若草物語
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「若草物語」のその他の用法については「若草物語 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

若草物語
Little Women
『若草物語』(1868?1869)
著者ルイーザ・メイ・オルコット
発行日1869
ジャンル

developmental novel、教養小説、自伝、realist novel、一族の物語 家族、青年期、幸福、人の行動、相互依存
アメリカ合衆国
言語英語
形態文学作品
次作Little Men: Life at Plumfield with Jo’s Boys

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『若草物語』(わかくさものがたり、: Little Women、直訳: 小さな婦人たち)は、アメリカの作家ルイーザ・メイ・オルコットによる半ば自伝的な小説であり、児童文学家庭小説少女小説青春小説教養小説、女性文学である(『若草物語』以外にも多くの邦題がある)。1868年に出版された後、人気を受けて、第二部が1869年に出版された。19世紀後半のアメリカを舞台に、マーチ家の四人姉妹を描いた物語である。続篇としてLittle Men(リトル・メン、第三若草物語)、Jo's Boys(ジョーの少年たち、第四若草物語)があり、次女のジョーが開いた学園の生徒たちが描かれる。
『若草物語』(Little Women)『若草物語』が執筆されたマサチューセッツ州コンコードオーチャード・ハウス
概要

『若草物語(Little Women)』は、オルコットが姉妹たちと過ごした子ども時代を元にした、半ば自叙伝的な物語である。タイトルは、「小さなご婦人(Little Women)たちになるように」という父親の指導から来ている[1]。単なる幼い少女ではなく一人の立派な女性であるという意味合いで用いられていた。

マーチ家の姉妹と母を中心に描かれており、父は現実の著者の父と異なり、南北戦争に従軍する牧師とされ、物語冒頭から不在である。姉妹たちは母の導きによって、不在の父の希望どおり、家族や隣人たちとの交流の中で、それぞれ欠点を克服し、自らの生き方を探し、見極めようとする過程が描かれている[2]。姉妹と母、隣家のかなり女性的な感性を持つ男性たちとの交流のエピソードの連続で物語は進む[2]

1869年の『若草物語』第二部(イギリス出版時のタイトル Little Women Married, or Good Wives、「良き妻たち」[3]。邦題『続若草物語』他)は、マーチ家の姉妹の青春時代、成人期と結婚のエピソードに入っていく。アメリカでは、1880年の時点で、第一部(1868年)と第二部(1869年)が1冊の本として出版されており、Little Womenといえば第二部までを指すが、日本では第一部が『若草物語』と認識されている[4]。本作は1906年(明治39年)に、北田秋圃が『小婦人』[注釈 1](しょうふじん)のタイトルで初めて翻訳した。邦題は多様であったが、1933年の映画と、ほぼ同時に出版された矢田津世子による抄訳以降、『若草物語』のタイトルが使われるようになり、現在ではおおむねこのタイトルで知られている。

アメリカは伝統的に親と子の関係が重視されており、19世紀後半に、少女を主人公に、家庭内の人間関係にフォーカスした新しいタイプの物語群が登場し、これが家庭小説(家庭物語)と呼ばれた[5]。『若草物語』は、この家庭小説を代表する作品である[5]。欧米では、結婚を扱う第二部までがLittle Womenであるため、児童文学であるとともに女性文学であるともみなされている[6]。アメリカでは女性に非常に愛読されており、アメリカ文学者の渡辺利雄は、アメリカでは少女時代、ほとんどすべての女性が本作を読んでおり、また、自立し創造的な職業を選んだ女性の多くが本作の感想や思い入れを残していることからも、「女性の自立に大きな刺激を与えたことは、歴史的に、実証済みといってよいだろう。」と述べている[7]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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