蘭州級駆逐艦 (052C型)
基本情報
艦種防空ミサイル駆逐艦
命名基準中華人民共和国の省都
建造所江南造船
運用者 中国人民解放軍海軍
建造期間2002年 - 2015年
就役期間2004年 - 現在
建造数6隻
前級広州級(052B型)
次級昆明級(052D型)
要目
満載排水量7,000トン
全長155.5 m
最大幅17.2 m
吃水6 m
機関方式CODOG方式
主機
陝西-MTU 20V956 TB92ディーゼルエンジン×2基
DA80
蘭州級駆逐艦(らんしゅうきゅうくちくかん、英: Lanzhou-class destroyer)は、中国人民解放軍海軍のミサイル駆逐艦の艦級。人民解放軍海軍での名称は052C型駆逐艦(中: 052C型?逐?)、NATOコードネームは旅洋II型(英: Luyang II-class)[1][2]。
基本的には、先行して建造された052B型の設計をもとに、国産のHHQ-9艦隊防空ミサイル・システムを搭載したものであり、特にアクティブ・フェーズド・アレイ(AESA)アンテナを艦橋構造物の4周に貼り付けた外見から、「中華イージス」(中華神盾)とも通称される[2][3]。 1995年の第三次台湾海峡危機の際に、アメリカ海軍の圧倒的な能力を見せつけられた人民解放軍海軍は、国産駆逐艦の性能限界を痛感した。これを受けて、1999年から2000年にかけてロシア製の956E型駆逐艦(ソヴレメンヌイ級)2隻を緊急導入(2005年より956EM型2隻を追加配備)するとともに[1]、空母建造計画も視野に、優れた対空戦能力を有するミサイル駆逐艦の整備が計画されるに至ったと見られている[4]。 1990年代中期のDDG整備計画着手直後は、複数の艦級が並行して少数ずつ建造されており、まず956E型の就役開始と同年の1999年には、これと同系列の中距離艦対空ミサイル・システムを搭載した052B型駆逐艦(広州級)が起工された[1]。これと並行して、アメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦を高く評価した人民解放軍海軍は、これに範をとった国産艦の研究開発に着手したものと考えられている。これは、イージス艦関連情報に関する諜報活動も含めた国家的プロジェクトとして進められた。これによって開発されたのが052C型(蘭州級)であり、まず2002年から2隻が建造され、2004年から2005年にかけて就役した[1][4]。 この2隻をプロトタイプとして徹底的に性能・運用試験を実施し、これによって得られた不具合対策を連続的に適用するというスパイラルモデルによる開発が進められたものと考えられている。そして2009年より、この開発成果を踏まえて更に052C型4隻が追加建造され、これらは2012年より順次に就役を開始した。また2011年からは、全面的な発展型である052D型(昆明級)の建造が開始されており、以後の整備はこちらに移行した[4][1]。 船体と主機関については、おおむね、先行して建造された052B型駆逐艦(旅洋-I型)が踏襲されている。船型は中央船楼型、船楼と主船体でナックル・ラインを形成している。艦首部にブルワークが設けられているのも同様だが、VLSを保護する必要から、052B型よりも延長されている。また艦橋構造物は、4周にアクティブ・フェーズド・アレイ(AESA)アンテナを貼り付ける必要から1層高くなっている。アンテナの配置の必要上、正横方向と後方に向けた窓がなく、これを補うため艦橋上に潜望鏡が設けられている[5]。 機関構成は052B型と同様と考えられており、巡航機としてV型20気筒のMTU 20V956 TB92(陝西柴油機重工有限公司によるライセンス生産機)、高速機としてウクライナ製のUGT-25000 上記の経緯より、本級の戦闘システムは、概ねアーレイ・バーク級に範をとったものとされている。ただし本艦の主任設計師は本艦がアメリカ海軍のイージス艦より劣る面があると話している。[6]
来歴
設計
装備