茨城県西地域
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茨城県西地域のデータ
日本
地方関東地方
面積1,030.90km2
総人口523,306人
位置

図中の■(茶色)の部分が県西地域

茨城県西地域(いばらきけんせいちいき)とは、茨城県のうち、西部に位置する地域を指す。茨城県内においては、一般的には県西と呼ばれる。
概要

茨城県西地域(以下「県西地域」)は茨城県を5つの区分に分けたものの1つであり、人口523,306人、面積1,030.94km²、人口密度508人/km²。(2024年5月1日、推計人口)。筑西市桜川市の全域、下妻市のうち旧真壁郡下妻町上妻村筑波郡高道祖村結城郡八千代町のうち旧真壁郡川西村が旧常陸国である以外は、すべてが旧下総国(後に千葉県)で、千葉県から移管された経緯がある。

主に筑波山西方の平坦な地形を占め、非常に可住地面積が広い[1]。南部を利根川が流れ、中央は鬼怒川が貫く。歴史は古く、平安時代承平天慶の乱では平将門が当地で兵を挙げ、鎌倉時代には結城朝光が結城に身を置き、戦国時代には古河公方が関東の戦乱の一つの中心となった。

県内では県南地域の次に東京都心に近いが、全体的に交通網が未発達であることから、古河市西部(旧古河市域)と常総市南西端(内守谷町きぬの里)を除いてベッドタウン化はしていない。また、近郊農業が盛んな地域となっており、県の農業出荷額の1/4強を県西が占め[2]、特に、筑西市や坂東市などで盛んである[2]。また、工業においても、各市町の工業団地を中心とした各種工業が発達しており、常総市、筑西市、古河市の3市がそれぞれ工業出荷額5000億円を超える製品群を出荷している[2][3]。商業は全般に低調であり、年間商品販売額で比較すると県西首位の古河市2700億円は、ほぼ同じ人口を持つ県南地域の土浦市、近隣の栃木県小山市の約5000億円の売り上げにはるか及ばない。筑西市2300億円弱が続き、以下は1000億円台の売上である[4]。後述するように、この地域は買い物先の外向き志向が強い。金融機関としては、茨城県の地銀である常陽銀行の存在感が非常に大きい一方、栃木県境付近では足利銀行も存在感を示す [5]。都市銀行は古河市にみずほ銀行が所在したが撤退、2022年1月現在都市銀行が所在しない地域となっている。

東北本線宇都宮線)の通る古河市の市街地、常総ニュータウンの一地域である常総市きぬの里地区や、各工業団地とその周辺にある一部を除けば多くの地域は、平坦な地形を活かした田園や畑を中心とするひなびた自然の豊かな地域である。

道路は、北から、国道50号国道125号国道354号が東西を結び、南北を国道294号が通る。国道4号は古河市をかすめ、バイパスの新4号国道は古河市中央部を通り結城市および境町のへりをかすめている。各市町村を結ぶ鉄道路線、公共交通機関は極めて貧弱であり、北を水戸線が、中央部を関東鉄道常総線が結ぶのみである。これらは県西地域では1時間に1?3本と極めて本数が少ない。バスも、東武バス[6]が拓いた路線はほぼすべてが廃止され、僅かに残った東西路線、JRバス関東南筑波線2006年3月31日をもって、その中央部の大半が廃止された[7]

医療は、非常に厳しい状態が続く。人口10万人辺りの医師数は筑西・下妻医療圏で95.8人、古河・坂東医療圏で119.2人と、全国ワースト2位の県内平均155.1人を更に大きく下回る[8]。公立病院の苦戦も報じられるところ[9]であり、厳しい状況はしばらく続く可能性がある。救命救急は、救命救急センターを持つ茨城西南医療センター病院(境町)が中心。つくばに近い地域では筑波メディカルセンター病院、栃木県境付近からは、自治医科大学附属病院も比較的近い ⇒[5]

これらの移動に不便な事情もあってか、各地域ごとに独立した生活圏を持つ傾向が強く、一市(あるいは一町)で一つの生活圏、と見なされる場合もある[10]栃木県埼玉県千葉県・あるいは群馬県と近接するがゆえに、その県境付近では他県の影響を大きく受けている。以前は土浦ナンバーだったが、つくば市以西をご当地ナンバーのつくばナンバーとしたことより、県西地域もつくばナンバーとなった。

県西地域の住民の中には、水戸を中心とする県政が県西の方を向いていないと感ずる者もあり、このように感じさせる状況を「県西に県政なし」と称する[11]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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