この項目では、葡萄園(テロワール)について説明しています。2008年製作・放送の韓国のテレビドラマについては「テロワール (テレビドラマ)」を、日本の芸能事務所については「テロワール (芸能事務所)」をご覧ください。
フランス ブルゴーニュ地域圏 クロ・ド・ヴジョーの葡萄園
葡萄園(ぶどうえん)、または、葡萄畑(ぶどうばたけ)は、ブドウを生産する農場。葡萄園にあたる英語: vineyard[† 1][† 2]より「ヴィンヤード」、同フランス語: vignoble[† 3]より「ヴィニョーブル」「ヴィグノーブル」とも呼ばれる。
世界で生産されたブドウのおよそ1割が生食用で、8割が醸造用、残りがその他の加工用とされる。このため、世界的にはワイン(仏: vin)の原料となるブドウの生産農場が葡萄園とみなされている。一方、日本では、生産されるブドウのおよそ8割が生食用で、1割が醸造用、残りがその他の加工用とされている。このため、日本では必ずしもワインと関連せず、ブドウ狩り
に供するためのブドウを生産する農場を指すこともある。葡萄園は、ブドウ栽培とともに発祥伝播していったものと考えられる。
ブドウ栽培の歴史は古く、紀元前3000年頃、カフカース地方から地中海東部沿岸地方にわたる地域で、セム族(セム語派)あるいはアーリア人によって始められたとされる。最初の栽培種はヨーロッパブドウ(ヴィニフェラ種、Vitis vinifera
)で、ワイン醸造も同時に始められた。その後、セム族はエジプト(古代エジプト)方面へ、アーリア人はインド方面へ、それぞれブドウ栽培とワイン醸造を伝えた。なお、旧約聖書(創世記9章20節)には、ノアがアララト山に葡萄園(葡萄畑)を作ったのが初めと記されている。ラヴォーのブドウ段々畑(スイス) 葡萄園(葡萄畑)の土壌、地形、気候、風土など、ブドウの生育環境を総称してテロワール(仏: terroir)という。 ブドウは、比較的痩せた排水と保水が共によい礫を含んだ重い土壌を好み、生育期に降雨が少ない土地で良好な果実が得られる。世界各地のブドウ生産地では、垣根仕立て、棒仕立てが多いが、日本では多雨多湿な気候に適する棚仕立てとし、木を大きく育てる。 伝承では、日本にブドウが渡来したのは奈良時代のこと。原産地からシルクロードを経て、唐から渡来したとされる。718年(養老2年)、各地を行脚した高僧・行基が、甲斐国勝沼(山梨県甲州市(旧・勝沼町))の柏尾山大善寺に薬種園を設け、そこでブドウ(甲州種)の栽培を始めたとする伝承がある。 また、同じく甲州葡萄に関する伝承では、平安時代末期の1186年(文治2年)、同じく甲斐国勝沼の住人、雨宮勘解由(あめみやかげゆ)が、山中より珍しい果樹を見いだして育てた逸話があり、ブドウ栽培の始まりとも伝えられる。 いずれにしても、日本の葡萄園は、現在の山梨県甲州市勝沼町の一角で、ヨーロッパブドウの一種である「甲州」種の栽培を行ったことに始まる。
世界遺産
ヴァル・ドルチャ - オルチャ渓谷(イタリア)
ラヴォー - ラヴォーのブドウ段々畑(スイス)
ピコ島 - ピコ島のブドウ畑文化の景観(ポルトガル)
トカイ - トカイのワイン産地の歴史的・文化的景観(ハンガリー)
サン=テミリオン地域 - サン=テミリオン地域(フランス)
アルト・ドウロ・ワイン生産地域 - アルト・ドウロ・ワイン生産地域(ポルトガル)
テロワール
日本の葡萄園山梨県・勝沼の葡萄園