花田少年史
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花田少年史
ジャンル
幽霊コメディ青年漫画
漫画
作者一色まこと
出版社講談社
掲載誌ミスターマガジン(MM)
ヤングマガジンアッパーズ増刊
花田少年史総集編 (AP)
レーベルミスターマガジンKC(MM)
講談社漫画文庫 (PB)
アッパーズKC (AP)
モーニングKC(MN)
発表号1993年11号 - 1995年10号(MM)
巻数MM・PB: 4冊
AP・MN:5冊(4+番外編)
アニメ
原作一色まこと
監督小島正幸
キャラクターデザイン兼森義則
音楽平野義久
アニメーション制作マッドハウス
製作日本テレビバップ
放送局日本テレビ
放送期間2002年10月3日 - 2003年3月27日
話数全25話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『花田少年史』(はなだしょうねんし)は、一色まことによる幽霊コメディ漫画作品、及びこれを原作とするアニメ映画作品。

原作は1995年度 第19回講談社漫画賞受賞作品。

アニメは東京国際アニメフェア2003 テレビ部門最優秀作品賞及び第8回アジア・テレビジョン・アワード長編アニメーション部門最優秀賞受賞作品。

概要

ミスターマガジン」(講談社)誌上において平成5年11号から平成7年10号まで連載。最初の単行本はミスターマガジンKCより全4巻で発売され、1999年には同じく全4巻で文庫化もされた。ミスターマガジンKCレーベルの廃止後、2000年のアニメ化決定にともないアッパーズKCより4巻同時に再出版され、また「ヤングマガジンアッパーズ」の増刊として「花田少年史総集編」(後述)が5冊発売された。この「総集編」の4にはアニメ用に描き下ろされた新作が掲載されており(発表はアニメが先)、2004年にはこの新作を収録した5巻が番外編として発売されている。さらにアッパーズKCレーベルも廃止となり、2006年には映画化にともないモーニングKCから全5巻で再々出版されている。なお、話は4巻までで完結しているため5巻はあくまで番外編であって4巻の続きではなく、時間軸としては4巻に収録されている28話と29話の間にあたる。

1970年代の日本田舎を舞台に、突然オバケ[1]が見えるようになってしまった少年・花田一路を中心に起こるさまざまな珍事を描く。

現世に未練や心残りのある幽霊が成仏出来ずに彷徨っている。幽霊の姿が見えて会話も交わせる一路の元に次々に現れては、その未練を果たすための協力を乞う。他の人には見えない幽霊の願い事を一路が懸命に叶えようと奮闘する姿は周囲の目には奇異に映るが、幽霊の関係者には一路の言葉の端々に思い当たる節があるため、眉唾と思いながらも協力や理解を示す者もいる。願いが成就するとその幽霊は成仏していく」というのが物語の基本構造となっている。幽霊の未練を取り扱うため自ずと人情話が多くなっているが、作者の得意分野であるギャグ要素を取り混ぜつつ“笑って泣ける”心温まる作品として評価が高い。

単行本4+1冊と比較的短い作品ではあるが、1995年度 第19回講談社漫画賞受賞、アニメ・映画化、上述の通りレーベルの廃止ごとに他のレーベルからの再出版と高評価を受けており、作者の代表作のひとつとなっている。

2002年日本テレビでアニメ化され、様々な賞を受賞している(後述)。また、2006年には『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』として実写映画化された(詳細は該当ページ参照)。



あらすじ

近所でも有名な腕白小僧、花田一路は悪戯を叱る母親から逃げようと道路に飛び出し、車にはねられてしまう。後頭部を9針縫いながらも、奇跡的に助かった一路であったが、これ以降なぜか幽霊が見え、会話の出来る「コワい能力」を得てしまった。そして様々なオバケ達が生前の未練や願いを果たして欲しいと、一路の元を訪れて無理難題を押し付けてくるように。未練を果たさないと成仏出来ないと言われ、中には一路にずっと憑りつくと脅かす者も出てきて、一路は懸命にその願いを叶えるため奮闘する。

※以下の編分けは正式な物ではなく、本稿執筆の便宜のために主に依頼者を元として作成したものである。
ユキ編


1巻に収録
生まれながらに病弱であったために死んだユキが、成仏するために必要な思い出の品を取って来て欲しいと一路に依頼する。
吉川のバアちゃん編


1巻に収録
吉川のバアちゃんが朝から花田家に上がり込んでくるが、それは幽霊であった。バアちゃんは残された子犬の面倒を見て欲しい旨を一路に依頼する。
ひまわり小僧編


1巻に収録
川で遊ぶ一路たちをじっと見つめる少年は、実はその川で溺れ死んだ少年の幽霊であった。自分の死によって心を閉ざしてしまった母親を少しでも元気付けてくれるよう一路に依頼する。
ちんちんジジイ編


1巻に収録
全裸で現れる幽霊・ちんちんジジイが、虫の知らせで死期を感じ身辺整理を始めた妻・タツの目に触れないよう隠しておいた、生前の浮気の証拠となる手紙を処分して欲しいと依頼。
結婚編1


2巻に収録
運動会の近づいた時期、壮太の母親は見合いをする。相手の男性は壮太たちと同じ小学校に通う市村桂の父親であった。些細な事から壮太と桂は、双方ともに親の再婚に反対していると誤解する。
おっぱい織田編


2巻に収録
勉強は大の苦手でいつも赤点を取る一路が、突然テストで満点を取った。これは幽霊の織田が一路の体を乗っ取ったためであった。織田はテストが満点だったおかげで教師や家族から褒められて良い思いをした代償として、一路に難題を突きつける。それは、美人のの谷間に顔を埋める夢を果たすために一路の体を借りたいというものだった。
マダム・カトリーヌ編


2巻に収録
帰宅途中の一路の前に現れた怪しい占い師マダム・カトリーヌ。彼女は生前詐欺をはたらいた報いで、地獄に行きかねない状態であった。地獄行きを避けるために、生前、詐欺で迷惑を掛けた人たちに償いをして、その罪を浄化して天国に行きたいという。一路には自分の代わりに路頭に迷ってしまった人たちに、本来の正しい道を示すことを依頼する。
結婚編2


2巻に収録
壮太の母と桂の父の結婚式当日、一路と壮太は宴会を抜け出し墓場で遊んでいた。そこに壮太の実父と同じ名前の少年が現れる。
俵崎春彦編


2・3巻に収録
生霊となって現れた春彦は一路に一日体を交換する事を依頼する。身の危険をマダム・カトリーヌに予言された一路は、その危険を避けるためにと快諾するが、交通事故で瀕死の春彦の体と交換する事こそがカトリーヌの予言した危険であった。死ぬ前に大学時代の同棲相手を一目見て未練を果たそうとした春彦であったが、そこで自分の娘の存在を知る。
天の邪鬼編


3巻に収録
中学生になった徳子のクラスに一人の男子が転校して来る。しかし彼は本来は女の子として生まれてくるはずであり、天の邪鬼のいたずらによって男として生まれてしまった少年であった。この悪戯の罰として少年の体に閉じ込められていた天の邪鬼は、過去に戻って自分の悪戯を失敗させるように一路に依頼する。
ゴンパチ編


3・4巻に収録
しつけに厳しく、威厳を持った人物と評されるそろばん塾のゴンパチは、餅を喉に詰まらせ死にかけ、生霊となって一路の前に現れ、助けを求める。一路の懸命の救助も空しく絶命したゴンパチであったが、死を受け入れ、一路に身辺整理を頼む。一路のおかげで成仏出来るかに思えたゴンパチであったがなぜか成仏が出来ない。
メロン編


5巻に収録の番外編
洋平との約束を破ったためにクラスメートから除け者にされている一路の元に一人の女性メロンが現れる。メロンの依頼は洋平に自分との約束を思い出させる事だったが、一路が洋平を問いただしたことで余計に孤立してしまう。
蕎麦屋編


5巻に収録の番外編
橋で自転車同士の事故にあった一路は、相手のおじさんに中学校にいる息子に贈り物を届けるように依頼される。しかし息子の貴人に会ってみると、非常に憮然とした態度で「父親はすでに亡くなっている」と言う。
りん子編


4巻に収録
山向こうの親戚の家から一路の家に暫く身を寄せることになったという少女・りん子。彼女は「一路のお嫁さんになる」という。りんこの頼みで一路は毎晩山に通い、谷底に落ちた地蔵を探し出して、運び上げることに。ある日、寺の和尚によって彼女が幽霊である事を知る。
登場人物

年齢・学年などは初登場時の物。単行本の3巻で学年が1つ上がっている。
花田家
花田 一路(はなだ いちろ)
- くまいもとこ本作の主人公。中山田小学校に通う小学3年生。近所でも有名な腕白坊主。勉強は苦手ながら、駆け足・喧嘩・早食いは一番。運動神経は抜群であり、後の高校時代には1年生でありながら野球の先発投手を任されている。初登場時からずっとカラーテレビを欲しがっている。暴れん坊で怖い物なしだが、オバケが大の苦手。交通事故で頭を負傷し、9針も縫う大怪我をした。その手術のために頭髪を剃ってツルツル頭となるが、なぜかそれ以降頭髪が生えてこなくなる。交通事故での臨死体験を境に、オバケが見え、会話が出来るようになってしまった。オバケ達から様々な無理難題を押し付けられるようになる。憎まれ口を叩きながらも、オバケや人間を問わず困っている者を放って置けない優しさを持ち、彼らの想いや優しさを感じ取り、人間として少しずつ成長していく。最終回では家業を継いで大工になり、桂と結婚して千路と百子という2人の子供の父となっている。オバケたちに対する記憶は無くなっていたが、頭髪は生えている。
花田 大路郎(はなだ だいじろう)
声 - 矢尾一樹一路の父。しがない大工をしており、近所では「大工の大ちゃん」で通っている。いつも酒を飲んでは、ご機嫌になっているチャランポラン親父(一路曰く「話が分かるようでひとつも分からない」)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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