蚕豆
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この項目では、マメ科の植物について説明しています。『そらまめ』をニックネームとする日本のラジオパーソナリティについては「滝良子」をご覧ください。

ソラマメ
ソラマメの花(上)と豆果中のソラマメ(下)
分類APG III

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:真正双子葉類 eudicots
:マメ目 Fabales
:マメ科 Fabaceae
:ソラマメ属 Vicia
:ソラマメ V. faba

学名
Vicia faba L.[1]
英名
Broad bean
Fava bean

そらまめ(全粒、乾)[2]100 gあたりの栄養価
エネルギー1,456 kJ (348 kcal)

炭水化物55.9 g
食物繊維9.3 g

脂肪2.0 g
飽和脂肪酸0.24 g
一価不飽和0.33 g
多価不飽和0.65 g

タンパク質26.0 g

ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテン(0%)5 μg
チアミン (B1)(43%) 0.50 mg
リボフラビン (B2)(17%) 0.20 mg
ナイアシン (B3)(17%) 2.5 mg
パントテン酸 (B5)(10%) 0.48 mg
ビタミンB6(32%) 0.41 mg
葉酸 (B9)(65%) 260 μg
ビタミンE(5%) 0.7 mg
ビタミンK(12%) 13 μg

ミネラル
ナトリウム(0%) 1 mg
カリウム(23%) 1100 mg
カルシウム(10%) 100 mg
マグネシウム(34%) 120 mg
リン(63%) 440 mg
鉄分(44%) 5.7 mg
亜鉛(48%) 4.6 mg
(60%) 1.20 mg
セレン(4%) 3 μg

他の成分
水分13.3 g
水溶性食物繊維1.3 g
不溶性食物繊維8.0 g
ビオチン(B7)12.5 μg
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[3]


単位

μg = マイクログラム (英語版) • mg = ミリグラム

IU = 国際単位

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。

ソラマメ(空豆[4]、蚕豆[4]学名: Vicia faba)は、マメ科一年草または越年草。別名、ノラマメ(野良豆)、ナツマメ(夏豆)[1]、テンマメ(天豆)、シガツマメ(四月豆)[1]、コヤマメ(高野豆)、トウマメ[1]
名称

和名のソラマメの由来は、豆果(さや)が空に向かってつくため「空豆」[5][4]、またはサヤの中の見た目がカイコに似ていることから「蚕豆」という字があてられた[5][4]など諸説ある。酒処では「天豆」と表示している場合も多い。
歴史

北アフリカ[5]地中海カスピ海沿岸[4]、北部アラビア地方[6]の西南アジアが原産地と推測される[7]。また、大粒種はアルジェリア周辺、小粒種はカスピ海南岸が原産地であるとする二源説もある。イスラエルの新石器時代の遺跡からも出土している。インゲンマメが普及する以前は、ソラマメは古代エジプトやギリシア、ローマにおいて食されていた。エジプトトロイ遺跡から化石が出土していることから、世界最古の野菜の一つとされている[4]。古代ギリシアやローマでは、葬儀にソラマメが使われていた[4]。紀元前3000年以降中国に伝播、日本へは8世紀ごろ渡来したといわれている[5][4]。インド僧・菩提仙那が渡日し、行基に贈ったのが始まりともいう。古くから世界各地で栽培され、食用にされている。現在は南米、北米、ウガンダ、スーダン、中華人民共和国などで栽培されている。
特徴

高さ60 - 100センチメートル (cm) ほどになる[8]。秋に播種する。茎は分枝し、1本に複葉が20枚以上つく[8]。花期は3 - 4月で直径3 cmほどで薄い紫の花弁に黒色の斑紋のある白い花を咲かせる。収穫は5月ごろから。上を向いていた莢がふっくらして、重みで水平よりもやや下を向き、筋(縫合線)が黒褐色に変色してきたら収穫適期である[9]。長さ10 - 30 cmほどのサヤには3 - 4個の豆(種子)が含まれている。豆には特有の香りとほのかな甘味がある[10]。元来初夏の数週間だけの味覚であったが、ハウス栽培と流通技術の発展から、秋の一時期を除いて一年中食べられるようになった[5]

青果として利用されているのは、打越一寸、仁徳一寸、陵西一寸などの大粒品種が多い[10]。ふつうのソラマメは、サヤも実も緑色であるが、サヤが緑色で中の実が赤くなる「初姫」という品種もある[4]
食用

野菜として食べる緑色の未熟な豆は、主なが5 - 6月で、サヤの色が濃い緑色でふっくらとしてツヤがあり、産毛に覆われているものが市場価値の高い良品とされる[5][4]。生のそら豆は野菜として扱われるが、「そら豆がおいしいのは3日間だけ」といわれるほど鮮度落ちが早い[10]。豆がサヤから出て空気に触れると、すぐにかたくなってしまうため、調理して食べる前にサヤから豆を出すのが良い[5][10]。豆の端部にある筋状のつめの部分は、俗に「お歯黒」とよばれている[5][10]。若いものほど「お歯黒」は緑色で色が薄く、若い豆は瑞々しい味わいで、豆が熟れると「お歯黒」は黒くなっていく[5][4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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