荒尾干潟
所在地 日本
熊本県荒尾市荒尾27
位置北緯32度58分55秒 東経130度25分51秒 / 北緯32.98194度 東経130.43083度 / 32.98194; 130.43083
荒尾干潟(あらおひがた)は、熊本県荒尾市にあるラムサール条約登録地の干潟である。 有明海の中央部東側には、最大幅3.2km、長さ9.1km、面積約1656haと、日本全体の干潟面積の40%に及ぶ国内有数の干潟が広がっている。この広大な干潟の一部である荒尾干潟は、流入する大きな河川がなく、潮流によって土砂や貝殻が運ばれて堆積し、また、低潮線付近では砂が堆積し洲を形成する。比較的砂や貝殻が多く、有明海の他の干潟と比較し、泥は少なく、沿岸を普通に歩くことが出来、ぬかるむ事は少ない。ゴカイ類、貝類、小型の甲殻類が棲息している。シギ・チドリ類やクロツラヘラサギを始めとする多くの渡り鳥の中継地、越冬地として知られている。様々な生物が暮らす場であり、古くからノリの養殖やアサリ漁が盛んに営まれてきた。 かつての沿岸部は砂浜の広がった荒尾第二海水浴場があり、海水浴客のため南荒尾駅が新設され、ラジオで海水浴情報が毎日放送されるほどであったが、高度成長期の水質悪化により、海水浴場は廃止された[1]。しかし現在、水質は徐々に向上しつつある。 干潟のある荒尾海岸沿いにはおよそ2.6kmにわたって松並木が続いている。また、毎年夏には荒尾市主催のマジャク釣り大会も開催されている。 環境省に国指定鳥獣保護区特別保護地区に指定され、2012年7月、絶滅危惧種クロツラヘラサギの個体数の0.1%以上を支える湿地、ズグロカモメの個体数の1%以上を定期的に支える湿地などが登録条件を満たしたとして、ラムサール条約に登録された[2]。 渡り鳥の有数の飛来地として知られている。シギ・チドリ類は、秋から春にかけて飛来し、中継地・越冬地として荒尾干潟に滞在する。秋季にはシロチドリ、キアシシギ、ダイゼン、トウネン、ソリハシシギ、メダイチドリなど、冬季にはハマシギ、シロチドリなど、春季にはオオソリハシシギ、キアシシギ、ダイゼンなどが多く見られる。シロチドリは荒尾市に唯一繁殖する鳥であることから市の鳥 2008年に環境省が実施したモニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査(春期)では、荒尾干潟のある荒尾海岸で6492羽ものシギ・チドリ類の飛来が観察され、これは全国2位の羽数であった[3]。 そのほか、環境省のレッドリストで絶滅危惧TB類に指定されているクロツラヘラサギや、同じくU類のツクシガモ、ズグロカモメなど、多くの希少な渡り性水鳥とっても、大切な越冬地となっている。
目次
1 概要
2 荒尾干潟の生物
2.1 鳥類
2.2 底生動物
3 干潟保全の取組み
3.1 民間の取組
3.2 荒尾市の取組
3.3 熊本県の取組
4 交通アクセス
5 脚注
6 関連項目
7 外部リンク
概要
荒尾干潟の生物
鳥類