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この項目では、飲料の茶について説明しています。色名については「茶色」を、その他の用法については「茶 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

「お茶」はこの項目へ転送されています。国際連合事務局の OCHA (United Nations Office for Coordination of Humanitarian Affairs) については「国際連合人道問題調整事務所」をご覧ください。
日本で一般的な煎茶抹茶を点てる様子秋に花咲く、日本の茶の木
愛媛県広見町)。

茶(ちゃ)またはティー(英語: Tea)は、チャノキ学名:Camellia sinensis (L.) O. Kuntze[注釈 1](茶葉)や茎茶・棒茶)から作られる飲み物である。

また、これに加えて、チャノキ以外の植物の部位(葉、茎、果実花びら等)や真菌類動物に由来する加工物から作られる飲み物(「茶ではない「茶」」の節、茶外茶を参照)にも「茶」もしくは「○○茶」と称するものが数多くある。
定義

茶類を分類したISO 20715:2023「Tea ? Classification of tea types」では茶を以下のように定義している:.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}products processed by characteristic techniques exclusively using fresh tea leaves and known to be suitable for consumption[1]
(試訳)生葉のみを使用し、特徴的な技術によって加工され、消費に適していることが知られている製品。

ここで生葉(fresh tea leaf)は以下のように定義される:material plucked from the tender leaves, buds and shoots of the varieties of Camellia sinensis (L.) O. Kuntze by hand or by using machinery[2]
(試訳)Camellia sinensis (L.) O. Kuntze変種の柔らかい葉、芽、または苗条[注釈 2]を手作業または機械で摘み取った原料



栽培詳細は「チャノキ」を参照
チャノキマレーシアキャメロンハイランドにある茶のプランテーション

チャノキ(茶樹、学名:Camellia sinensis (L.) O. Kuntze)は、主に熱帯及び亜熱帯気候で生育する常緑樹である[4]。品種によっては海洋性気候でも生育可能であり、最北でイギリスペンブルックシャー [5]アメリカ合衆国ワシントン州[6]で栽培されている。

茶樹は種子から、あるいは挿し木によって繁殖する[7]。茶樹が種子を付けるまで4年から12年ほどかかり、新しい木が収穫(摘採)に適するまでには3年ほどかかる[4]。年平均気温が12.5 - 13以上(適温は14 - 16℃)、年間降水量が1300 - 1400mm以上、土壌はpH4 - 5程度の酸性であることが望ましいとされている[8]。茶の品質は一般に窒素を多くするほど向上する(ある程度以上では効果は薄い)。そのため多施肥化が進み、日本などでは硝酸態窒素による地下水汚染が問題になっている[9]タンザニアの手摘みの様子。
栽培されている変種

世界で主に栽培されているチャノキは基準変種であるチャノキ(学名:Camellia sinensis (L.) O. Kuntze var. sinensis)とアッサムチャ(学名:Camellia sinensis (L.) O. Kuntze var. assamica)であり[10]茶業では前者を中国種、後者をアッサム種という[11]

なお、カンボジア種 (C. assamica subsp. lasiocaly)[12] およびダージリンティー[13]はいずれも中国種とアッサム種のハイブリッドである事が遺伝子解析により示された。

また中国雲南省ではCamellia taliensis(大理茶)が茶(白茶や紅茶やプーアル茶[14][15][16])を作るのに使われている。
中国種

比較的カテキン含有量が少なく、酵素の活性も弱く酸化発酵しにくいことから、一般に緑茶向きとされている。

中国種は幹が枝分かれした低木で、寒い冬にもよく耐え、100年程度栽培可能である[17]。葉は比較的小さく、成長時の長さは5センチメートル程度である[18]中国、日本などの緑茶生産国のほか、イラングルジアトルコなど冬の寒さが厳しい場所で栽培されている[19]。また、インドダージリンスリランカでも栽培されている[17]
アッサム種

アッサム種はカテキン含有量が多く、酵素の活性が強く発酵しやすいことから、紅茶向きとされている。また黒茶のうち、プーアル熟茶もアッサム種を使うことが前述のISO 20715:2023「Tea ? Classification of tea types」に規定されている[20]

アッサム種は単幹の高木で、放置すれば6メートルから18メートルの高さにも達する。葉が大きく、15-35センチメートルまで成長する[18]。栽培に適した高さに刈り込みながら摘採した場合、経済的に利用可能なのは40年程度である[21]。アッサム種の中に5つの亜変種があるとの説もある[17]。生育の良さと葉の大きさのため収量があり、インドのアッサム地方スリランカ低地、インドネシアケニアなどで栽培されている[19]摘採直後の茶葉。同じ木から摘んだものでも、葉の小さいものの方が重量当たりの価値が高い(インド・ダージリン)。
栽培

新芽が成長してくると摘採を行う。摘採時期が遅れると収量は増えるものの、次第に粗繊維が増加して葉が硬化し、主成分であるカフェインカテキンアミノ酸テアニン)も急激に減少するため、品質が低下する。そのため、品質を保ちながら収量を確保するため、摘採時期の見極めが必要である[22]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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