『花図鑑』
薬師丸ひろ子 の スタジオ・アルバム
リリース1986年6月9日 (1986-06-09)(LP・CT・CD)
1997年11月19日 (1997-11-19)(再発売)
2014年2月5日 (2014-02-05)(再発売)
ジャンルJ-POP
時間41分21秒
レーベルEASTWORLD / 東芝EMI
プロデュース松本隆
チャート最高順位
週間2位(LP・CT・CD)(オリコン)[1]
薬師丸ひろ子 アルバム 年表
夢十話
(1985年)花図鑑
(1986年)星紀行
(1987年)
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『花図鑑』(はなずかん)は、1986年6月9日にリリースされた薬師丸ひろ子のスタジオ・アルバム。発売元は東芝EMI。商品コードは、LP:WTP-90408、CT:ZH28-1688、CD:CA32-1260。 1986年にリリースされた3作目のオリジナル・アルバム。全10曲を収録。このアルバムも漢字3文字シリーズの1枚である。 本アルバムのプロデューサーを兼ねる作詞家・松本隆が全曲の歌詞を書き下ろし[2][3]。〔『花図鑑』というタイトルどおりに、〕アルバムは全て花に関する歌詞[2]。東芝EMIのディレクター鈴木孝夫
解説
1曲目の「花のささやき」は、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番の第2楽章・アダージョの旋律に松本が詞を付けたものである[5]。クラシックの曲に歌詞をつけて歌う例は2020年現在でも多くはない[6]。鈴木ディレクターは、話を聞いた時上手くいくだろうかと思った[6]。最初は、スタッフからの抵抗もあった[6]。松本は薬師丸なら、人間の持つ生々しさを取り払った表現が出来るのではないかと期待し、その通りになった[6]。田家秀樹は、通俗的な喜怒哀楽を浄化したような涼やかな声がクラシック音楽を感じさせないとコメントしている[7]。松本がアルバム全部の歌詞を書くから出来たわがままで、作曲家にモーツァルトを指名し、その曲に自分の歌詞を付けるなど、今考えると、非常に畏れ多いことをしたと回顧している[6]。
作曲家の中で目を引く存在として、「夏の思い出」「雪の降るまちを」「めだかの学校」「ちいさい秋みつけた」などの童謡や歌曲で有名なクラシックの作曲家兼ピアニストである中田喜直がいる、このアルバムには「寒椿、咲いた」と「かぐやの里」の2曲を提供[7]。中田の甥である中田佳彦[注 1]を知っていた松本が、偶然六本木の蕎麦屋で2人に遭遇し、直接喜直に作曲を依頼した[7]。その2曲は童謡のようでもあり、雅楽のようでもある[4]。アルバムのラスト「かぐやの里」は日本歌曲のようで、日本画のような淡い繊細な曲となっている[4]。
薬師丸自身の作曲による「紫の花火」も収録されている。
ジャケット、歌詞カード、ピンナップの写真は篠山紀信による。
予約特典として、ステキな恋の忘れ方のカップリング曲の「不思議よセ・ラ・ヴィ」の『1985.11.28 薬師丸ひろ子 in 国技館 映画「野蛮人のように」完成記念フェスティバル』で披露されたヴァージョンがソノシートとして添付されていた。
歌手生活30周年を記念したベスト・アルバム『歌物語』には、本作から「100粒の涙」と「紅い花、青い花」の2曲が収録されている。
このアルバムと『星紀行』の間に、『薬師丸ひろ子 ベスト・コレクション』を1986年12月6日にリリースしている。
オリコンチャートの最高順位は週間2位(全チャート共通)、LPチャートの登場週数は10週、累計9.4万枚のセールスを記録。CTチャートの登場週数は11週、累計4.7万本。CDチャートの登場週数は11週、累計3.7万枚[1]。LP・CT・CD合算のセールスは17.9万枚となっている。
1997年11月19日に発売元EMIミュージック・ジャパンにより再発売された。
2014年2月5日にユニバーサルミュージック(USMジャパン)により高音質SHM-CDで再発売された。規格品番はTYCN-80017[8]。 全曲 作詞:松本隆
収録曲
LP・CT
Side 1
花のささやき(4分36秒)[注 2]
作曲:Wolfgang Amadeus Mozart、編曲:武部聡志
100粒の涙(4分1秒)[注 3]
作曲:筒美京平、編曲:武部聡志
ローズティーはいかが?(4分41秒)
作曲:井上陽水、編曲:松任谷正隆
寒椿、咲いた(3分34秒)
作曲:中田喜直、編曲:松任谷正隆
紅い花、青い花(4分23秒)
作曲:細野晴臣、編曲:細野晴臣・越美晴・小西康陽