英語科教育学
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この項目では、用語について説明しています。大修館書店から発行されている雑誌については「英語教育 (雑誌)」をご覧ください。

この記事はその主題が日本に置かれた記述になっており、世界的観点から説明されていない可能性があります。ノートでの議論と記事の発展への協力をお願いします。(2013年5月)

英語教育(えいごきょういく)は、英語に関連する教育活動・内容の総称。

本項目では、主として教科「英語」(外国語としての英語)に関連のある理論・実践・歴史などについて取り扱う。現在の学校教育における教科「英語」自体については「英語 (教科)」を参照。


目次

1 概要

2 歴史

3 理論および実践

3.1 英語教育における2つの理論的立場

3.2 代表的な指導法

3.2.1 伝統的な指導法

3.2.2 AL法(Audio-Lingual Method)

3.2.3 CLT(Communicative Language Teaching)

3.2.4 その他



4 課題

4.1 英語教育議論に関する課題

4.2 教員養成に関する課題

4.2.1 小学校

4.2.2 中学校・高等学校



5 注釈・引用

6 関連項目

6.1 人物

6.2 資格

6.3 その他


7 外部リンク


概要

日本においては、中学校高等学校の6年間、さらに、大学短期大学専門学校などにおいても英語の授業が課されることが多いため、一義的にはこうした公教育機関における英語の教授を指す。しかし、この他に、小学校やそれ以前の段階における早期教育としての英語(児童英語)、高校受験大学受験などを対象とする受験英語英検TOEICTOEFLなどの英語検定対策、さらには年代を問わず趣味から各種専門分野にまで及ぶ英会話、など関連する分野は多彩であり、日本国内において広範なマーケットを形成している。

英語教育に関する研究分野は「英語教育学」と呼ばれ、教育学教科教育学)の一分野として位置づけられる。また、多言語の外国語教育とまとめて「外国語教育学」と呼ばれることもある。
歴史

この節の加筆が望まれています。

大阪の適塾[注 1]で確立されたオランダ語教授法は、その後の英語学習教育のメソッドとして継承されたという指摘もある[1][2]

開国に伴い、学者の研究対象も「蘭学」から、英学などを含む幅広い「洋学」へシフトして行った。江戸幕府洋学教育研究機関として「洋書調所」、その後継となる「開成所」が設置され、後述の森有礼らが学んだ。

アメリカ人ラナルド・マクドナルド(1824年 - 1894年)は、日本初の母語話者英語教師といわれる。

1873年には、官立外国語学校の一番手として旧東京外国語学校(現・東京外国語大学)が設立された。同年には長崎に、漢学と英語の両方を学べる私学「瓊林学館」も開設された[3]

1886年の第一次「小学校令」期(文政期)には、英語教育が推進された。森有礼は、国語外国語化論も唱えた[注 2]。このような極端な欧化主義は右派の反感を買い、のちに森は暗殺されることになる。森の死後は急進的な英語教育は縮小され、小学校における外国語教育は高等小学校(現在の小学校高学年?中学校にあたる)のみに限定されることになったという[4]

1924年排日移民法施行にともない、反米感情も含め、英語存廃論が世論に出た[5]

1950年9月には、日本英語教育協会(2009年に日本英語検定協会と合併して解散)が設立された。

2011年度から小学5・6年生で英語が必修化した。文部科学省は小4以下での必修化も検討している[6]
理論および実践
英語教育における2つの理論的立場

英語教育(法)に相当する英語には、(T)ESL と (T)EFL がある。

(T)ESL は (Teaching) English as a Second Language (第二言語としての英語)

(T)EFL は (Teaching) English as a Foreign Language (外国語としての英語)

の略称である。

"English as a second language" には、次の2つの意味がある。

母語に対する第二言語としての英語

英語が広く使用されている環境における第二言語としての英語

English as a foreign language は、後者の意味に対して

英語以外の言語が広く使用されている環境における第二言語としての英語

という意味を持つ(英語が[公用語]であるかどうかは無関係である)。

上記表記における T (= Teaching) が表記されない場合には、学生側から見て「受講する英語のクラス」という意味合いになる場合がある。

なお、類似した用語にTESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages、TESOLを参照)がある。TESOLは、英語教育に関する世界最大の学会の名称であると同時に TESL と同じく英語教育という分野の総称として使用される。このほかに欧州では ELT (English Language Teaching)という用語も広く使われている。
代表的な指導法
伝統的な指導法

英語教育における伝統的な指導法は、行動主義を応用したもので、次のような手順が用いられる。
模倣(Mimicry-Memorization)
教える側は正しい文の模範(英文法)を提示し、学ぶ側はそれを復唱する。
代入(Substitution)
教師は新たな単語を生徒に提示し、生徒はそれを用いて同じ構造の文章を作ってみる。
AL法(Audio-Lingual Method)

AL法(オーディオリンガル法)は、ミシガン大学のチャールズ・フリース (Charles Fries) らによって考案された、言語指導で用いられる教授法の1つ。日本においては、オーラル・アプローチ (Oral Approach) と呼称されることが多い。「外国語は口頭練習から始める」という行動主義に基づいた方法論(いわゆるダイレクト・メソッド)であり、特定の生活習性は「習慣強化」(オペラント反応)を通じて獲得されると考える。よって正しい習慣が形成されてくれば肯定的な評価が、間違った習慣が形成されてくれば否定的な評価が、それぞれ下される。

AL法では、先述のような明示的な文法の解説は行われず、パタン・プラクティス (Pattern Practice) と呼ばれる特定の文構造の練習が行われる。単純に「」(パタン:Pattern)の記憶という方法が用いられ、それを自動的に用いることができるようになるまで続けられる。この方法では、授業は一定の反復練習に基づいて行われ、学習者が自分から自由に新しい言語パタンを生成するような機会は方法論的に忌避される。教師は言語ルールに基づいた特定の反応を期待しており、生徒が否定的な評価を受ける結果をもたらしてしまうような働きかけは行わない。提供される情報・発信される情報ともに制限される意味で、AL法は教師中心的な指導方法である。しかし、それゆえに教師も生徒も何が期待されているのか容易に理解できる利点を持ち、未だAL法を好む者がいるのも事実である。

AL法は、3つの歴史的な事情の所産である。言語観の面では、「サピア=ウォーフの仮説」で知られるエドワード・サピアレナード・ブルームフィールドといったアメリカ構造主義言語学者による研究に端を発している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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