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フキ
フキの若葉(2005年4月)
分類
フキ(蕗、苳、款冬、菜蕗、学名:Petasites japonicus (Siebold et Zucc.) Maxim.[1])は、キク科フキ属の多年草、雌雄異株。 日本原産で、北海道、本州、四国、九州及び沖縄県に分布し、北は樺太から朝鮮半島や中国大陸でも見られる。山では沢や斜面、河川の中洲や川岸、林の際などで多く見られる。郊外でも河川の土手や用水路の周辺に見られ、水が豊富で風があまり強くない土地を好み繁殖する。近縁種は旧世界に広く分布し、ハーブとして利用される。また、幻覚作用が報告されている種もある。 なお、現在、栽培種として市場に出回っている多くのフキは愛知早生という品種であり[2]、愛知県東海市が生産量日本一である[3]。 関東地方以北には、2mほどにも伸びる秋田蕗があり、全国的にも有名である。こうした、巨大な蕗は倍数体によるものである。特に寒冷地では牧草地で大繁殖する。家畜が食べないので畜産農家からは嫌われている[4]。 茎は地上には伸びず、地中で地下茎(生姜やアヤメのような根塊)となり横に伸びる。地下茎が地表に剥き出しになると光合成のため緑色に変色する。このため、ワサビと間違われて誤食される例があるが、地下茎は有毒のため注意が必要である。 早春、葉の伸出より先に花茎が伸び出す。これを蕗の薹(フキノトウ)と呼んでいる。雌雄異花であり、雌花は受粉後、花茎を伸ばし、タンポポのような綿毛をつけた種子を飛ばす。開花時の草丈は5-10cmだが、結実時の草丈は80cmになるものもある。雄株の花を拡大したもの。開花し始めの状態で小さな花の先端にあるものは雄蕊。 雌株の花を拡大したもの。肉眼では白い毛が出ているようにしか見えない。 フキノトウの綿毛 フキノトウの綿毛と種(拡大) 近年は山野に自生する個体数が減少しつつある。里山でフキが群生している光景は自生では無く、人間の手によって管理されていることがある。 市場に野菜として出回るものは栽培品種が多い。主な品種としては、愛知早生 独特の香りがあるふきのとうや葉柄、葉を食用とする。ただし、肝毒性
目次
1 特徴
2 繁殖方法など
3 山菜としてのフキ
4 その他
5 関連画像
6 類似する植物
7 脚注
8 関連項目
9 外部リンク
特徴
繁殖方法など
山菜としてのフキ
ふきのとう(蕗の薹)
蕾の状態で採取され、天ぷらや煮物・味噌汁・ふきのとう味噌に調理して食べられる。一般的には花が咲いた状態のふきのとうを食べる事は避けられるが、細かく刻んで油味噌に絡める「ふきのとう味噌」などには利用可能。花は独特の清涼感がある。伸びたフキノトウも葉や花を取り除き、茎の部分を軽く灰汁抜きしたものを肉や刻んだ油揚げ、糸コンニャクなどと一緒に煮付けても美味しい。フキの葉柄よりも柔らかく筋もあまり気にならないので、茹でた後でも硬ければ茎の皮を剥ぐ程度で良い。
葉柄
重曹や木の灰などを入れた熱湯で灰汁(アク)を抜いて煮物や炒め物などにするか、生のまま塩や塩糠に漬け込んで保存し、調理前に煮てから流水で塩抜きしてから同様に煮物や炒め物にする。これだと春から夏に採取したものを冬の間にも利用できる。また、醤油と砂糖で濃い味の佃煮にしたものは「きゃらぶき(伽羅蕗)」といい、これも保存食・常備菜となる。繊維質やミネラルが豊富で、昔は冬の野菜不足を補う一般的な山菜であった。現在はスーパーなどでも水煮のパックが年中販売されている。秋田フキなどの大型のフキは茎の中の空洞も大きいので、身欠きニシンや細切りにした薩摩揚げなどお好みで詰めものをして煮付けても良い。
葉も、茹でたものを流水に半日ほどさらしてアクを抜き、細かく刻んで佃煮にするなどして食用になる。
ふきのとう味噌 形態的によく似たものとして、キク科ツワブキ属の多年草ツワブキ Farfugium japonicum がある。
その他
季語
蕗の薹や蕗の芽・蕗の花は春、旬の蕗・蕗の葉・伽羅蕗・秋田蕗は夏の季語となる。
アンゼリカ
クリスタル・アンゼリカとしてケーキを飾るアンゼリカはセリ科のハーブだが、コピー食品としてフキの砂糖煮が市販されている。
方言
ふきのとうを、青森の津軽弁では「ばっけ」、秋田弁では「ばっけ」「ばんけ」「ばっきゃ」、山形の庄内弁では「ばんけ」、アイヌ語「マカヨ」と言う。また、アイヌ語でフキは「コロコニ」又は「コルコニ」と発音する。フキの葉の下に住む妖精の「コロポ(ボ)ックル」のコロはフキを示すと思われる。
関連画像フキの葉を上から見た写真 少し伸びた状態(雄株) 少し伸びた状態(雄株) 開花したての状態で、とうは伸びていない(雌株) 沢沿いや湿った地面を好んで生えている 小さな花の蕾が集まっている。 フキの煮物
類似する植物