英語版)

脾腫

デング熱

ゴーシェ病

ジカウイルス感染

薬剤起因性

下記の薬剤は、直接的な骨髄抑制により血小板減少症を誘発する[16]

バルプロ酸

メトトレキサート

カルボプラチン

インターフェロン

イソトレチノイン

パノビノスタット

H2拮抗薬プロトンポンプ阻害薬

その他の原因

全血球算定検体管に含まれる抗凝固剤
EDTAを原因とする検査値誤差[要出典]。


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