蓮華温泉(れんげおんせん)は、新潟県糸魚川市にある温泉である。中部山岳国立公園区域内の標高1,475mの高所に位置する[1]。自家発電の温泉宿のため、21時には消灯される。
泉質
酸性硫黄泉(硫化水素型、泉温32℃、薬師湯、三国一ノ湯に給湯) [2]
単純硫黄泉(仙気ノ湯に給湯)[2]
含硫黄マグネシウム炭酸水素塩泉(黄金湯に給湯)[2]
単純温泉(泉温81℃、総湯に給湯)[2]
リウマチ、皮膚病、胃腸病、眼病などに効能がある(いずれも効能はその効果を万人に保証するものではない)[1]。 「蓮華温泉ロッジ」だけが営業している一軒宿の秘湯(2020年までに日本秘湯を守る会から脱退している)。周囲に温泉街は存在しない。蓮華温泉ロッジ本館の西側にはキャンプ場が併設されている。例年3月20日頃 - 10月20日頃の季節営業であり(一般客が入れるのは6月下旬から)[2]、期間外はアクセス道路も閉鎖される。白馬岳や朝日岳などの登山拠点でもあり、春の残雪期には山スキーヤーにも利用されている。本館と別館があり、本館は食堂・売店と相部屋、内湯があり、別館は個室向けの部屋がある。 蓮華温泉ロッジは本来山小屋であるため、個室であっても部屋にテレビがない、食事は食堂で他のグループと詰めあわせて一斉に食べ、食事時間も夕食は17時30分頃、朝食は6時頃とかなり早い、浴衣などがない、チェックアウト時間が8時30分と一般旅館よりも早いなどの点を理解して宿泊する必要がある。また、自家発電なので21時頃以降は客室は消灯となり懐中電灯の持参が必要となる。廊下、トイレ、浴室も最低限の常夜灯のみになる。最混雑期は相部屋でしか宿泊できない場合がある。逆にチェックイン時間は13時とされているものの、実際には部屋の掃除が終われば午前中でも部屋を使用できる。 蓮華温泉には内湯である「総湯」と4か所の露天風呂があるが、3種類の泉質が混在する。露天風呂はロッジから山道を5分から15分ほど歩いた場所に散在している。 (どの露天風呂にも更衣室の類は一切なく、衣服は湯船脇の木や石の上に置く) かつては「新黄金の湯」と「蒸湯」というのもあり、「蓮華七湯」と総称した。 夜、露天風呂に入るには懐中電灯が必要となる。露天風呂に夜入り、懐中電灯を消すと天候が良ければ満天の星が望める。
温泉街
浴場
内湯
総湯
単純温泉[2]
ロッジの建物の中の内湯。秘湯とは思えないほど近代的に改築されており、日帰り温泉としての利用もできる。
秋の仙気の湯
露天風呂
仙気の湯
単純硫黄泉[2]
蓮華温泉を代表する露天風呂。高台に位置し展望が良く、湯船も露天風呂の中では一番広い。元は「疝気の湯」と記した。疝気とは下腹部が痛む病気で、それに効くという意味。現在は仙人気分になることができる湯という意味。湯はわずかに白濁している。
黄金湯
炭酸水素塩泉[2]
ロッジから一番近い露天風呂。林間に位置し展望はあまりないが、湯量も豊富。かつては土で濁り黄色っぽい湯の色をしているのでこの名がある。現在はほぼ透明である。
秋の薬師の湯
薬師湯
酸性硫黄泉[2]
一番高台にある露天風呂。少々小ぶりの石組の湯船。行止りの場所にあるため、女性の貸切状態になることがある。
三国一の湯
酸性硫黄泉[2]
三国一とは、日本・中国・天竺の3か国で一番という意味だが、現在は湯量が少なく1人入ったらいっぱいの小さな湯船。泉温が低すぎる時も多く、爽快感に欠ける露天風呂。
歴史
1617年(元和3年) - 上杉謙信が南西2.8 kmの雪倉岳の東山腹に雪倉銀山を開発し、明治末まで約300年採掘が行われた[3]。その際に温泉が、発見されたと伝えられる歴史を持つ。温泉名の由来は、白馬岳の越中・越後側の名称・蓮華岳による。かつては猟師や樵に愛用され、やがて不便な山奥ながら湯治場として発展する。