薩隅方言
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薩隅方言
鹿児島弁
鹿児島弁を使った鹿児島市内のラーメン店の看板(2020年2月)
発音IPA: [kago?mabe?][kagommabe?]
話される国 日本
創案時期不明
地域 鹿児島県奄美群島を除く)
 宮崎県諸県郡
話者数不明
言語系統日琉語族

日本語

九州方言

薩隅方言



方言薩隅方言薩摩南端方言諸県方言甑島方言種子島方言屋久島方言トカラ方言
表記体系日本語, ローマ字
言語コード
ISO 639-3?
'"`UNIQ--templatestyles-00000008-QINU`"'Linguist List ⇒jpn-sat
Linguasphere45-CAA-ah
薩隅方言が用いられる地域(オレンジ色)
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薩隅方言(さつぐうほうげん)は、鹿児島県奄美群島除く)と宮崎県諸県地方(主に都城市小林市など)で話される日本語の方言[1]。鹿児島県がかつての薩摩国大隅国にあたることからこう呼ばれる。鹿児島弁(かごしまべん、かごっまべん、かごんまべん)、薩摩語、薩摩言葉とも言う。
概要地方区分:
■ 薩摩地方 ■ 大隅地方 ■ 諸県地方 ■ その他
(類似地域)
薩隅方言の位置づけ

「薩隅」とは、文字通り九州南端の西に位置する薩摩と、東に位置する大隅の両方に通じるものとして総称されたものである。この地域の方言はニュアンス的な差異はあるものの、大別すれば同一の方言圏に属する。なお、九州のこのような方言分類としては他に、「肥筑方言」と「豊日方言」とがある。つまり九州の方言は大きく3つのブロックに分かれることになる。「よか」のようなカ語尾や「ばってん」などの九州方言らしい特徴は肥筑方言に多く、薩隅方言は「子音で終わる語」(母音の脱落)を発達させるなど特殊化が進んでいる。

宮崎県南西部の諸県地方は薩摩藩の支配下にあったことから、薩隅方言圏であり、諸県弁と呼ばれる。ただし東諸県郡は、現在では宮崎弁化が進んでいる[2][1]。鹿児島県の大部分が二型アクセントであるのに対し、宮崎県小林都城から鹿児島県末吉志布志にかけては統合一型式アクセント、宮崎県えびのは鹿児島同様二型アクセント、宮崎県北諸県郡西諸県郡無アクセントである。

このように薩隅方言の中での地域差も大きく、例えば薩摩地方の中でさえ、県境付近の北薩出水市など)と薩摩半島末端の枕崎市頴娃町などでは、同じ方言とは思えないほど語彙や言い回しに大きな差異がある。
区画

薩隅方言の内部は、以下のように区分される[3]。薩摩と大隅の間に境界線は引かれず、むしろ薩摩半島南端部や大隅半島南端部(佐多内之浦)の方言に特色がある[1]。離島方言はそれぞれに特色があり、特に種子島方言は薩隅方言的特徴が薄く、独自色が強い[4][1]

薩隅諸方言

薩隅諸方言

硫黄竹島方言

薩摩南端方言


離島方言

獅子島長島方言

屋久島方言(口永良部島を含む)

トカラ方言

北部方言

南部方言


甑島方言


種子島方言

東諸県方言

音韻
音節の運用

音節が種類によらず同じ長さで発音され、モーラの単位がない。アクセントも専ら音節単位でつけられ(他の多くの方言ではモーラ単位)、日本語としては珍しい「音節方言」の部類に入る[注 1]

たとえば、『行って』という語を標準語や多くの方言では 「イ-ッ-テ」/i-q-te/と3拍(2音節だが3モーラ、qは促音)に運用するが、薩隅方言ではこれが「イッ-テ」/iq-te/という2拍にしかなりえない。すなわち、薩隅方言では音節数と拍の数との間に齟齬がなく、両者はつねに一致しているので、モーラという概念を導入する必要がないのである。
促音化

薩隅方言の特徴として語中・語尾の狭母音の脱落による促音化がある。共通語では促音は語中にしか発生しないが、薩隅方言では語末のキ・ギ・ク・グ・チ・ジ・ツ・ビ・ブが促音化し、内破音 [t] または声門破裂音 [?] となる[5][6][7]鹿児島市や薩南の一部では動詞語尾の「る」も促音化する[5]。これにより、薩隅方言では多数の同音異義語が生まれている。たとえば、「靴」「首」「口」「釘」「櫛」「来る」などの単語はすべて「クッ」と発音されるという。

「靴」 : /kuq/ < /*kut/ < /kutu/

「首」 : /kuq/ < /*kub/ < /kubi/

他の例

カッ(柿・嗅ぐ・カビ・鍵・書く・勝ち・火事・勝つ)[6]

トッ(飛ぶ、取る)[6]

オッ(折る)

サッ(去る)

語中での促音化は、「シッモサン」/siqmosan/[?i?mosa?](知りません)、「コッゴ」/koqgo/[koggo](国語) などのように、共通語と違って鼻音や濁音の前でも起こる。これらの促音は、鼻音・母音・半母音の前では声門破裂音[?]、濁音の前では各種子音で発音される[5][7]
連母音融合

母音(a, i, u, e, o)が連続する部分を連母音という。薩隅方言では連母音が現れると、その部分が融合し母音の短音に変化する場合がある。薩隅方言では原則として長音は短音化する(例)ユ(言う)、ソド(騒動)。以下は同方言における連母音融合の主なパターン。

/ai/, /ae/ > /e/

長い /nagai/ → ナゲ /nage/

具合 /guai/ → グエ /gue/

橙 /daidai/ → デデ /dede/

蝿 /hae/ → ヘ /he/

考えた /ka?gaeta/ → カンゲタ /ka?geta/
[注 2] .... etc


/oi/, /oe/ > /e/

太い /futoi/ → フテ /fute/

匂い /nioi/ → ニエ /nie/

揃えた /soroeta/ → ソレタ /soreta/[注 2]

添え物 /soemono/ → セモン /semon/ .... etc


/ui/ > /i/

軽い /karui/ → カリ /kari/

雑炊 /zo?sui/ → ズシ /zusi/

縫い物 /nuimono/ → ニモン /nimon/ .... etc

固有名詞について母音の短音化が行われる例は少ない。ただ、高齢層においては「生産物名」「地名」「歴史上の人物の名前」など、「生活において使用が一般化されている固有名詞」を短母音化させる人も多い(例:西郷隆盛→「さいごうどの/さいごうさま」→「セゴドン/セゴサァ」)。一般人の人名については高齢者でも短母音化させる傾向は少ない。そのため「使用頻度の多い音節に対して、滑舌の使用頻度を下げ、疲労を軽減させ発語の速度を上げるための変化」とも言える。

甑島では、/ai/ の変化として /e/ だけでなく /e?/、/a?/、/ja?/、/a?/ が現れる。種子島では、/ai/ → /a?/ の変化をする。[8]
その他

語尾のニ・ヌ・ノ・ミ・ムはンに変化しやすい(例)カン(紙)、ヨン(読む)[6][9]

ラ行音、特にリ・ル・レは、イに変化しやすい(例)クイ(栗)、クイマ(車)、コイ(これ)など[6]。またラ行音はダ行音に変化しやすい(例)ダッパ(らっぱ)。ただし直前がシの場合はタ行音になる(例)ウシト(後ろ)、ハシタ(柱)[6][10]。一方、下甑島・種子島・屋久島では逆にダ行からラ行への変化が聞かれる[10]

「焼酎」→「ソツ」、「数珠」→「ズシ」のような、拗音の直音化が盛んである[11]

鹿児島市や県北を除いて、ヂとジ、ズとヅの四つ仮名の区別が認められる[11]

主に薩摩半島南部や上甑島・屋久島・種子島で、ガ行鼻濁音がある。これらの地域では同時にカ行・タ行の濁音化も聞かれる[12][13]
アクセント

薩隅方言の主流アクセント二型アクセントである。二型アクセントでは、すべての語はA型とB型の2種類どちらかに属し、音節数に関わらずアクセントの型は2種類に限られる。鹿児島市など鹿児島県の大部分で用いられる主流アクセントでは、A型は文節の最終音節の一つ前の音節のみが高くなり、B型は最終音節のみが高くなる。一音節語の場合、A型は音節内部で下降、B型は高く平らに発音される。付属語が付くと、高い部分はその分後ろにずれる。例えばA型の「飴」は単独では「アメ」だが助詞「が」が付くと「アメガ」である。B型の「雨」は「アメ」だが「アメガ」となる。[14]

薩隅方言ではアクセントは拍(モーラ)ではなく音節を単位として付与されるので、語中の促音(ッ)、撥音(ン)、連母音後部、長音無声化した母音は、その直前の拍と結合して一つの単位となる。たとえば、「父さん」(A型)は「トー・サン」の二音節に分けられ「トーサン」となり、「人情」(B型)は「ニン・ジョー」と分けられ「ニンジョー」となる。一方、甑島では拍単位でアクセントが付与される。[15]

複合語の場合は前部要素によってアクセントが決定される。すなわちA型「日」とB型「傘」の複合した「日傘」はA型、B型の「靴」とA型の「底」の複合した「靴底」はB型である。接頭辞も複合語の前部要素と同じように作用するが、なかにはそれぞれが独立性を保つ場合もある。例えば「ダイイチガクネン」(第一学年)など。「テンノータンジョービ」(天皇誕生日)のように、語意識としては一語でありながら、二語的なアクセントを示す例もある。指定の助動詞「じゃ」も固有のアクセントを持ち、前部の名詞・形容詞とは分離される。(例)アメジャッタ(飴だった)、アメジャッタ(雨だった)。[16]

屋久島も二型アクセントだが、屋久島北部の宮之浦では、A型は「○○」「○○が」、B型は「○○」「○○が」で、B型で最終音節が下がる点は二型アクセントの中では珍しい[17][18]枕崎市のアクセントは周辺と高低が逆になり、A型は「○○」「○○が」、B型が「○○」「○○が」となる[17]。枕崎のアクセントは鹿児島主流アクセントが変化してできたものと考えられている[19]


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