薔薇の名前
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『薔薇の名前』(ばらのなまえ、イタリア語原題:Il Nome della Rosa イル・ノーメ・デッラ・ローザ)は、ウンベルト・エーコ1980年に発表した小説。1327年教皇ヨハネス22世時代の北イタリアカトリック修道院を舞台に起きる怪事件の謎をフランシスコ会修道士バスカヴィルのウィリアムとベネディクト会の見習修道士メルクのアドソが解き明かしていく。

全世界で5500万部を超える世界的なベストセラーとなり、1986年には映画化(西独、伊、仏)された。詳しくは薔薇の名前 (映画)を参照。また、2019年3月にはイタリアでテレビドラマも放送されている(全8回)。
概要
構成とあらすじ

物語は、もともとラテン語で書かれ、フランス語に訳されたメルクのアドソの手記を「私」が手にし、その真偽を疑いながらも内容を明らかにし、イタリア語で出版したという形式をとっている。

舞台はアヴィニョン教皇庁の時代、フリードリヒ美王の特使としてバスカヴィルのウィリアム修道士が北イタリアの某所にあるベネディクト会修道院を訪れる。ウィリアムはかつて異端審問官としてそのバランスのとれた判断が高く評価されていた。物語の語り手である見習修道士メルクのアドソは、見聞を広めてほしいという父親メルク男爵の意向によってこのウィリアムと共に旅をしている。

ウィリアムの本来の目的は、当時「清貧論争」と呼ばれた、フランシスコ会とアヴィニョン教皇庁のあいだの論争に決着を付ける会談を調停し、手配することにあった。ところがその修道院において、両者の代表の到着を待たずに奇怪な事件が次々と起こる。二人は文書館に秘密が隠されていることを察知し、これを探ろうとするがさまざまな妨害が行われる。修道院内で死者が相次ぎ、老修道士がこれは黙示録の成就であると指摘すると、修道士たちは終末の予感におののく。

やがてフランシスコ会の代表と教皇側使節一行が到着するが、論争の決着は付かず決裂する。教皇使節と共に会談に訪れていた苛烈な異端審問官ベルナール・ギーが、修道院で起こっている殺人事件は、異端者の仕業であるとして、異端審問を要求した為、事態は、まったく異なる方向へと進行して行く。ウィリアムはそれでも、事件の秘密解明に全力を注ぐことを決意する。
物語の背景

物語は7日間にわたって進行し、章として聖務日課(教会の祈り)の時課が用いられている。主人公アドソとその師ウィリアムの関係は、あくまで探偵小説にあらわれる探偵とその助手(シャーロック・ホームズワトソン博士など)という定式のフォーマットを踏んでいる。助手であるアドソのイタリア語での発音がワトソンに似ていたり、また、ウィリアムの出身地がバスカヴィルであることから『バスカヴィル家の犬』が連想される等の例にあるように、この作品は無数の書物の記述への言及と参照、オマージュが散りばめられている。ホルヘ・ルイス・ボルヘス的な書物と知の迷宮世界への参照と言えるが、そのボルヘス自体に対し、「迷宮図書館」とか、その図書館に大きな影響力を持つ修道士たちの長老、盲目の師ブルゴスのホルヘなどの登場人物設定を通じて参照が行われている(ボルヘスはアルゼンチンの国立図書館の館長で、盲目となった人物で、さらに「迷宮図書館」を主題とした作品がある)。

物語自体は殺人事件の真相を解明するというシンプルなものだが、その背景に、喜劇について論じた詩論とされるが伝来しておらず、本当に存在したのか論争があるアリストテレスの『詩学』の第二部や、当時の神学論争(普遍論争など)や、フランシスコ会における清貧論争とそこから発生した異端論議、神聖ローマ皇帝アヴィニョンに移った教皇の争い、当時のヨーロッパを覆っていた終末意識などが複雑にからみあっている。また、実在した有名な異端審問ベルナール・ギードミニコ会士)や同じく実在したフランシスコ会士カサーレのウベルティーノの登場などによって、複雑な知と言説の模様を造っている。聖書キリスト教神学からのさまざまな形での引用が多いことも本書の理解を難しくしているが、逆に言えばそれらについての知識が増えれば増えるほどさらに面白く読むことができるということもある。

また本書はキリスト教の歴史と笑いの関係について問題提起した書でもあり、この本を受けてキリスト教と笑いに関する多くの書籍が出版された。
登場人物

枠物語

わたし(ウンベルト・エーコらしい。たまたま、中世の写本を不思議な巡り合わせで入手する)


主人公(師と弟子)

バスカヴィルのウィリアム(フランシスコ会修道士、元異端審問官、アドソの師)

メルクのアドソ(ベネディクト会見習修道士、ウィリアムの弟子、記録本文の筆者)


ベネディクト会修道院の修道士たち

フォッサノーヴァのアッボーネ(修道院長)

レミージョ・ダ・ヴァラージネ(修道士、厨房係)

サルヴァトーレ(助修士、厨房係の助手、かつて異端のドルチーノ派に属していた)

マラキーア・ダ・ヒルデスハイム(修道士、修道院の文書館長)

ベレンガーリオ・ダ・アルンデル(修道士、文書館長補佐)

ザンクト・エンメラムのセヴェリーノ(修道士、薬草係)

ニコーラ・ダ・モリモンド(修道士、ガラス細工師)

アデルモ・ダ・オートラント(修道士、細密画家)

ヴェナンツィオ・ダ・サルヴェメック(修道士、古典翻訳が専門)

ベンチョ・ダ・ウプサラ(修道士、修辞学が専門)

アリナルド・ダ・グロッタフェッラータ(最長老の修道士)

ホルヘ・ダ・ブルゴス(盲目の老修道士)

アイマーロ・ダ・アレッサンドリア(修道士)

ピエートロ・ダ・サンタルバーノ(修道士)

パチーフィコ・ダ・ティーヴォリ(修道士)


フランシスコ会士と教皇庁代表

ミケーレ・ダ・チェゼーナ(フランシスコ会総長)

ウベルティーノ・ダ・カサーレ(フランシスコ会修道士、聖霊派の指導者)

ニューカッスルのヒュー(フランシスコ会修道士)

ベルトランド・デル・ポッジェット(枢機卿)

ベルナール・ギー(ドミニコ会修道士、異端審問官)


その他

娘(谷間の村の娘)


日本語訳

『薔薇の名前』
河島英昭訳、東京創元社(上下)、1990年。日本翻訳文化賞BABEL国際翻訳大賞日本翻訳出版文化賞

「薔薇の名前」とは何か

この小説の原題は、イタリア語で「Il Nome della Rosa」で、英訳すると「The Name of the Rose」である。薔薇(rosa)にも名前(nome)にも定冠詞が付いている。小説は、その最後が、/stat rosa pristina nomine, nomina nuda tenemus./ というラテン語の詩句で終わっている。これはモーレーのベルナールの説教詩の一行で、小説の最後の部分では、ベルナールの詩の句が幾度も引用されている。

もっとも単純には、「薔薇の名前」とは、メルクのアドソの初恋の相手で、生涯の唯一の恋人となった、この小説の主要登場人物中でただ一人、名前が明記されていない農民の少女の名前のことだと解釈されている。しかし、最後の一行の詩句が、非常に多義的な意味を持つことから、様々な解釈が行われている。


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