薬局
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「ファーマシー」と「pharmacy」はこの項目へ転送されています。

薬学については「薬学」をご覧ください。

槇原敬之音楽アルバムについては「PHARMACY」をご覧ください。

日本の薬局(調剤薬局)の例東海道五十三次 関宿にある古い薬局店舗

薬局(やっきょく)とは、薬剤師調剤を行い販売または授与をする店舗・施設。調剤のみではなく、既製の医薬品のほか医療機器や日用品などの販売も行っている場合もある(ドラッグストア等)。一般に接客する場とは別に調剤室があり、多くの国では調剤室について規制が加えられている。薬剤師は基本的にファーマシューティカルケアの理念に従い業務を行う。営業時間内には薬剤師が常駐していることが求められ、また薬局の経営者が薬剤師であることを求める国も多い。薬局は結局、薬剤師が授与の目的で医薬品の調剤業務(薬剤を含む)と投薬及び服薬指導を行う販売店であるが、社会の発展に伴い、地域社会における薬剤師の役割が単に薬の調剤や販売にあるのではなく、患者の健康を優先的に考えるべき方向に変わりつつあり、患者志向的薬局(patient-oriented pharmacy)と区別されて強調されている。 世界保健機関においても、変化する薬局の役割について、1次保健医療チームの一員としてチーム医療に従事するという認識を持つように認識の転換を要請しており、患者志向の薬局に進むことを主張している。[1]
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この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

日本の薬局は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧・薬事法。以下「薬機法」と略称)に基づく様々な規制を受けている。薬局は必ず調剤室を有しており[2]、薬剤師が常駐して医師等の処方箋に基づいた医薬品を調剤することができる。2006年平成18年)の医療法改正により、「調剤を実施する薬局」は医療提供施設と位置づけられた。これにより薬局が単なる医薬品販売店舗でなく、調剤という医療を提供する場所でもあることが明文化された。民間で日本初の西洋風薬局は1872年、福原有信によって東京銀座に設立された資生堂と言われる。
法的定義

薬局については、薬機法第2条12項にその定義が存在している。薬機法及びその施行令等では、この定義に沿った解釈がなされる。

この法律で「薬局」とは、薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務を行う場所(その開設者が医薬品の販売業を併せ行う場合には、その販売業に必要な場所を含む。)をいう。ただし、病院若しくは診療所又は飼育動物診療施設の調剤所を除く。
名称

原則として、薬局開設許可を受けた薬局でなければ「薬局」の名称は使用できない(薬機法第6条)。例外は病院または診療所の調剤所で、個別の薬局開設許可がなくとも「薬局」を名乗ることができる(薬機法施行規則第10条)。調剤室がない店舗(一般販売業の店舗)や薬剤師のいない店舗(登録販売者のみの店舗)では薬局開設許可を受けられないため、店舗名として「薬局」を使用できない。こうした店舗のことはドラッグストア(最も一般的な名称)やその和訳である薬店(やくてん)などと呼び、「○○ドラッグ」「クスリの○○」「○○薬品」といった名称が採用されている。

逆に、調剤を主に行ういわゆる調剤薬局でなくとも、調剤室を備えるなどの施設基準を満たし、薬局開設許可を受けていれば薬局である。一般用医薬品化粧品、一般雑貨などを販売する、いわゆるドラッグストアであっても、薬局開設許可を受けていれば「薬局」と称することができる。さらに『薬局業務運営ガイドライン』[3]では、名称に「薬局」とつけて積極的に表示することとされている。
許可

薬局は薬機法に従って6年間の営業許可を受けることが求められる。経営に特別の資格は求められないが、管理者は薬剤師であることが求められる[4]
業務

薬局の基本的な業務は、医師らが交付する処方箋に基づいて医薬品を調剤し、販売・授与することである。これは原則的に薬剤師の独占業務であって、薬剤師は対面によりその薬剤についての情報提供や指導を行ったうえで販売・授与を行うこととされている。

実際は処方箋調剤を行なわず保険薬局の指定も受けていない薬局も存在する。これは主に「薬局製剤」(都道府県知事の許可を受け、薬局が製造販売できる医薬品。「薬局製造医薬品」「薬局製造販売医薬品」などと呼ぶ地域もある。薬剤師が症状を聞き、調剤室でオリジナルの薬を調剤し販売していた。)の販売を目的としている場合である(1990年代の医薬分業の推進前、医療機関が外来患者に直接調剤した薬を渡していた院内処方が主流の時代に存在した薬局はこの形態であった)。

また「薬局業務運営ガイドライン」では、処方箋によらない一般用医薬品の供給に努めることとされている[3]。これについては店舗販売業に準じる。
保険薬局院外処方箋を受け付ける保険薬局(門前薬局)の例(アイン薬局院外処方箋を受け付ける保険薬局を併設したドラッグストアの例(スギ薬局)「保険薬局」および「ドラッグストア#日本におけるドラッグストアの概要」も参照

多くの薬局は、健康保険等の公的医療保険による調剤報酬を受け取ることが可能な保険薬局である。この保険薬局は、他の医療機関から発行された院外処方箋を受け付けて調剤を行う薬局である。俗に「調剤薬局」とも呼ばれるが、前述の通り医療保険制度に基づく調剤を行うという点で、保険薬局と調剤薬局は必ずしも同義ではない。

保険薬局は独立した医療機関であるため、一般道路に接続された独立の建物内に設けられ、その従事者と管理者といった人員や物品と会計処理が、他の医療機関と明確に区別されていなければならない[4]

医薬分業が推進されてからは、病院やクリニック(診療所)の近傍に保険薬局を構え、その医療機関の処方箋を多く受け付ける、「門前薬局」と俗称される形態が多くを占めるようになった。また、大手ドラッグストアチェーンが、店舗内に調剤室を併設して保険薬局業務に参入するケースも多くなった。患者が複数の医療機関から処方された処方箋を、同じ薬局で一元管理することが可能になり、複数の病院にかかる場合でも「かかりつけ薬局」を決めれば、患者ごとに薬剤服用歴などを管理することが実現できる。また、2008年4月1日からは、医師の許可がなくても「変更不可」でない限り、患者の求めに応じて処方薬を薬剤師が選んだ後発医薬品(ジェネリック医薬品)に変えることができるように処方箋の様式が変更された。これにより、患者が先発品と後発品の選択がしやすくなっている。保険調剤を行うためには保険薬剤師の雇用が必要である。

保険薬局は、その処方箋又は被保険者証によって、療養の給付を受ける資格があることを確めなければならず(保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第3条)、また薬剤の交付を望む者は、被保険者証の提出を求められたときは、当該処方箋及び被保険者証を(被保険者が70歳に達した日の属する月の翌月以降である場合は、高齢受給者証を添えて)提出しなければならない(健康保険法施行規則54条)。
基準薬局

日本薬剤師会では、かかりつけ薬局の選択基準となるように基準薬局制度を行っている。日本薬剤師会が定めた基準を満たして都道府県の薬剤師会の認定を受けた保険薬局は「基準薬局」を名乗ることができる。ただし2015年3月31日をもって日本薬剤師会の制度としては廃止し[5]、各都道府県薬剤師会ごとの「都道府県薬剤師会認定基準薬局」制度に移行した[6]
地域連携薬局/かかりつけ薬局

2021年8月1日、かかりつけ薬局の役割を担う「地域連携薬局」制度がスタートした[7]

2016年4月より、かかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師の仕組みを盛り込むことが中央社会保険医療協議会より答申された[8]。「かかりつけ薬剤師」は、患者から同意を得た薬剤師が、市販薬も含めて患者の服薬状況を把握し、24時間体制で相談に応じる。


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