藤脇 邦夫(ふじわき くにお、1955年 - )は日本のノンフィクション作家。2015年までは白夜書房の営業部社員でもあった。秀英書房
社長の森道男は義父(妻の父)。広島県出身。大学卒業後、専門学校、業界誌を経て、1982年に白夜書房へ入社。以後、2015年の退社まで、営業部所属ながら『漫画ブリッコ』など、数々の雑誌や書籍を企画した。『漫画ブリッコ』編集長時代の大塚英志には業界誌『新文化』を紹介し、評論家となるきっかけを与えているが、後に対立関係となった。
小林信彦のファンであり、『道化師のためのレッスン』『小林信彦60年代日記―1959~1970』などの書籍企画に携わったことから、1986年に朝日新聞で連載された小説『極東セレナーデ』冒頭シーンのモデルとして描写された。自身も同年、『仮面の道化師 - 定本小林信彦研究』で作家デビューを果たしている。
夜久弘(『つげ義春とCOMICばく』の著者であり、『COMICばく』の元編集長)に代表される「利益が出せない」「能書きが多い」「他の要素をいつも引き合いに出して、不可抗力ばかり述べる」「原因のすべてをいつも営業のせいにする」「すべてにおいてエクスキューズが多い」編集者を営業社員の視点から批判し、良書幻想を否定する『出版幻想論』を1994年に出版[1]。
2015年、定年退職を期に回顧本『出版アナザーサイド』を出版。
著書
仮面の道化師 - 定本小林信彦研究(1986年発売、弓立社)ISBN 978-4896671247
出版幻想論(1994年発売、太田出版)ISBN 978-4872331622
出版現実論(1997年発売、太田出版)ISBN 978-4872333541
出版アナザーサイド ある始まりの終わり 1982-2015(2015年、本の雑誌社)
定年後の韓国ドラマ(2016年11月30日、幻冬舎新書)ISBN 978-4344984455
断裁処分(2017年4月7日、ブックマン社)
人生を変えた韓国ドラマ 2016?2021(2021年11月18日、光文社新書)ISBN 978-4334045760
企画担当した主な書籍・雑誌
ザ・ビートルズレポート (白夜叢書) 竹中労 (著, 編集) 1982
雑誌『漫画ブリッコ』および白夜コミックス
PR誌『白夜通信』
道化師のためのレッスン 小林信彦 1984
小林信彦60年代日記―1959~1970 小林信彦 1985
蛇のみちは―団鬼六自伝 1985
私小説 鈴木いづみ, 荒木経惟 1986
愛を叫んだ獣 亀和田武 1986
定本ジャックス 高護(著, 編集), 黒沢進 (編集) 1986
雑誌『月刊 ON STAGE』
ロックンロール・バビロン ゲーリー・ハーマン (著), 中江昌彦 (翻訳) 1988
コンプリート・スティーヴン・キング 奥沢成樹