著作権表示
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DVDのディスク上に明記された、会社名 + 「ALL RIGHTS RESERVED TM R(アールマーク)& COPYRIGHT c(Cマーク) 2007...」の表示。

著作権表示(ちょさくけんひょうじ、: copyright notice)は、著作物著作権者がその著作権は自身にあることを人々に知らせるために、著作物の複製物につける表示である[1]
概要

著作権表示は次の3つの要素を、通常は連続するひとつの短い文として表示する[1]

cマーク[1]。(米国ではcの代わりに「copyright」という英単語、あるいは「copr.」という短縮語が使われる場合もある。なお、米国ではen:phonorecord(音響作品)に関しては ?マークをつける[1]

著作物の発行年[1]

著作権者の名前[1]

たとえば次のように表示する[1]。c 2017 John Smith [1]

あるいは次のように表示する。c John Smith 2017 [注釈 1]c 2022 Taro Nakamura  c 2022 中村太郎

なお、イギリス著作権局は、(必須ではないのだが)誤認されてしまうことを防ぐために[注釈 2]、上記3要素の前にあえて「Copyright」と加えて、つまり合計4要素を並べて表示することを勧めている[2]。つまり、念のため次のように表示することを勧めている。Copyright c 2017 John Smith



著作権表示を使用することが勧められる理由

イギリス著作権局は「著作権表示は任意ではあるが、それでも、あなたの作品に最低でもひとつ著作権表示をすることで、著作権侵害される可能性を防ぐことを強くお勧めする[注釈 3]。」としている[2]

アメリカ合衆国著作権局は、「発行が1989年3月1日以降の作品に関しては著作権表示をするかどうかは任意ではあるが、著作権表示をすると次のような利点がある」と指摘し[3]、次の5つの利点を挙げている[3]

その作品を使う可能性のある人々に、その作品には著作権があると主張されている、と気づかせることができる[3]

公表する作品に著作権表示をしておくと、著作権侵害をする者が 「善意の著作権侵害」を根拠にして責任逃れをしようとしたり 差し止め請求を回避してしまうような事態を防ぐことができる[3]

作品に著作権表示をしておくと、その作品を使用するために使用の許可を求める人々に対して、作品が発行された時点の著作権者が誰なのか明示することができる[3]

著作権表示は発行年を明確にし、これにより匿名や仮名の作品などでも著作権保護の期間がいつまでなのかはっきりさせることができる[3]

作品に著作権表示をしておくと、権利者名と権利期間が明確になるので、その作品がオーファンワークス(権利者不明作品)になってしまう事態を防ぐことができる[3]

著作権表示をすることにより、その作品に著作権があることを人々に知らせることができ、著作権者の名を知らせることができ、発行年(最初に公表した年)を知らせることができる。それに加えて、その作品に対する侵害行為が行われた場合、作品に正しく著作権表示をしてあれば、裁判所は、著作権侵害を行った者が「善意の著作権侵害だった(その作品が著作権で守られているとは知らなかったから著作権侵害してしまった)」などといった内容の主張をしても、そのような主張を一切認めない。「善意の著作権侵害」が認められてしまうようだと、著作権者は損害を被ることになり、本来受け取れるはずだった著作権料が減額され(たり、受け取れなかったりす)る。[4]

あらかじめ著作権表示をはっきりとしておかないと、「(表示が無かったから)私は(この作品について)著作権があったとは知らず、パブリックドメインのものだと思った。だから複製を作り大量配布した」という理屈を法廷で述べられてしまえば、それがまかり通ってしまう、という法理があり(#その他の法的効果)、その複製物を見た者がやはり「当作品に著作権があるとは知らず、パブリックドメインのものと思い、さっそく大量複製した」などという理屈で複製の連鎖的作成と配布が容易に起き、自分の作品について著作権表示の無い複製が何種類か世の中に散布された段階で、結局、もう誰にも無許可(無契約)の複製の連鎖を止めようが無いという事態に陥るのである。[注釈 4]イギリスの著作権局が著作権表示を強く勧奨しているように、自分の著作権を護りたければ著作権表示をすることは重要なのである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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