花言葉
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この項目では、花に意味を持たせる言葉について説明しています。

Mr.Childrenの楽曲「花言葉」については「シフクノオト」をご覧ください。

倉木麻衣の楽曲「花言葉」については「君 想ふ ?春夏秋冬?」をご覧ください。

A.B.C-Zの楽曲については「花言葉 (A.B.C-Zの曲)」をご覧ください。

お願い:出典のない花言葉を追加しないでください。

花言葉(はなことば、: langage des fleurs、: language of flowers、: Blumensprache[注 1])は、などの植物に対し象徴的な意味を持たせるため考案されたもので、何らかの科学的な根拠に基づいたものではない。
園芸種苗業界では、新品種の開発者や販売会社などが、売上増加や品種のイメージ戦略を目的として、「この新品種の花言葉は○○」と発表する事例も散見される。
日本では主に西欧起源のものを核として様々なバリエーションがあり、花だけでなく草や樹木、花が咲かないキノコにも花言葉が考えられている。
花詞とも表記される。

一般に「バラの花言葉は愛情」のように、植物と単語の組み合わせで示される。
歴史 ヴィクトリア朝の画家ウォーターハウスによる「薔薇のこころ (The Soul of the Rose) 」

世界の多くの文化が植物に象徴的な意味を担わせる伝統を持つが、現在行われているような花言葉の慣行は、とりわけ19世紀の西欧社会で盛んになった[1]

その起源については不明な点が多いが[注 2]、フランスの貴族社会では、19世紀初頭には草花を擬人化した詞華集が人気を博し、草花と特定の意味の組み合わせ例を示した手書きの詩作ノートが貴族サークル内で回覧されていた。そうしたノートは、草花の性質にことよせて恋人の美しさを賞賛したり、あるいは不実や裏切りを非難するといった恋愛の駆け引きのために参照されたとも言われる[2][3]

1819年頃に出版されたシャルロット・ド・ラトゥール『花言葉』 (Le Langage des Fleurs)[4]は、こうした流行を背景に登場した最初期の花言葉辞典である。

ラトゥールは独自の花言葉を270超のリストにまとめているが、その命名手法の特徴は、大きく2つに分けられる。

第一は、その植物の外形や香り・色・生態といった植物の性質・特徴を言葉で表現しようとする観察重視の姿勢。たとえばブラックベリーについて、自らの観察をもとに「人目を避けるように生え、ひとたび口に含むと苦さだけが残る」とまとめた上で、花言葉を「嫉妬」と名付けるような手法がその例である[4][1]

第二は、西欧社会で草花が積み重ねてきた文化史的伝統を、一つの単語に凝縮して形容しようとする文化史重視の姿勢である。例えば古代ギリシアの伝統を参照しながら月桂樹に「栄光」の花言葉をあてたり、聖書の記述をひいて「オリーヴの花言葉は平和」などとする[4][1]

ラトゥールの著作においては、花の中でもバラに重要な位置が与えられているが、これも文化史的伝統を重視した結果とみなされている[2]。バラは「花の中の花」と称されるほど西欧文化において重視されてきた花の一つで、伝承や神話がとりわけ豊富だからである。

西欧の伝統において赤いバラは勝ち誇る美と愛欲を象徴する一方で、日本におけるのように現世のうつろいやすさを象徴するとして様々な図像表現に登場した[5]。また病室に白いバラを持参することを忌避するといった、バラにまつわる俗信・慣行も少なくない[注 3]。こうした伝統の豊富さから、ラトゥールはほぼ1章をバラの記述にさいて、色の違いのほか「バラの花束」「一輪のみのバラ」といった飾り方の違いごとに様々な花言葉を考案している[4][2]

こうしたラトゥールの命名スタイルは、後に続く数多くの花言葉辞典の踏襲するところとなり、彼女の本はフランス以外でもたびたび版を重ねた。社会の各層に庭園文化が浸透していたヴィクトリア朝のイギリスでもさまざまな花言葉辞典が出版されるが、中でも著名な絵本画家ケイト・グリーナウェイが著した挿絵入りの辞典は大きな評判を呼び、花言葉という慣行の普及に大きく寄与したとされる[2][3][7]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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