花登筺
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花登 筺
はなと こばこ
誕生川崎 善之助
(1928-03-12)
1928年3月12日
滋賀県大津市上北国町
死没 (1983-10-03) 1983年10月3日(55歳没)
東京都
職業小説家脚本家演出家
国籍 日本
最終学歴同志社大学商学部
活動期間1951年 - 1983年
代表作やりくりアパート
番頭はんと丁稚どん
細うで繁盛記
ぼてじゃこ物語
どてらい男
あかんたれ
ぬかるみの女
配偶者武智鉄二の義妹
由美あづさ
星由里子
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花登 筺(はなと こばこ、1928年昭和3年〉3月12日[1] - 1983年〈昭和58年〉10月3日[1])は、日本の小説家、脚本家。本名は、花登 善之助(はなと ぜんのすけ)[1]
来歴

1928年(昭和3年)滋賀県大津市上北国町(現・長等1丁目)の近江商人の家に生まれる。旧姓名・川崎善之助。花登家へ嫁いだ姉・八重の養子となり、花登姓に改めた。滋賀県立大津商業学校を経て、同志社大学商学部に進学[1]

1947年(昭和22年)北国町青年団の一員として演劇活動を始める[1]1948年(昭和23年) 大津で自主劇団人間座の結成に参加[1]。その後「文芸座」を設立し、地元の芝居小屋や大津市中央公民館などで文芸作品を上演する[1]1951年(昭和26年)同志社大学商学部卒業[1]。大阪の綿糸問屋に勤務するも肺結核により翌年退社[1]。病状は一時重体に陥るも回復し、作家を目指しラジオ局へラジオドラマの脚本を持ちこむ[1]

1954年(昭和29年)東宝と契約してラジオの台本作家、ミュージックホールの構成・演出を手がける。1958年(昭和33年)大阪テレビ放送朝日放送毎日放送などの合弁、のちに朝日放送と合併し消滅)の『やりくりアパート』で、脚本家としてデビュー[1]。劇団「波の会」を創設[2]

1959年(昭和34年)『やりくりアパート』にレギュラー出演していた子役・中山千夏を東京の舞台公演へ出演させたい、とする東宝側の要請を花登が固辞したことから関係が悪化し東宝から独立[3]松竹の支援で劇団「笑いの王国」を設立する[1]。当時花登の下で人気を博していた大村崑芦屋雁之助芦屋小雁らが追随するが[1]、同じ花登グループだった佐々十郎茶川一郎らは東宝からの慰留もあり残留、グループが分裂する結果となった。同年、コメディドラマ『番頭はんと丁稚どん』の脚本を手がけ、喜劇作家としての名声を確立する[1]

1963年(昭和38年) 劇団内では「人気の崑、実力の雁之助」という図式の下、2枚看板が成立していたが、雁之助は主演舞台を評価されながらも2番手に甘んじている事など自身の処遇に対する不満などから、主宰者の花登、座長の大村から距離を置くようになり、弟の小雁、芦屋雁平や花登に不満を抱く一部座員もこれに追従し始める。こうした事がやがて劇団内の軋轢となり、雁之助は大村主演の舞台にスッピンのままで出るなど傍目にも花登への猜疑心を露わにするようになっていく。加えて「元・宝塚娘役」、「主宰者・花登の妻」というプライドから看板女優の座に居座る由美あづさの横暴、孤立化する座長・大村など、座員間の不協和音が次第に表面化していく中、1964年、花登は劇団解散を決め、雁之助、小雁らは花登の下を離れる。

1970年(昭和45年)『細うで繁盛記』の脚本を執筆し、大ヒットを記録する[1]1971年(昭和46年)2月6日、自身の喜劇三千本を記念して、プロデューサー、脚本、監督の3役を務めた東宝映画『喜劇 おめでたい奴』が公開。1972年(昭和47年)東宝の支援で新たに劇団「喜劇」を主宰[1]。1973年(昭和48年)『どてらい男』を手がけ、連続ドラマとしては異例のロングランを記録する[1]

1974年(昭和49年)すでに妻である由美との関係は修復不可能になっていた中、花登と女優の星由里子との不倫問題が発覚した。劇団の看板俳優である大村は、花登と同様に、花登の当時の妻・由美にも恩義があり、自身の妻・瑤子も由美と親しい仲であったため、板挟みとなり、花登の行動を容認できない状況に陥っていた。結局、花登に劇団退団を申し出、花登と大村の長きにわたる「師弟関係」は終わりを告げた。花登の最後の言葉は「崖っぷちに立つ俺を後ろから突き落とすのか」であり、それが大村との生涯最後の会話となった[4]1975年(昭和50年) 由美との離婚成立後、星と再婚。1983年(昭和58年)10月3日肺癌のため死去[1]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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